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{{暫定記事名|date=2024年12月}}
{{改名提案|ハイイロシメジ属|date=2024年12月}}
{{生物分類表
| 色 = lightblue
| 画像 = [[ファイル:Clitocybe nebularis Italy.jpg|250px|]]
| 画像キャプション = [[ハイイロシメジ]] {{snamei||Clitocybe nebularis}}
| 名称 = カヤタケハイイロシメジ
| 界 = [[菌界]] {{sname||Fungi}}
| 門 = [[担子菌門]] {{sname||Basidiomycota}}
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| 目 = [[ハラタケ目]] {{sname||Agaricales}}
| 科 = [[キシメジ科]] {{sname||Tricholomataceae}}
| 属 = '''カヤタケ属'''('''ハイイロシメジ属''' {{snamei||Clitocybe}}
| 学名 = {{snamei||Clitocybe}}<br>{{auy|([[エリーアス・フリース|Fr.]]) [[species:Friedrich Staude|Staude]] (1857)}}
| タイプ種 = ''[[ハイイロシメジ|Clitocybe nebularis]]''<br>([[w:August Johann Georg Karl Batsch|Batsch]]) [[w:Paul Kummer|P.Kumm.]] (1871)
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}}
 
'''カヤタケハイイロシメジ属'''(''Clitocybe'')は、[[ハラタケ目]][[キシメジ科]]の[[キノコ]]の属である。白、黄色がかった白、淡い黄褐色、クリーム色、ピンク色、または淡黄色の胞子、茎に沿って走るひだ、および淡白から茶色または薄紫色の体色を特徴とするキノコである。主に腐生性で、森林の地面の落ち葉を分解する。広範囲に分布するこの属には約300種が存在すると推定されている<ref name=Kirk2008>{{cite book |authors=Kirk PM, Cannon PF, Minter DW, Stalpers JA |title=Dictionary of the Fungi |url=https://archive.org/details/dictionaryfungit00kirk |url-access=limited |edition=10th |publisher=CABI |location=Wallingford, UK |year=2008 |page=[https://archive.org/details/dictionaryfungit00kirk/page/n162 152] |isbn=978-0-85199-826-8}}</ref>。
カヤタケハイイロシメジ属の学名の''Clitocybe''とは、「斜めの頭」を意味する。
 
かつて[[カヤタケ]]がこの属''Clitocybe''タイプ種として含まれていたためにこの属はカヤタケ属と呼ばれていたが現在はカタタケがオオイヌシメジ属''Infundibulicybe''に分類されており<ref>川口泰史「山口県産きのこ類の採集・確認目録」『豊田ホタルの里ミュージアム研究報告書』第8号、2016年、21-163頁。</ref>、オオイヌシメジ属がカヤタケ属とされることもある<ref name="hokuto" />。カヤタケを含まない''Clitocybe''属は[[ハイイロシメジ]]をタイプ種とするために'''ハイイロシメジ属'''と呼ばれる<ref name="hokuto">ホクトきのこ総合研究所 監修『改訂版 きのこ検定公式テキスト』実業之日本社、2016年、62-63頁。</ref>。
 
このハイイロシメジ属には食用になるものもいくつかあるが、その多くは毒があり、[[ムスカリン]]などの毒素を含んでいるものも多い。カヤタケハイイロシメジ属の個々の種を区別するのは、顕微鏡で観察した特徴を分析する必要があるため、専門家以外が行うのは通常非常に難しい。そのため、著名で容易に識別できる数種を除いて、カヤタケハイイロシメジ属のキノコが食用として採取されることはまれである。
 
== 分類 ==
広義のカヤタケ属(ハイイロシメジ属は、もともと1821年にElias Friesによって[[ハラタケ属]]下位のtribus(現在の[[族 (分類学)|連]]とは定義が異なる)として提案された。Friedrich Staudeは1857年にそれを属に昇格させた<ref name="Staude 1857"/>。
 
最近の分子生物学的研究により、この属は多系統であることが示されており、多くの種は遠縁のようであるが、現在それぞれ''Clitocybe saeva''(=[[オオムラサキシメジ]]''[[w:Collybia personata|Collybia personata]]'')および[[ムラサキシメジ]]''C. nuda''として知られている旧[[ムラサキシメジ属]]''Lepista''(=[[ヤグラタケモドキ属]]''Collybia'')などの他の属の菌類は、カヤタケハイイロシメジ属とより近縁である。
 
[[ハイイロシメジ]]は[[タイプ種]]であるため<ref name="Redhead 2002"/>、これに最も遠縁の種は将来再分類される可能性が高い。2003年の論文で、フィンランドの菌類学者 Harri Harmaja は、胞子の特性に基づいて''C. geotropa''と他の 12種のカヤタケ''Clitocybe''属を新しい属''Infundibulicybe''(オオイヌシメジ属、狭義のカヤタケ属)に分割することを提案した。彼の[[ホテイシメジ]]''C. clavipes''は後にRedhead らによって''Ampulloclitocybe''属([[ホテイシメジ属]])に移され<ref name="Redhead 2002"/>、その属名は Harmaja の提案した''Clavicybe''属より優先された<ref name="Harmaja 2003"/>。以前のカヤタケ''Clitocybe''属の他の種は''Atractosporocybe''属、''Leucocybe''属、および''Rhizocybe''属に分類されている<ref name="Alvaradoetal2015"/>。
 
== 毒性 ==
日本の[[ドクササコ]](かつてハイイロシメジ属に分類されていた)<ref>{{cite journal |last=Ichimura |first=J |year=1918|title=A new poisonous mushroom |journal=Bot Gaz (Tokyo) |volume=65 |page=10911}}</ref>とフランスの''Clitocybe amoenolens''<ref name="Saviuc 2001"/>の2種のキノコの摂食により、8日から5ヶ月間継続したキノコ誘発性紅斑症が発生した<ref name="Diaz 2005"/>。
 
[[File:Clitocybe-odora.jpg|thumb|250px|''Clitocybe odora'']]
 
多くの小型のカヤタケハイイロシメジ属の種には、有名な[[ベニテングタケ]]に少量含まれている毒素である[[ムスカリン]]が含まれている。しかし、小型の白いカヤタケハイイロシメジ属の種には危険な量のムスカリンが含まれており、特に近縁の''Clitocybe dealbata''と''Clitocybe rivulosa''の2 種には大量のムスカリンが含まれており、これら 2 種のカヤタケハイイロシメジ属を食べたために死亡した例が記録されている。
 
== 下位種 ==
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* [http://www.mushroomexpert.com/clitocybe.html ''Clitocybe'' at Mushroom Expert.com]
 
{{DEFAULTSORT:かやたけはいいろしめしそく}}
[[Category:毒キノコ]]
[[Category:日本の毒キノコ]]