しらね型護衛艦
しらね型護衛艦 | ||
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DDH-144 くらま | ||
艦級概観 | ||
艦種 | ヘリコプター搭載護衛艦 | |
建造期間 | 1977年 - 1979年 | |
就役期間 | 1980年 - 就役中 | |
前級 | DDH:はるな型護衛艦 | |
次級 | DDH:ひゅうが型護衛艦 | |
性能諸元 | ||
排水量 | 基準:5,200トン | |
満載:6,800トン | ||
全長 | 159m | |
全幅 | 17.5m | |
深さ | 11.0m | |
吃水 | 5.3m(くらま 5.5m) | |
機関 | 蒸気タービン(70,000PS)2軸 | 2基 |
速力 | 32ノット(くらま 31ノット) | |
定員 | 350名(くらま 360名) | |
兵装 | 5インチ54口径単装速射砲 | 2基 |
高性能20ミリ機関砲(CIWS) | 2基 | |
シースパロー短SAM8連装発射機 | 1基 | |
アスロックSUM8連装発射機 | 1基 | |
68式3連装短魚雷発射管 | 2基 | |
艦載機 | SH-60J哨戒ヘリコプター | 3機 |
C4I | SFシステム[1]+OYQ-3+NTDS (リンク 11+14) | |
レーダー | OPS-12 3次元レーダー | |
OPS-28対水上レーダー | ||
ソナー | OQS-101 艦首ソナー | |
SQS-35 VDS (DDH-143) | ||
SQR-18(V)1 TACTASS (DDH-144) | ||
FCS | FCS-1 砲射撃指揮装置 | |
言語 | 表記 | |
日本語 | しらね型護衛艦 | |
英語 | SIRANE class Destroyer |
しらね型護衛艦(しらねがたごえいかん、英: JMSDF DDH SHIRANE class)は海上自衛隊が保有するヘリコプター搭載護衛艦。第4次防衛力整備計画(4次防)ではるな型ヘリコプター搭載護衛艦の発展型として建造された。こんごう型イージス護衛艦が建造されるまで、海上自衛隊で最大の護衛艦だった。
概要
第4次防衛力整備計画原案の作成当時、基準排水量8,700t、機関出力12万馬力でヘリコプター6機搭載、スタンダードミサイルを装備する8,300トンのヘリコプター搭載大型護衛艦(DLH)として計画された。後に経済的、政治的理由から縮小が図られ、8,000トン、10万馬力でスタンダードSAMを搭載せず、隻数も2隻から1隻に減らす案が出されたが、第一次オイルショックに起因する4次防縮小から、はるな型の拡大改良型として本型が開発された。
はるな型護衛艦と同様、3機の哨戒ヘリコプターを搭載し、1番艦「しらね」は就役当初HSS-2Aを搭載、後にHSS-2Bに改めた。2番艦「くらま」は当初からHSS-2Bを搭載したが、両艦とも後にSH-60Jに換装している。駆逐艦相当の規模で大型ヘリコプターを3機搭載するのは海上自衛隊特有の運用である。
艦名
艦名は山岳名である「こんごう」と「きりしま」になる予定だったが、当時の防衛庁長官だった金丸信が、自らの選挙区にある白根山を推した[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。とされる。「こんごう」「きりしま」は、後にこんごう型護衛艦(イージス艦)に採用された。
装備
艦後部がヘリコプター格納庫及び発着甲板となっているため、2門を背負い式配置にした5インチ速射砲とアスロック発射機は、艦橋前方に集中して配置されている。はるな型は就役時、艦対空ミサイルを搭載していなかったのに対し、本級は就役時からヘリコプター格納庫上にシースパロー個艦防空ミサイルを装備しており、ミサイル護衛艦(DDG)以外では初めてミサイルを搭載した護衛艦となった。
また「くらま」は就役時から近接防空火器の高性能20ミリ機関砲や曳航式パッシブ・ソナー(TACTASS)を搭載した初めての護衛艦であり、「しらね」にも後日、同様の装備が追加された。戦術情報処理装置(TDPS;Tactical Data Processing System)やデータ・リンク・システムも装備しており、海上自衛隊初の本格的なシステム艦となった。この他、OPS-12 3次元レーダー、OQS-101 ソナーなど、本級で初めて採用された新装備がある。
事故
しらね
2007年12月14日、戦闘指揮所(CIC)から出火し、これによる火災と消火活動により戦闘指揮所および指揮通信系統を全損した。一時除籍も検討されたが、2009年3月に退役した護衛艦「はるな」のCIC部分を「しらね」に移植する事で存続が決定し、2009年4月より損傷区画の移植改修工事と艦齢延長工事の為IHI マリンユナイテッド横浜工場へ入渠。第1護衛隊群第1護衛隊から第3護衛隊群第3護衛隊へ所属換えとなり、2009年9月末より舞鶴基地へ配置された。
2008年12月15日、横須賀港内で作業船と接触したが、双方ともに負傷者はなかった。
くらま
2009年10月25日に神奈川県沖相模湾で行われた平成21年度自衛隊観艦式に観閲艦として参加後、母港佐世保基地へ帰還する途中の2009年10月27日夜、関門海峡で韓国籍コンテナ船「カリナ・スター」(7400総トン)と衝突する事故が発生した。この衝突事故により「くらま」は主錨巻き上げ部を含む艦首部分を大きく破損、艦首塗料庫から火災を発生した。火災は約10時間後に鎮火されたが、この事故で「くらま」の乗員6名が負傷し、艦首を全損した。[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。
同型艦
DDH-143 しらね
DDH-144 くらま
登場作品
- 『ゴジラ』(1984年)
- 『ゴジラ×メカゴジラ』
- 『ソリトンの悪魔』
- 『新世紀エヴァンゲリオン』 - 国連艦隊として登場。
- 『沈黙の艦隊』- シーバットを護衛中にアメリカ海軍が発射したハープーンが護衛艦「くらま」に命中し撃沈される。
- 『異聞・ミッドウェー海戦』(豊田有恒短編集『異聞・ミッドウェー海戦-タイムパトロール極秘ファイル』所収、角川書店、1987年) - 演習中の新鋭護衛艦「くらま」が太平洋戦争のミッドウェー海戦直前にタイムスリップする物語。
- 『大逆転!ミッドウェー海戦』(檜山良昭作品 『大逆転!』シリーズ小説)-リムパック(環太平洋合同演習)へ参加する為、ミッドウェー沖を航行中だった、護衛艦『しらね』を旗艦とする護衛艦8隻の海上自衛隊護衛艦隊が、アメリカのタイムトラベル実験に巻き込まれ、このうち『しらね』含む4隻がミッドウェー海戦勃発直前の同沖にタイムスリップしてしまう物語。
- 『超空の大和』(田中光二)-前の作品の逆でミッドウェー海戦の前の連合艦隊が柱島に登場する
- 『ニセコ要塞1986』(荒巻義雄)-「IBM艦隊」の一艦として『くらま』が登場する。他にも『はたかぜ』『しらゆき』も登場。
- 『マーズ』:ソノラマ文庫版に『しらね』が登場。護衛艦『あまぎり』とともに『こんごう』を護衛。
- 『ジパング』(アニメ):第1話、横須賀港から出航する艦隊旗艦を、架空のしらね型3番艦「DDH 145あおば」が務めている。
脚注
- ^ SFシステムは、のちにMOFシステムによって代替。