「スイッチング電源」の版間の差分

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RCCは、トランジスタスイッチTrのオンオフの1周期に、一次巻線primaryから二次巻線secondaryへ引き渡されるエネルギーが一定である。このため、負荷が軽ければ1周期は長くなり、負荷が重くなれば1周期が短くなる。なお、負荷の変動に追従して出力電圧を安定化させる等、RCCに不足する機能は、フォトカプラ等を用いるフィードバック制御回路を追加する必要がある。そして、そのような回路を追加すると回路規模は大きくなり、複雑化する。
 
一次巻線primaryから二次巻線secondaryへ引き渡されるエネルギーが一定であることから、 RCC のスイッチングは、一次巻線がオン状態の時間が一定で、一次巻線がオフ状態の時間が、負荷の変動によって変動する。したがって、 RCC のスイッチのオン/オフ状態の波形は、 [[パルス変調#パルス周波数変調|PFM (パルス周波数変調)]] である。
 
一次巻線primaryによって蓄積された磁力が二次巻線secondaryを通じて負荷Zへ完全に出力されない限り、抵抗R1からトランジスタスイッチTrのベースに起動電流は流れない。したがって、RCCは本質的に偏磁の問題が生じ得ない。
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設計が複雑かつ困難、負荷変動によってスイッチング周波数が変動する、大電力には不向き等、欠点は専用ICを用いるフライバックコンバータより多いものの、最小限の構成であれば極めて簡素な部品構成で実装が可能であり、低コストで実装できる。こため携帯電話[[フィーチャーフォン]]の充電器や、ビデオレコーダやパソコン等の待機用電源回路として多用されていた。2021年現在では、前述のPSR採用ICが安価に流通しているため、携帯電話の充電器用途としては殆ど見かけない
 
特に、負荷が軽く、且つ、負荷変動がないか或は負荷変動が極めて少ない場合では、コレクタエミッタ間耐圧(VCEO)が高耐圧のスイッチングトランジスタを1個、そしてフライバックトランスと数個の受動素子を用意すれば、商用交流電源との絶縁を確保し、負荷に必要な電力を供給できる、という点において、 RCC は安価かつ手軽に構築可能な電源回路である。
 
2021年現在では、殆どの携帯電話がフィーチャーフォンより多くの電流を要求する[[スマートフォン]]にシフトしており、 RCC では電力供給能力が不足する。このため、携帯電話の充電器用途では、先に説明した PSR 採用ICに殆ど移行している。
 
=== 他励式 ===