カンパニョーロ

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カンパニョーロ: Campagnolo s.r.l. )は、トゥーリョ・カンパニョーロ英語版: Tullio Campagnolo , 1901年8月26日 - 1983年2月1日)が創業したイタリア自転車部品専業メーカーであり、ロードレーサー用の部品においては日本のシマノ、アメリカのSRAMとともに市場を寡占している大手である。

カンパニョーロ
Campagnolo
種類 : s.r.l.
本社所在地 イタリアの旗 イタリア
ヴィチェンツァ Via della Chimica
設立 1933年[1]
業種 製造業
事業内容 自転車部品・など、
金属加工製品の製造
関係する人物 トゥーリョ・カンパニョーロ英語版
外部リンク http://www.campagnolo.com/
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カンパニョーロの歴代リアディレーラー
カンパニョーロ製ダブルレバー
ランボルギーニ・エスパーダ向けにOEM供給している自動車ホイール

Campagnolo は英語圏においては campy と呼ばれていることが多い。コンポーネントのブランド名に一部英語名が使われているが、record(レコルド)の単語はイタリア語にも存在している。

歴史

トゥーリョは自転車の競技者であったが、実家であるカンパニョーロ家は作業場を持つ金物屋であった[2]。そこで彼は自分の経験を生かし、自転車の部品の製造を開始する。これがカンパニョーロ社の創業の経緯である。

ドロミテにあるオーネクロス峠(クローチェ・ドーネ峠[2])のレースでの苦い経験から、レバー一つ捻るだけで車輪の着脱が出来るクイックリリース(「クイックレリーズ」の呼称で呼ばれることが多い)、通称「クイック」を発明した。

従来はハブボルトにネジを切り、エンドに蝶ナット(ウイングナット)で留めていたのだが、1924年11月に、23歳のトゥーリョが参戦したレースの上りにおいて、ホイール両側の歯数が異なるギアを入れ替えようにもで付着したが凍りつき、かじかんだ手では蝶ナットが回せず、車輪を外せなかった経験による[2]

社章は、クイックレバー付きの、翼が生えた車輪が盾の中に描かれたもの。「クイック」は現在ではスポーツ用自転車(特にロード用)には不可欠の装備となっている。またこの経験をしたオーネクロス峠の名は、のちにパーツセット「クローチェ・ダウネ(ドーネ)」に冠された。

1949年、縦型パンタグラフを2本のワイヤーで引いて動作させる変速機をミラノの展示会に出品する。1950年には変速機に1本のバネを組み込むことによってワイヤー1本だけを引くことで縦型パンタグラフを動作させる変速機を発表した。1952年に変速機構の部品位置があまり変化させないで安定した動作が得られるよう、コグセット中心下方向に向かって動作するように取り付け角度を改良して、1980年代の製品まで続く完成形を見出した。[3]

1950年代末から乗用車用やオートバイマグネシウム合金ホイールも製造していた。ホイール製造部門はその後テクノマグネシオという子会社に分離し、現在はMIM Wheelsのブランドとして存続。

1989年 - 1992年にはマウンテンバイクのコンポーネントにも参入したが、市場に食い込むことができずに撤退している。

1990年代には日本のシマノがブレーキレバーとシフトレバーを一体化したSTIシステムを投入したが、カンパニョーロ社も「エルゴ・パワー」なるシステムを開発してこれに追随した。

2008年には翌年からラインナップを一新し11速を上位モデルに採用する事を発表し、2008年のツール・ド・フランスでは機材を供給しているチームの一部選手が使用した。 台湾に自社工場を設立。コストダウンを図る。

日本でのカンパニョーロ

カンパニョーロジャパン
Campagnolo Japan LTD.
種類 株式会社
本社所在地 231-0041
神奈川県横浜市中区吉田町65番地
設立 2005年11月24日
業種 サービス業
事業内容 製品のアフターサービス(但し正規販売店を経由)[4]
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シマノの膝元である日本でも一定のファンが存在する。一方、ヨーロッパでは価格と信頼性からシマノ製品に押され気味である。同水準の性能のシマノ製品と比較すると価格は極めて高額である。

日本でのカンパニョーロは、実用品としてよりも「高価な商品を所有する」という典型的な「高級ブランド化戦略」を採っている。よって、日本国内での同社製品の売り上げのほとんどは最高級グレードの「レコード」とその下の「コーラス」で占められている。[要出典]

また、フラグシップモデルであるシマノの「デュラエース」とカンパニョーロの「スーパーレコード」(かつては『レコード』が最上位グレードだったが、11速化により一つ下になった)の日本国内での販売価格(希望小売価格)は、後者が前者のほぼ2倍である。 シマノと比較すると消耗品が高価であり、かつては補修部品の入手が難しかったことから、使用頻度が高い人はシマノを選択することが多い。補修部品に関しては、カンパニョーロジャパン設立によって以前より改善が見られるが、いまだ良好とはいえない。なおNJS規格審査を通過して競輪トラックレーサーに使用が認められた部品もあり[5]現在も使用している競輪選手がいる。[要出典]

クランク
総アルミのシマノ・デュラエースと比較してカーボンクランクのためいくぶんやわらかく体にやさしい。シマノは剛性感がありパワーを受け止めることが出来るといわれており、スタイルの違いといえる。インナーギヤの径が小さいコンパクトクランクの採用は2004年とカンパニョーロのほうが先であった。
変速機
ブレーキレバーを操作レバーと兼用するシマノに対して、親指で操作する小さなレバーがあるのが最大の違いである。
ブレーキ
絶対的な制動力よりもスピードコントロールを主目的としたレース仕様である。そのため簡単にタイヤをロックさせられるシマノと比較して制動力不足とするユーザーもいるが、カンパニョーロは制動力のコントロール幅が広く使いやすいとするユーザーも多い。どちらが優れているということはなく設計思想の違いである。

パーツセット

カンパニョーロのパーツセット(2009年現在):

  • スーパーレコード(Super Record ):前2速、後11速
  • レコード(Record ):前2速、後11速
  • コーラス(Chorus ):前2速、後11速
  • アテナ(Athena ):前2速、後11速
  • ケンタウル(Centaur ):前2速、後10速
  • ベローチェ(Veloce ):前2速、後10速
  • コンプ(Comp ):前3速、後10速

ギャラリー

脚注

  1. ^ The official Campagnolo web site - Bicycle Parts and Components Cycling - Corporate / PROFILE
  2. ^ a b c Italian Roadracer Museum (1998)、54-55頁
  3. ^ Ichikawa & Heine.
  4. ^ カンパニョーロジャパンが横浜で業務を開始」『CYCLING TIME』2005年1月6日。 
  5. ^ 登録更新」(PDF)『広報KEIRIN』第60号、財団法人JKA、2013年3月29日、8頁。  - 2012年10月現在、自社による登録認定部品は無いが、二次部品として他社の部品に組み込まれ使用されているものがある。

参考文献

  • 「イタリアン・ロードレーサー・ミュージアム:イタリアの美しく強い自転車を堪能する」『カー・マガジン10月号増刊』第20巻第18号、ネコ・パブリッシング、1998年10月。 
  • 『カンパニョーロが丸ごとわかる本:ロードレースの世界を常にリードしてきたイタリアの巨人』枻出版社〈エイムック. Bicycle club別冊〉、2002年7月。ISBN 4870996723NCID BA63505027 
  • 『カンパニョーロ完全読本:至高のコンポーネントがすべてわかる 』枻出版社〈エイムック1502〉、2008年。ISBN 9784777909728全国書誌番号:21385232 
  • ファッチネッティ, パオロ、ルビーノ, グイド・P. 著、仲沢隆 訳『Campagnolo:自転車競技の歴史を”変速”した革新のパーツたち』枻出版社、2009年。ISBN 4-7779-1476-3 
  • Ichikawa, H.; Heine, Jan. “Developing the Campagnolo Gran Sport – the First Modern Racing Derailleur” (PDF). Vintage BICYCLE 2 (2): 1-6. http://www.bikequarterly.com/images/BicycleQuarterlyCampGS.pdf. 

外部リンク