VTEC-E
VTEC-E(ブイテック・イー、Variable-valve Timing and lift Electronic Control system Economy)は1991年7月に発表された、本田技研工業の吸気バルブ休止機構の名称で、低燃費と希薄燃焼を達成するため、4バルブの吸気側2バルブのうち1バルブを低回転時にほぼ休止状態にする。同社VTEC機構を元に、低回転時に吸気側の異なったカムプロファイルで作動するロッカーアームによって別々に開閉、1本は完全休止ではなくほんの少しだけ開け、他方は完全にリフトさせ、強力なスワール(混合気の渦流)を作りだし希薄燃焼を実現させる。高回転時になるとロッカーアームが油圧によって一体となり、吸気側バルブ2本とも完全リフトとなり、通常の4バルブエンジンと同様となる。
EG型のシビック ETi (MT)で初めて採用され、EK型シビックからは3ステージVTECに転用されている。また圧縮比を12.5に高めたNGV専用VTEC-Eも製造された。
当時のVTEC-EのPL(Project Leader)は本田技術研究所・和光研究所の宮野英世(現山田製作所代表取締役社長)。1992年に医師であり数々のギネスブック燃費世界記録を持つ宮野滋がEG4シビックETi(MT)で市販車ガソリンエンジンで30.42km/Lの燃費世界記録を出している。尚、両者の血縁関係はない。