パラレルワールド

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パラレルワールドとは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界並行宇宙並行時空ともいう。

「四次元世界」、「異世界」、「異界」、「魔界」などとは違い、パラレルワールドは我々の宇宙と同一の次元を持つ。

概要

「この現実とは別に、もう1つの現実が存在する」というアイディアは、「もしもこうだったらどうなっていたのか」という考察を作品の形にする上で都合がよく、パラレルワールドはSFにおいてポピュラーなアイディアとなっている。登場人物が何らかの切っ掛けで、自分が知っているのとは違うもう1つの現実に迷い込んでしまうといった作品が多く存在する。

このアイディアは広く一般化し、SF以外の作品でもパラレルワールドの概念を取り入れたものが作られることは珍しくない。

架空戦記作品に見られるような、史実とはどこかが異なる「もう1つの歴史」を扱うフィクションは多数存在するが、これも我々の知る世界から見れば、パラレルワールドである。

また、「複数の現実が存在する」という概念が転じて、ある一定の共通基盤を持つが、相互に矛盾した設定展開を持つ複数の物語の関係を、俗に「パラレルワールドの関係」と表現する場合がある。

タイムトラベルとパラレルワールド

タイムトラベルを扱ったフィクションにおいて、タイムパラドックスの解決法としてパラレルワールドが用いられる場合がある。すなわち、タイムトラベルで行き着いた先は実際は現実に酷似したパラレルワールドであり、どの時間軸で歴史を変えようとしても自分がいた元の世界には影響しない。あるいは多世界解釈的に、パラドックスを生じさせるような事態が起こった時点でパラレルワールドが発生する、もしくは元から時間が経過していくごとに別のパラレルワールドが随時無限に発生していく、という物である。さらに言えば、自己の意識が自分の持つ時間の中でどの未来を体感するかはまったく予想できない、ということである。

パラレルワールドは実在するか

パラレルワールドはSFでよく知られた概念であるだけでなく、実際に物理学の世界でも理論的な可能性が語られている。例えば、量子力学多世界解釈や、宇宙論の「ベビーユニバース」仮説などである。理論的根拠を超弦理論の複数あるヴァージョンの一つ一つに求める考え方も生まれてきている。現在の宇宙は主に正物質、陽子電子などで構成されているが、反陽子陽電子などの反物質の存在が微量確認されている。この物質の不均衡は、ビッグバンによって正物質と反物質がほぼ同数出現し、相互に反応してほとんどの物質は消滅したが、正物質と反物質との間に微妙な量のゆらぎがあり、正物質の方がわずかに多かったため、その残りがこの宇宙を構成する物質となり、そのため現在の既知宇宙はほぼすべての天体が正物質で構成されているのだと説明されている。ビッグバンの過程において、この宇宙以外にも他の宇宙が無数に泡のごとく生じており、他の平行宇宙では、逆に反物質のみから構成される世界が存在するのではないかという仮説も提示されている。しかし、ここ最近、反物質世界は近くには存在しないとの証拠をKEKらが日米共同宇宙線観測実験で実証した。

パラレルワールドを主題とした作品


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


パラレルワールドを取り入れている作品は多いが、ここでは主題とした作品のみを記述する。

アメリカの作品

  • 航時軍団 1938年、SF小説
  • 発狂した宇宙 1949年、SF小説
  • 住宅難(Living Spaceアイザック・アシモフ地球は空き地でいっぱい』所収、1956年)、SF小説
    パラレルワールドの自由な往来が可能になった未来。人々は生命が誕生しなかった他の世界の地球を自宅として所有するようになった。そして、一つの世界だけに住んでいては起こりえなかった事態が到来する。
  • Sliders 1996年、SFテレビドラマ
  • ザ・ワン 2001年、SF映画
  • FRINGE 2008年、SFテレビドラマ
    第一シーズン最終回から、この世界とよく似ているが微妙に違う「もう一つの世界」が登場し、第三シーズンでは「もう一つの世界」が舞台となるエピソードも登場する。
  • トランスフォーマー シャッタード・グラス 2008年、コミック
    G1の登場人物であるクリフが、「彼が本来居た世界とは善悪が逆転した『悪のサイバトロン』と『正義のデストロン』が戦うパラレルワールド」に迷い込む、という筋書き。

日本の作品

その他の作品

関連項目