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[[江戸時代]]、[[蘭学]]の[[中川淳庵]]が、[[オランダ]]のApotheek([[薬局]]の意)を『和蘭局方』として翻訳したが、未完であった。[[1880年]]([[明治]]13年)[[10月]]、衛生局長[[長与専斎|長與専齋]]の建議により、[[松方正義]][[内務卿]]が[[太政官]]に「第一、本邦未た藥局方の律書あらす(略)」という伺書を出し、[[1886年]](明治19年)[[6月]]に「藥局方」が公布された{{efn2|薬品数468<ref>「日本薬局方沿革略記」『第十五改正日本薬局方』2006年、1頁。</ref>}}。また後に陸軍病院藥局方、陸軍藥局方も作られた。薬局方という言葉は、日本の歴史において、薬典という言葉を「方」と記載したことに由来する。これは、[[中国]][[宋 (王朝)|宋代]]の古医書『[[太平恵民和剤局方|和剤局方]]』に倣ったものだと考えられている<ref>[[長濱善夫]]『東洋医学概説』[[創元社]]〈東洋医学選書〉、[[1961年]]、{{ISBN2|4-422-41301-5}}。</ref>。なお、[[中華人民共和国]]における医薬品の品質規格書は、薬典の言葉を用いた『[[中華人民共和国薬典]]』である。
 
日本薬局方は1886年(明治19年)には、東洋初、世界で第21番目の国定薬局方として'''初版日本薬局方'''<ref>{{Cite book|和書|title=日本薬局方|date=明治19年6月25日|publisher=官報}}</ref>(明治19年官報)が発行され<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.eisai.co.jp/museum/information/facility/archive/04411/comment.html|title=『くすりの博物館』|accessdate=2021/10/02}}</ref>、続いてそのラテン語版となる'''Pharmacopoea Japonica''' Editio Latina<ref>{{Cite book|和書|title=Pharmacopoea Japonica|year=1888|publisher=|location=Tokyo|url=http://www.eisai.co.jp/museum/information/facility/archive/04410/thumbnail01.html}}</ref>も上梓された。日本語版では漢名・ラテン名が併記され以下記載が続く形式でラテン名のアルファベットの順で記載されている。以来、医薬品の開発、試験技術の向上に伴って改訂が重ねられてきた。1891年に'''改正(第二版)日本薬局方'''、1906年に'''第三改正日本薬局方'''(これよりラテン語版に代わり英語版が発刊)、1920年に'''第四改正日本薬局方'''、1932年に'''第五改正日本薬局方'''、1951年に'''第六改正日本薬局方'''、1961年に'''第七改正日本薬局方'''、1971年に'''第八改正日本薬局方'''と概ね10年以上の間隔で改正されていたが、1971年の第八改正日本薬局方以降は5年に一度改正されている{{efn2|この間に1回ないし2回の追補版および改正が公示される場合がある。}}。また剤形に付記されていたラテン名は'''第十二改正日本薬局方'''(1991年)から代わって英名となり、生薬関係品目を除き医薬品各条中のラテン名も掲げる事をやめ化学薬品等でIUPAC式英名に代わった<ref>{{Cite web|和書|url=第十二改正日本薬局方の制定等について|title=各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知、薬発第三四八号|accessdate=2021/10/02|publisher=厚生労働省}}</ref>。2021年現在の最新版は、[[2021年]]([[令和]]3年)に公示された'''第十八改正日本薬局方'''である<ref>厚生労働省ウェブサイトより [https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html]</ref>。日本語名の50音順で掲載されている。
 
==== 日本公定書協会 ====
日本薬局方の編纂支援と普及を目的に、1956年に設立された財団法人<ref name="yakuji">{{citewebCite web|和書|url=https://www.yakuji.co.jp/entry23436.html |title=【日本公定書協会】法人名を「医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団」に変更 |work=薬事日報 |date=2011-06-23 |accessdate=2020-01-07}}</ref>。2004年より、日本薬局方原案整備事業を開始し、[[国立医薬品食品衛生研究所]]の標準品業務を全面移管した<ref name="pmrj">[https://www.pmrj.jp/aboutsjp/history_a070.html PMRJ-一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団:財団の概要]</ref>。2010年に英名を"Pharmaceutical and Medical Device Regulatory Science Society of Japan (PMRJ) に変更、2011年に一般財団法人に移行の際、法人名称を「'''医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団'''」(略称:レギュラトリーサイエンス財団)に変更した<ref name="yakuji" /><ref name="pmrj" />。所在地は[[日本薬学会]][[長井記念館]](東京・渋谷)。
 
理事長は2007年より土井脩(元[[厚生省]][[審議官#大臣(長官)官房審議官|大臣官房審議官]])が務めた<ref>{{citenews |url=https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/free/20/01/04/00041/ |title=訃報、土井脩医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 |date=2020-01-04 |accessdate=2020-01-07 |work=日経バイオテクオンライン}}</ref>。