排障器

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排障器(はいしょうき)とは、鉄道車両に装着されている、線路上の障害物をはね避け、車体下にまきこんで運転に支障をきたすことのないようにするためのものである。

排障器と排障装置(東急8500系
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解説

たとえば、踏み切りに立ち往生している自動車に衝突した場合に、排障器が取り付けられていないと自動車を車体下に巻き込み、床下機器を損傷させてしまうが、排障器を取り付けていればこれを避けることができる。 特に2000年代後期以降は、鉄道人身傷害事故発生時に、負傷者を車体下に巻き込ませないことを目的とした設計・構造の排障器を各社開発、搭載している。

排障器は先頭車両に取り付けられ、一般にスカートと称される大型のものと、台車に付けられた簡易的な小型のものとに分けられる。

スカートと呼ばれる大型のものは、当初は特急電車など高速運転する車両にのみ取り付けられていたが、近年では踏切事故防止と車両のデザインのアクセント的意味合いも強くなっており、特急形以外の車両でも新製される際に付けられることが多い。また更新工事を行った従来車両にも新たに取り付けられたり、従来取り付けられていた車両にも強化型(面積を広めた大型の物)に交換されることが多い。

国鉄キハ58系気動車急行形車両として取り付けられるべきであったが、初期型では新製費を抑えるために省略していた。後期型(パノラミックウィンドウ車)から取り付けられるようになった。

材質は鉄などの金属製であり、車体と合わせたカラーの場合もあるがたいていはグレーか黒に塗装されている。車両の先頭部分の床下、連結器まわりを囲うように取り付けられている場合がほとんどである。

小型のものは、基本的に全ての鉄道車両の先頭部分に取り付けられている。先頭部分の台車車輪の直前に付けられ、スカートよりも小さい障害物(石など)をはね避ける目的で装備されている。

台車枠に鋼板製のステーで取り付けられ、レール直近のみはゴム板となっているものもある。台車と同じ色で塗装されている。

関連項目