if文
if文(イフぶん)はプログラミング言語において「もし~だったら」という条件を示す文である。if else文と呼ばれることもある。
文法はプログラミング言語によって異なるが、条件文はifの後に処理の条件となる条件式、条件に合致する場合に処理される真文、条件に合わない場合に処理される偽文で構成されている。
文法
共通する注意事項
Cの場合
真の時だけ実行するとき
if (条件式) 真文
真と偽で実行文を変えるとき
if (条件式) 真文 else 偽文
Common Lispの場合
真の時だけ実行するとき
(if 条件文 真文)
真と偽で実行文を変えるとき
(if 条件文 真文 偽文)
(cond (条件 真文) (t 偽文))
と同一
Pascalの場合
真の時だけ実行するとき
if 条件文 then 真文
真と偽で実行文を変えるとき
if 条件文 then 真文 else 偽文
Adaの場合
真の時だけ実行するとき
if 論理値 then 真文 end if;
真と偽で実行文を変えるとき
if 論理値 then 真文 else 偽文 end if;
- Adaの場合,if文の論理値として許容されるのは,言語既定義の列挙型である
Boolean
(もしくはBoolean
の派生型)のみであり,例えばCなどのような,0を偽とし,0以外を真とする条件とは異なる。
Perlの場合
真の時だけ実行するとき
真文 if 条件文
偽の時だけ実行するとき
偽文 unless 条件文
また、C言語風の記述法も可能である。
真の時だけ実行するとき
if(条件文) { 真文 }
真と偽で実行文を変えるとき
if(条件文) { 真文 } else { 偽文 }
Rubyの場合
Rubyのifは厳密に言えばif式であり、条件が成立した方の節で最後に評価された式の値を返す。
真の時だけ実行するとき
if 条件式 (then) 真文 end
真と偽で実行文を変えるとき
if 条件文 (then) 真文 else 偽文 end
BASICの場合
真の時だけ実行するとき
IF 条件式 THEN 真文
真と偽で実行文を変えるとき
IF 条件式 THEN 真文 ELSE 偽文
真文・偽文が1行で書ききれない場合はgoto文が併用される。
Visual Basicの場合
真の時だけ実行するとき
If 条件式 Then 真文 End If
真と偽で実行文を変えるとき
If 条件式 Then 真文 Else 偽文 End If
真文・偽文が短い場合には BASIC と同様の書き方も可能である。
REALbasicの場合
真の時だけ実行するとき
If 条件式 Then 真文 End If
真と偽で実行文を変えるとき
If 条件式 Then 真文 Else 偽文 End If
OpenOffice.org Calcの場合
真の式だけ実行するとき
IF(条件式;真文;"")
真と偽で実行文を変えるとき
IF(条件式;真文;偽文)
FORTRAN
以下は、Fortran77以降の、論理IF分の場合である。1行のみの場合
if(条件式) 真文
複数行にまたがる場合
if(条件式1) then 条件式1が真の場合ここから ここまでのプログラムが実行される(複数行) else if(条件式2) then 条件式2が真の場合ただしすでに条件式1が成り立っている場合は除くここから ここまでのプログラムが実行される(複数行) else すべてのなかのいずれの条件にも当てはまらない場合ここから ここまでのプログラムが実行される(複数行) end if
Forthの場合
真の時だけ実行するとき
条件式 IF 真文 THEN
偽の時だけ実行するとき
条件式 NIF 偽文 THEN
真と偽で実行文を変えるとき
条件式 IF 真文 ELSE 偽文 THEN
または
条件式 NIF 偽文 ELSE 真文THEN
ひまわりの場合
真の時だけ実行するとき
もし、{条件式}ならば、( {処理} )
真と偽で実行文を変えるとき
もし、{条件式}ならば、( {処理} ) 違ったら、( {処理} )
HSPの場合
真の時だけ実行するとき
if 条件式 : 真文
真と偽で実行文を変えるとき
if 条件式 : 真文 : else : 偽文
また、Cのようにブレイスを用いることもできる。
if 条件式 { 真文 } else { 偽文 }
プログラム例
特に断りがない場合na
とnb
の大きい方をnc
に代入という意味である。
Cでの例
if(na > nb) { nc = na; } else { nc = nb; }
nc = (na > nb) ? na : nb
としても同じ事ができる。
Common Lisp での例
(if (> na nb) (setq nc na) (setq nc nb) )
これはcondを使った
(cond ((> na nb) (setq nc na)) (t (setq nc nb)) )
と同様である。
Pascalでの例
if na > nb then nc := na else nc := nb
R言語での例
nc <- ifelse(na > nb, na, nb)
FORTRANの例
if(a.eq.b) c=5
上記の記述ではa=b
の場合c=5
になる簡単なプログラム例である。
if(a.eq.100) then b=30 else if(a.eq.80) then b=25 else b=20 end if
上記の記述ではa=100
の場合はb=30
となり,a=80
の場合はb=25
,その他の場合はb=20
となるプログラム例である。
論理積・論理和による擬似的なIf文
仮に && を論理積を表す演算子として、
左辺 && 右辺
という論理式で、左辺が真にならなければ右辺を評価しない言語では、これを
If (左辺) { 右辺 }
と等価とみなすことができる。つまり左辺が条件文で、右辺が真文となるわけである。
同様に || を論理和を表す演算子だとすると、
左辺 || 右辺
は
If (Not 左辺) { 右辺 }
と等価となり、左辺が偽のときだけ右辺が実行される。
たとえばMS-DOSやWindowsのバッチファイルでは
CHDIR C:\HOGE || ECHO フォルダがみつかりません
(もしCHDIRコマンドが失敗したら、ECHOコマンドが実行される)
言語によっては、このように論理積演算や論理和演算を擬似的なIf文として代用する場合が多々ある。