「ボールカウント」の版間の差分

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ボールカウントが「3ボール2ストライク」の時は'''フルカウント'''とも表現される。フルカウント後の投球(ボール3つ、ストライクまたは[[ファウルボール|ファウル]]2つの後の6球目)は、俗に“勝負球”と呼ばれる。
 
野球の試合においてボールカウントの把握はアウトカウントとともに重要であり、野球場のスコアボードや、テレビ・インターネットによる野球中継の字幕等画面では、しばしば下の図のように表示されている。
{{Baseball BSO|B=3|S=2|O=2}}
 
ボールカウント・アウトカウントは、日本の場合は基本的に円形のランプ表し、色をつける場合はボールは緑または青、ストライクは黄、アウトは赤で示すことが慣例となっているが、そのようにしなければならないという規定や根拠となるものはなく、全て同じ色で表示したりすることもある。一方、アメリカ合衆国などでは円形のランプを使用せずに、算用数字でカウントを表現している。
 
== ボールカウントの順序 ==
[[ファイル:Koshien Stadium 2008-3.jpg|thumb|250px|SBO方式で表示されていた頃の[[阪神甲子園球場]]のスコアボード(2008年撮影)]]
国際的に「'''ボール→ストライク'''」の順で読み上げる('''BSO方式''')。読み上げる際には、しばしば[[英語]]の[[数字]]のみを用いて簡略される。
* 3ボール1ストライクは "three and one" あるいは "a three-one count" と表現され、3-1と表記される。
一方、[[日本]]やその影響を受けた[[大韓民国|韓国]]や[[台湾]]では長く「'''ストライク→ボール'''」の順に読み上げてきた('''SBO方式''')。{{by|1996年}}に[[ハバナ]]で試合を観戦した[[伊東一雄]]によると、[[キューバ]]もこの時点ではストライクを先にコールする方式を採用していた<ref>{{Cite book|和書 |author=伊東一雄|authorlink=伊東一雄 |coauthors=吉川達郎(監修)|year=2003 |title=メジャーリーグこそ我が人生:パンチョ伊東の全仕事|publisher=[[産経新聞出版|産経新聞ニュースサービス]]|page=396 |isbn=4594041175}}</ref>。
* 32ボール1ストライクは、日本で「ワン・ツー」または「ワン・スリエンド・ツ(=one and two)」と表現され、1-3と表記さ読み上げらていた
* 0ボールの際は変則的になり、0ボール1ストライクは「ワン・ナッシング」、0ボール2ストライクは「ツー・ナッシング」と読み上げられていた。
* 日本でツー・スリー(2-3)と言えば「2ストライク3ボール」(=フルカウント)を表す。
* 日本で「ツー・スリー」と言えば、フルカウント(3ボール2ストライク)を表す。後述の読み上げ順変更後も、この表現は引き続き使われることがある。
野球場のスコアボードやテレビによる野球中継の字幕等画面も、下の図のようにSBOの順で表示されていた。
{{Baseball SBO|S=2|B=3|O=2}}
したがって単に2-1と書いたり、ツー・ワンと読み上げたりした場合、国際的には2ボール1ストライクと認識されるが、日本や韓国では2ストライク1ボールと認識される場合がある。そのため(特に日本では)意味を明確にするために「2ボール1ストライク」と省略せずに表したり「2B-1S」のように、BやSの字を付加して表記したりするなどの工夫が求められている。
 
=== 日本国内での読み上げ順番変更 ===
[[ファイル:藤崎台県営野球場スコアボード.jpg|thumb|250px|BSO方式に変更された[[藤崎台県営野球場]]のスコアボード(2012年撮影)]]
日本では国際慣習に従い、[[日本高等学校野球連盟]]が[[1997年]]の[[選抜高等学校野球大会|選抜大会]]から、[[球審]]がボール→ストライクの順で読み上げコールするように変更した(この時点からただし2010年までは一般向けにはSBO式で、野球場のスコアボードやテレビ中継の画面表示、実況のアナウンスしていはストライク→ボールの順のままであった)。
 
NHKは、2000年ごろから[[メジャーリーグ中継 (NHK)|大リーグ中継]](NHK制作分)では、以前からBSO式についてボール→ストライクの順画面表示しているがおり、2008年ごろから[[近代オリンピック|オリンピック]]の野球や[[ワールド・ベースボール・クラシック]]、[[ソフトボール]]の中継についても、国際慣習に倣ってBSO式ボール→ストライクの順画面表示している。
 
[[日本プロ野球]]でも{{by|2010年}}からは球審がボール→ストライクの順でコールをすることとした<ref>{{Cite news |title=ボールの次にストライク プロ野球でコール順を逆に |newspaper=[[47NEWS]] |date=2010-01-25 |url=http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012501000892.html |agency=[[共同通信社]] |archiveurl=https://archive.is/20120720034529/http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012501000892.html |archivedate=2012年7月20日 |accessdate=2017-07-22 |deadurldate=2017年9月 }}</ref>。同年より[[日本の大学野球|大学]]や[[社会人野球]]もプロ野球に合わせている<ref name="asahi">{{Cite web |date=2010-04-01 |url=http://astand.asahi.com/magazine/kotoba/hyoki/2010031800010.html |title=言葉まがじん 野球のボールカウントの表記順 |work=Astand |publisher=[[朝日新聞社]] |archiveurl=https://archive.is/20130425000145/http://astand.asahi.com/magazine/kotoba/hyoki/2010031800010.html |archivedate=2013年4月25日 |accessdate=2017-07-22 |deadlinkdate=2017年9月 }}</ref>。
 
これを受け、一部新聞や、[[J SPORTS STADIUM]]、[[千葉ロッテマリーンズ]]球団制作映像(地上波放送局〈以下地上波〉は[[千葉テレビ放送|チバテレ]]、[[放送衛星|BS]]:[[ワールド・ハイビジョン・チャンネル|TwellV]])、[[埼玉西武ライオンズ]]球団制作映像(地上波[[テレビ埼玉|テレ玉]]、[[放送衛星|BS]]はいずれも[[ワールド・ハイビジョン・チャンネル|TwellV]])は、2010年からBSO方式ボール→ストライクの順に変更され、[[日本放送協会|NHK]]や[[民間放送]]各局の中継も{{by|2011年}}からはボール→ストライクの順に変更された(高校や大学、社会人野球などの中継を含めてBSO方式む)。実況のアナウンス変更されたおける読み上げ方は以下の通りである
 
*2ボール1ストライクは、「ツー・ワン」と略す場合もあるが、読み上げ順変更に伴う視聴者の混乱を避けるために「ツーボール・ワンストライク」と略さずアナウンスすることが多い。読み上げ順変更前によく用いられた「ツー・エンド・ワン(=two and one)」というような言い方も、同じく混乱を避けるために使われなくなっている。
プロ野球本拠地[[野球場|球場]]の[[スコアボード]]では、2011年シーズン開始までに全ての本拠地球場が「BSO」表記になった<ref>{{cite web|url=https://web.archive.org/web/20130316130024/http://www.nhk.or.jp/kininaru-blog/91135.html|title=野球のボールカウント BSOへ|publisher=日本放送協会|date=2011年8月2日|accessdate=2018-0728}}(アーカイブ)元[http://www.nhk.or.jp/kininaru-blog/91135.html]{{リンク切れ|date=2018年7月}}</ref>。また、地方球場でも「BSO」方式に変更している球場が増えている。
* 0ボール2ストライクは、読み上げ順変更前は「ツー・ナッシング」であったが、変更後は「ノーボール・ツーストライク」、時に「ツーストライク・ナッシング」とアナウンスされる。
* 2ボール0ストライクは、読み上げ順変更に伴う視聴者の混乱を避けるために「ツー・ナッシング」ではなく「ツーボール・ノーストライク」、時に「ツー・ノー」「ツーボール・ナッシング」とアナウンスされる。
 
プロ野球本拠地[[野球場|球場]]の[[スコアボード]]では、2011年シーズン開始までに全ての本拠地球場が「BSO」表記になった<ref>{{cite web |url=https://web.archive.org/web/20130316130024/http://www.nhk.or.jp/kininaru-blog/91135.html |title=野球のボールカウント BSOへ |publisher=日本放送協会 |date=2011年8月2日 |accessdate=2018-0728}}(アーカイブ)元[http://www.nhk.or.jp/kininaru-blog/91135.html]{{リンク切れ|date=2018年7月}}</ref>。また、地方球場でも「BSO」方式に変更している球場が増えている。
 
==関連項目==