「名探偵コナン 世紀末の魔術師」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2017年7月6日 (木) 07:35 (UTC)}}
{{Infobox Film
|作品名=名探偵コナン 世紀末の魔術師
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|言語=[[日本語]]
|製作費=
|興行収入=26億円<ref name="mantanweb">{{Cite news|url=https://mantan-web.jp/article/20160606dog00m200008000c.html|title=名探偵コナン:劇場版新作が興収60億円突破 シリーズ最高記録を更新|newspaper=[[MANTANWEB]]|publisher=[[毎日新聞社]]MANTAN|date=2016-06-06|accessdate=2017-07-06}}</ref><ref name="animatetimes1">{{Cite news|url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1465190280|title=劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』興行収入は、ついにシリーズ最高60億到達!?|newspaper=[[アニメイトタイムズ]]|publisher=[[アニメイト]]|date=2016-06-06|accessdate=2017-07-06}}</ref><ref name="animatetimes2">{{Cite news|url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1496040765|title=劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』が、シリーズ歴代最高興収を記録! まもなく500万人動員、65億円突破へ|newspaper=[[アニメイトタイムズ]]|publisher=[[アニメイト]]|date=2017-05-29|accessdate=2017-07-06}}</ref><ref name="animeanime1">{{Cite news|url=https://animeanime.jp/article/2016/05/09/28432.html|title=「劇場 名探偵コナン」シリーズ史上初 興収50億円突破で『純黒の悪夢(ナイトメア)』メガヒットに突入|newspaper=映画/ドラマ|publisher=アニメ!アニメ!|publisher=[[イード (企業)|イード]]||date=2016-05-09|accessdate=2017-07-06}}</ref><ref name="animeanime2">{{Cite news|url=https://animeanime.jp/article/2016/06/06/28848.html|title=劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢」興収60億円突破 シリーズ累計は600億円に|newspaper=アニメニュース|publisher=!アニメ!アニメ!|date=2016-06-06|accessdate=2017-07-06}}</ref><ref name="TSITE">{{Cite news|url=http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/35612870|title=【どこまで行く!?】『名探偵コナン から紅の恋歌』63.5億でシリーズ最高興行収入突破!|newspaper=T-SITE NEWS|publisher=[[TSUTAYAイード (企業)|イード]]|date=20172016-0506-2906|accessdate=2017-07-06}}</ref>
|配給収入=14億5000万円{{R|eiren}}
|前作=[[名探偵コナン 14番目の標的]]
|次作=[[名探偵コナン 瞳の中の暗殺者]]
}}
『'''名探偵コナン 世紀末の魔術師'''』(めいたんていコナン せいきまつのまじゅつし)は、[[1999年]][[4月17日]]に公開された劇場版『[[名探偵コナン (アニメ)|名探偵コナン]]』シリーズの第3作目にあたる[[アニメーション映画|劇場版アニメ]]。上映時間は100分<ref group="注">劇場版シリーズで初めて上映時間が100分以上になっている。</ref>。[[興行収入]]は26億円{{R|mantanweb|animatetimes1|animatetimes2|animeanime1|animeanime2|TSITE}}、[[興行収入#配給収入|配給収入]]は14億5000万円<ref name="eiren">{{Cite web|和書|url=httphttps://www.eiren.org/toukei/1999.html|title=過去配給収入上位作品(1999年)|publisher=[[日本映画製作者連盟]]|accessdate=2015-05-16}}</ref>、観客動員数は216万人。アメリカ合衆国で[[2009年]][[7月17日]]に公開された。[[キャッチコピー]]は「'''世紀末最大の謎を解くのは誰だ!?'''」。
 
== 概要 ==
=== 沿革作品概要 ===
本作の舞台は大きく3つに分けられており、前半が大阪、中盤が豪華客船、後半が古城で構成されている。
 
劇場版初登場のキャラクターが多く、[[灰原哀]][[高木渉 (名探偵コナン)|高木渉]][[服部平次]]<ref group="注">前作の企画当初で登場予定だったが、テレビシリーズに登場して間もないこともあって見送られたため、本作は製作が決定した段階で登場させる事が確定していた。なお、前作のオープニングで平次はイメージカットで登場している。</ref>[[遠山和葉]][[名探偵コナンの登場人物#鈴木史郎|鈴木史郎]][[名探偵コナンの登場人物#茶木神太郎|茶木神太郎]][[名探偵コナンの登場人物#中森銀三|中森銀三]][[黒羽快斗|怪盗キッド]]が劇場版シリーズに初登場した<ref group="注">2023年現在、茶木の登場は本作のみである。</ref>。ただし、平次はキッドを追跡中に[[交通事故]]で負傷してしまったため、和葉と共に前半のみ登場しており、出番は少なかった<ref group="注">その後、第7作『[[迷宮の十字路]]』でコナンと共にメインキャラクターとして活躍し、それ以後も定期的に劇場版に登場してコナンに協力することになる。</ref>。同様にキッドも、スコーピオンに狙撃され生死不明になったため、変装なしでの登場は前半のみだった。以上の本作初登場のキャラクター中で灰原は、以後の劇場版でも既に第1作から連続登場が確定しているコナン(新一)小五郎・阿笠・、博士、少年探偵団園子と同様に、毎回必ず常連メンバーとして登場する事となる。また、[[2018年]][[10月17日]]に[[田中信夫]]が死去したため、田中が演じる茶木が登場する映画は本作のみであり<ref group="注">茶木神太郎以外では、第12作『[[戦慄の楽譜]]』で堂本一揮を演じている。</ref>、後任は決まっていない。
 
冒頭の作品解説で恒例の「コナンの正体を知っている人物」のメンバー紹介に、本作から灰原が新しく加わっている。
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恒例のダジャレクイズで、阿笠博士が出題した初の作品である<ref group="注">前々作『[[時計じかけの摩天楼]]』では[[名探偵コナン 時計じかけの摩天楼#オリジナルキャラクター|森谷帝二]]が、前作『[[14番目の標的]]』では[[少年探偵団 (名探偵コナン)#円谷光彦|円谷光彦]]が出題している。</ref>。
 
ストーリー前半の舞台が[[大阪市|大阪]]であることから、その名所が数多く登場している。[[東海道新幹線|新幹線]]でコナンたちが降り立った[[新大阪駅]]から、[[大城]][[通天閣]][[大阪ドーム]]、公開当時の読売テレビ社屋など、実在する建造物を多数見ることができる。大阪は本作以降の劇場版シリーズでも、平次たちが住んでいることから連絡中に背景として描かれることが多い。
 
公開当時は未解明だった歴史上の出来事に独自の解釈を加え、ストーリーの軸にしている。歴史上の出来事をストーリーに絡めたのは劇場版シリーズ史上初で、[[ニコライ二世]]や[[グリゴリー・ラスプーチン]]、[[マリア・ニコラエヴナ (ニコライ2世皇女)|マリア]]<ref group="注">2007年に[[ロシア]]で[[遺骨]]が発見された。</ref>など実在の人物が深く関わっている。また、『コナン』シリーズはその後も作中での時間軸が中々進まない設定で毎年の季節だけ現実に沿ってループして続いていき、年代などの明言はなされていないが、本作の年代イメージはタイトルにもあるように公開時の[[20世紀]]末となっている<ref group="注">作中には[[ロシア革命]]の約80年後であることを示唆するシーンが存在する。</ref>。
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[[ファニメーション]]によって英語[[吹き替え]]版が制作された。英語名は「''Case Closed: The Last Wizard of the Century''」。
 
[[2016年]]に開催された歴代映画19作品の人気投票で、今作は7位を獲得した<ref>{{Cite web|和書|url=http://sp.mco.cybird.ne.jp/conanportal/movie_fin.php|title=名探偵コナン歴代映画人気投票|work=名探偵コナン公式アプリ|publisher=名探偵コナン公式サイト|accessdate=2016-03-16}}</ref>。
 
=== 製作状況 ===
今作の特徴はコンピュータ作業を加えた事、新大阪駅から鈴木近代美術館に移動するまでのビルの映像や鈴木家の船で東京に戻るシーンの海、ゲストキャラクターの名前表示のスーパーなど新たな試み施されている。
 
== ストーリー ==
鈴木財閥の蔵から[[ロマノフ朝|ロマノフ王朝]]の遺産、「メモリーズ・エッグ」と呼ばれる51個の「[[インペリアル・イースター・エッグ]]」が見つかったため大阪で展示することとなり、[[黒羽快斗|怪盗キッド]]からエッグを盗み出すという、暗号による予告状が届いた。警察は日付を8月22日から23日にかけての夜、[[大坂城|大阪城]]からキッドが現れると読解し、小五郎は具体的な時刻を午前3時とした。
コナンたちや[[服部平次]]、[[遠山和葉]]らが鈴木財閥の会長のもとを訪れると、ロシア大使館一等書記官のセルゲイ・オフチンニコフ、美術商の乾将一、ロマノフ王朝研究家の中国人・浦思青蘭、映像作家の寒川竜がおり、彼らはみなエッグを狙っていた。
コナンと平次は、キッドの予告した時刻が実際は午後7時20分で、場所は[[通天閣]]であることにその直前になってから気付く。中森警部は偽物のエッグを展示室へ移し、限られた人間だけで本物のエッグをあるビルの一室で警備していたが、キッドは鳩に取り付けたカメラからそのことを知り、街中を停電にして、病院やホテルなど以外で自家発電が稼働する場所を探すことによって位置を特定し、エッグを盗み出した。
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セルゲイは夏美が持つにふさわしいとして、ロシアが鈴木財閥のエッグの所有権を放棄することを宣言し、小五郎もエッグを夏美に譲るよう鈴木会長に口添えする約束をしたところで、小五郎がスコーピオンに狙われ、スコーピオンはエッグを奪って逃げてしまう。
コナンは途中で射殺された乾を見つけつつもスコーピオンを追い、スコーピオンが城へ放火したところで、コナンは殺された寒川や乾のものを含む、色々な人物の声でスコーピオンの正体である青蘭を翻弄する。彼女は本当はロシア人であり、浦思青蘭の中国語読み、「プース・チンラン」は「[[グリゴリー・ラスプーチン|ラスプーチン]]」のアナグラムで、彼の末裔だった。青蘭はロマノフ王朝の財宝は本来、皇帝一家と縁深かったラスプーチンのものになるはずだったと考えており、寒川を殺害した理由は飾っていたラスプーチンの写真を撮られたと思ったため、小五郎を襲ったのはラスプーチンを「世紀の大悪党」と評したためである。
コナンは拳銃に装填された最後の一発を撃つよう挑発するが、右目を狙った弾は眼鏡に弾かれる<ref group="注">阿笠博士に頼み、眼鏡のレンズを特別製の硬質ガラスに取り替えてもらっていた</ref>。青蘭は弾倉を交換し再度撃とうとするもキッドのトランプ銃に阻まれ、コナンはキック力増強シューズで青蘭を気絶させる。
 
事件解決後、探偵事務所に戻ったコナンは、限界を感じて蘭に自分の正体を明かそうとするが、そこへ新一に変装したキッドが現れる。コナンたちの会った白鳥刑事はキッドの変装であり、彼はエッグを夏美に返そうと画策していたのだった。
コナンはキッドに、夏美の曾祖母とはマリアであり、彼女の遺体が見つかっていないのは喜市に助けられ日本へ逃れたためで、香坂家の城がドイツ風だったのは彼女の母親がドイツ人だったため、という推理を語るが、キッドは「世の中には謎のままにしておいたほうがいいこともある」と語り、コナンも同意する。
キッドはコナンや蘭が保護していた鳩とともに去る直前、「何故自分が新一の姿で蘭の前に現れ、厄介な敵であるコナンを助けたのか」という謎をかけるが、コナンは「そんなものは謎でもなんでもない、鳩を手当した礼だろう」と、心の中でキッドに呼びかけるのだった。
 
帰宅後、蘭に何故引き止めておいてくれなかったと注意されるコナンだったが、「新一にいちゃん、『また来る』って!」と、嘘の伝言をする。その直後、蘭は「いいわ!今度会った時には…」と、新一(に、変装したキッド)に渡す予定だったハンドタオルを宙に浮かせ、[[空手チョップ]]で三枚おろしにし「こうしてやるんだから!!」と腕組みして意気込む。割れたうちの1枚がコナンの頭に乗り、[[モノローグ]]で「当分、元には戻れねえな。こりゃ…」と苦笑いする場面で、終幕を迎える(なお、コナンの「新一にいちゃん…」の台詞は、劇場版シリーズで初めてモノローグではないものとなった)。
 
== 登場人物 ==
=== メインレギュラーキャラクター ===
{{see also|名探偵コナンの登場人物}}
; [[江戸川コナン|江戸川 コナン]](えどがわ コナン)
: [[声優|声]] - [[高山みなみ]]
: 本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、[[黒ずくめの組織]]に飲まされた毒薬・[[APTX4869]]の副作用で小学生の姿になっている。
: 怪盗キッドが現れる時間を予告上の文面から午後7時20分と推理する。メモリーズ・エッグの解明に臨むと同時に、エッグを狙うスコーピオンに警戒する。夏美と青蘭の誕生日を聞いて自分と1日違いだと口を滑らせてしまい、蘭がコナンの正体を疑う原因になった
; [[毛利蘭|毛利 蘭]](もうり らん)
: 声 - [[山崎和佳奈]]
: 本作のヒロイン。新一の幼馴染かつガールフレンドで、都大会で優勝するほどの空手の達人。
: コナンの誕生日が新一と同じ(5([[5月4日]])であることを知り、コナンの正体が新一でないかという疑惑を強めていく。
; [[毛利小五郎|毛利 小五郎]](もうり こごろう)
: 声 - [[神谷明]]
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: 声 - [[山口勝平]]
: コナンの本来の姿で高校生探偵。
: 新一としての登場は終盤でコナンの姿と声が重なる演出および蘭のイメージシーンのみで、それ以外はキッドの変装姿である。
; [[黒羽快斗|怪盗キッド]](かいとうキッド)
: 声 - [[山口勝平]]
: 本作のキーパーソン。神出鬼没な大怪盗。コナンのライバルで、その正体を新一と知る。キッドの[[黒羽快斗|正体]]は、本作公開の時点で原作やテレビアニメでは既に判明しているが、本作でその描写はない。
: 「メモリーズ・エッグ」を盗み出した直後、ハンググライダー飛行中にスコーピオンに狙撃されて海に墜落し生死不明となるが無事生存。その後は休暇中だった白鳥刑事に変装しコナンたちと行動を共にした(そのため横須賀の城へ向かう際、前方の車は彼が運転しているため事実上、[[無免許運転]]になる{{Efn2|後年、キッドが変装なしで車を運転する作品に、『[[ルパン三世]]』との[[クロスオーバー作品]]『[[ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE]]』のオープニング前のシーンがあるが、これは[[ルパン三世 (架空の人物)|ルパン三世]]による変装である。}})。
: メモリーズ・エッグを盗み出すが、パラグライダー飛行中にスコーピオンに狙撃されて海に墜落し生死不明となる。
; [[目暮十三|目暮 十三]](めぐれ じゅうぞう)
: 声 - [[茶風林]]
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; [[阿笠博士|阿笠 博士]](あがさ ひろし)
: 声 - [[緒方賢一]]
: コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人で発明家。
: コナンに電話でスコーピオンの存在を知らせ、横須賀の城へ赴いた際はバージョンアップした眼鏡を手渡す。
: 城に入ろうと一生懸命になる[[少年探偵団 (名探偵コナン)|少年探偵団]]に「もう諦を引き止て帰ったほうが…」と諭そうとするが、その時に何もない塔から地下に続くトンネルのスイッチを押していまい、哀たちと離れ離れになってしまう。
: その後、縄梯子を用意し、コナンと白鳥(キッド)以外を救出した<ref group="注">この時、上記の2名以外はスコーピオンが逃走中に[[手榴弾]]を使ったことで「執務室」まで戻る通路を塞がれてしまい、身動きが取れなくなっていた。</ref>。
; [[少年探偵団_(名探偵コナン)#吉田歩美|吉田 歩美]](よしだ あゆみ)、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#小嶋元太|小嶋 元太]](こじま げんた)、[[少年探偵団 (名探偵コナン)#円谷光彦|円谷 光彦]](つぶらや みつひこ)
: 声 - [[岩居由希子]](歩美)、[[高木渉]](元太)、[[大谷育江]](光彦)
: 少年探偵団の3人。
: オープニング前、歩美はたまたま自身の家のベランダに止まっていたキッドと邂逅し、会話をした。
: 横須賀の城へ向かうコナンに会うためにビートルの後部座席の毛布に潜り込んで同行する。
: 小五郎に、中には絶対入るなと言われ素直に返事をしたがハッタリで、別の入口から城に入りコナンたちより先に宝を見つけるという作戦で、結果論だが博士のおかげで地下に入り、彼らと合流した。
: 地下の深層部で見つけたエッグが空っぽだったことに大人たちが首を傾げる中、歩美が「それ、父の友人のお土産に貰った[[マトリョーシカ]]?」聞いを話したことから、メモリーズ・エッグは、2個で1つのエッグであることに気づくきっかけとなった。
; [[灰原哀|灰原 哀]](はいばら あい)
: 声 - [[林原めぐみ]]
: 本来の姿は'''宮野 志保'''(みやの しほ)。元黒の組織の一員かつAPTX4869の開発者だったが、同じく組織の一員であった姉の[[黒ずくめの組織#宮野明美|宮野 明美]](みやの あけみ)を組織内の都合で殺されたために、自ら薬を飲んで小学生の姿になって脱走した。コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。本作が劇場版初登場で、以後は常連メンバーとなる。
: 城の罠で地下に入ってしまった少年探偵団を先導し、コナンと合流する。
: [[グリゴリー・ラスプーチン|ラスプーチン]]がニコライ皇帝一家と親しかったことを知っており、「メモリーズ・エッグ」の仕掛けが終わった後、彼の写真がなかったことについてコナンに疑問を投げかけた。
; [[服部平次|服部 平次]](はっとり へいじ)
: 声 - [[堀川りょう|堀川亮]]
: 「西の高校生探偵」として有名で、新一とは「東の工藤・西の服部」と並び称されるライバルにして親友。コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。本作が劇場版初登場で、以後の作品でもコナンの協力者として主要な役割を担って登場する。
: コナンをバイクに乗せてキッドを追跡する途中、トラックと接触しそうになり転倒するも、軽い捻挫で済んだ。
; [[遠山和葉|遠山 和葉]](とおやま かずは)
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: 声 - [[松井菜桜子]]
: 蘭の同級生で親友。鈴木財閥の令嬢で、蘭や新一とは幼馴染でもある。
: 平次と和葉の仲を見て、自分にも幼馴染の男子がいればと羨ましく思う<ref group="注">本作は後に恋人となる[[名探偵コナンの登場人物#京極真|京極真]]と出会う以前の時系列である。</ref>
: 本作から初めて序盤から中盤に掛けて、一連の事件に関わった。また、会話シーンはないが、今作で映画オリジナルキャラクターだった白鳥刑事と初対面した<ref group="注">ただし、この時の白鳥はキッドの変装のため、彼本人とは全く関わっていない。</ref>。
; [[名探偵コナンの登場人物#鈴木史郎|鈴木 史郎]](すずき しろう)
: 声 - [[松岡文雄]]
: 園子の父親で鈴木財閥会長。
: キッドが予告時間に来るまでの間に小五郎に会食を誘う。
: 非常に寛容な人物で、平次に「おっちゃん」呼ばわりされても気にも留めず叱咤する小五郎が叱咤した時は呼ばれた本人(史郎)が「まぁまぁ、毛利さん」と宥めている<ref group="注">小五郎自身の方も、彼の人柄を高く評価しており、後述の香坂夏美がセルゲイ・オフチンニコフエッグの所有権はあなた自身のものいわ告げらた直後もう1つ中のエッグは史郎のものと躊躇ったが「(史郎は)私も自分から話すと提案ましょう。きっと解ってくれます」といっ太鼓判を押している。</ref>。
; [[白鳥任三郎|白鳥 任三郎]](しらとり にんざぶろう)<ref group="注">エンドロールでは「白鳥警部補」と表記</ref>
: 声 - [[塩沢兼人]]
: 警視庁捜査一課のキャリア組の刑事で[[警部補]]。本作公開時点における原作およびテレビアニメ版では警部に昇進していたことが判明するが、本作では警部補として登場する。
: 休暇を取って軽井沢の別荘で休養していたが、殺人事件を聞き付けて現場に赴く。また、今回はコナンを積極的に捜査に関わらせており、その動向に注目している。
: 上記の通り、コナンたちと行動を共にしたのは全てキッドの変装であり、彼本人の登場は事件解決後に目暮警部との対面シーンのみ。
; [[高木渉 (名探偵コナン)|高木 渉]](たかぎ わたる)
: 声 - 高木渉
: 警視庁捜査一課の刑事で[[巡査部長]]。本作が劇場版初登場であり、以後の殆どの作品にも登場する
: 犯人とのやり合いで額に傷をつけたため、絆創膏を貼っている。
: 西野真人の部屋のベッドの下で寒川の所持品だった「ニコライ皇帝の三女・マリアの指輪」を見つける。
; [[名探偵コナンの登場人物#中森銀三|中森 銀三]](なかもり ぎんぞう)
: 声 - [[石塚運昇]]
: 警視庁捜査二課知能犯捜査係の警部。本作が劇場版初登場となる。
: 怪盗キッドが現れる場所を予告状の文面から大阪城だと推理する。鈴木近代美術館に展示するメモリーズ・エッグを偽物にすり替え、本物を秘密裏に別の場所に隠す。
; [[名探偵コナンの登場人物#茶木神太郎|茶木 神太郎]](ちゃき しんたろう)
: 声 - [[田中信夫]]
: 警視庁捜査二課の[[警視]]。本作が劇場版初登場となる。
: 捜査会議でメモリーズ・エッグを盗むという旨のキッドの予告状を発表する。
 
=== オリジナルキャラクター ===
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: 世界各国にある、ロマノフ王朝の財宝を盗んでいる連続強盗殺人犯。
: ICPOにより国際指名手配中だが、正体は一切不明。使用する拳銃は「[[ワルサーPPK|ワルサーPPK/S]]」で、必要に応じてサプレッサー・レーザーサイト・スコープを装着している。また、人を撃つ時は必ず標的の右目を撃ち抜くという特徴がある。
 
==== 容疑者 ====
; 香坂 夏美(こうさか なつみ)〈27〉
: 声 - [[篠原恵美]]
: [[パティシエ|パティシエール]]。誕生日は[[5月3日]]。
: 怪盗キッドに盗まれた「メモリーズ・エッグ」の最初の所有者であった香坂家の相続人。現在は[[フランス]]に住んでいる。容姿端麗な美女で浦思青蘭と同じく灰色の瞳をしているが、夏美自身は瞳の色について(母も祖母も同様のため)曾祖母の色を受け継いだのだろうと語っている。子供の頃に聞かされていた「バルシェ・ニクカッタベカ」という謎の言葉は暗号解読のヒントになっており、コナン一行と協力しながら城に隠された謎を解き明かしていく。
; 乾 将一(いぬい しょういち)〈45〉
: 声 - [[大塚周夫]]
: 美術ブローカー。
: 鈴木会長にメモリーズ・エッグの商談を持ちかけてきた。来客者の中で最も高額での取引を望んでおり、エッグを譲り受けられるなら億単位での取引にも応じるつもりでいる。出会った当初は紳士的な態度を見せていたが、その下には卑劣な本性を隠している。香坂家の城にある財宝を盗むため、トイレに行く振りをして一同を出し抜き「貴婦人の間」に侵入戻る。絵画に隠された金庫を発見して開ける事には成功したが、防犯装置に捕えられるという醜態を晒した。
: 地下で、不審な動きを取った同行者の1人を追いかけると、その人物がサイレンサーを付けているところを見てしまったため射殺された。
: その後、コナンがスコーピオンを追いかけている時に、彼の遺体に躓いている。
; 沢部 蔵之助(さわべ くらのすけ)〈65〉
: 声 - [[依田英助]]
: 香坂家の[[執事]]。愛煙家で、執事業をしていない時は[[パイプ (たばこ)|パイプ]]をふかしている
: 夏美の祖母の代から香坂家に仕えており、現在も夏美に付き添いながらお世話をしている。香坂家の内情にも詳しいが、城にある隠し通路の存在には気付いていなかった。コナン一行が城の中を探索するため「皇帝の間」「貴婦人の間」「騎士の間」「執務室」を案内している。「貴婦人の間」の金庫には防犯装置が設置されており、宝石を奪おうとした乾将一が罠に嵌ってしまい、からくり好きな喜市の意向で仕掛けられていたと、冷静な口調で伝えながら罠を解除して見せた。
: しかし、執務室の地下に続く仕掛けについては、流石に知らなかったらしく「こんなも、目が!?」と当たりした際は驚愕してい
: 全てが終わった後、地下の深層部にある夏美の曾祖母の遺骨を喜市の墓に埋葬しようと、夏美に優しく微笑みながらいった。
; 寒川 竜(さがわ りゅう)〈32〉
: 声 - [[大塚芳忠]]
: フリーの映像作家。
: 鈴木会長にメモリーズ・エッグの取材を申し込んできた。また、自らの資金で購入も考えているが乾将一の所持金の多さから諦めている。女性客の部屋を訪れては美人を撮影しており、蘭もドアを開けて顔を撮られてしまった。映像作家でロマノフ王朝にはそれほど精通していないが、ニコライ二世の三女・マリアの指輪を所持しており青蘭を驚かせていた。
: 西野真人とは3年前に[[アジア]]の[[内戦]]で面識があり、その撮影中に殴られたトラブルから恨みを抱いていたことから、彼を上記の指輪を使って泥棒に仕立て上げ嵌めようとするが、その前にスコーピオンに射殺され、ビデオテープを全て盗まれた。
; 西野 真人(にしの まさと)〈29〉
: 声 - [[宮本充]]
: 鈴木財閥会長[[秘書]]。
: 鈴木会長の秘書で、忠実に職務を遂行することから特に信頼されている。糸目で、常に微笑んでいるような表情だが、劇中では驚く時のみ目を見開いている。かつては、世界中を回っていた経験から英語・[[フランス語]]・[[ドイツ語]]などに堪能である。羽毛アレルギー体質で、怪盗キッドの鳩が羽をまき散らしたので慌てて退室している。寒川とは3年前のアジア旅行で出会っており、内戦で家を焼失した女の子の撮影を止めないので殴ってしまい逆恨みされている。その寒川が殺害され、所持していた[[ボールペン]]が残されていたことから容疑者として怪しまれる。
: その後、上記の羽毛アレルギーのおかげで容疑者から外が晴る。たため、真犯人に殺害される、コナンの協力者になるなどを除き容疑者から完全に外れた、非常に稀な人物である<ref group="注">なお、西野は大阪の街が停電した時に夏美と沢部と一緒におり、その裏が取れればキッドを狙撃した容疑者(スコーピオン)から外れる(これについては、上記の2名も同様である)が、その証人であるコナン自身本人がそのことについて全く覚えておらず「西野は羽毛アレルギー体質」だと気づかなければ[[誤認逮捕]]を認めかけるという、あるまじき失態をおかしている。</ref>(ゆえに古城での探索には西野がいても仕方がないとして、鈴木父娘は同行していない)。
; セルゲイ・オフチンニコフ〈41〉
;(ロシア語ラテン文字表記:Sergei Ovchinnikov、ロシア語キリル文字表記:Сергей Овчинников)〈41〉
: 声 - [[壤晴彦]]
: ロシア[[大使館]][[外交官|一等書記官]]。名前のロシア語ラテン文字表記は「Sergei Ovchinnikov」、ロシア語キリル文字表記は「Сергей Овчинников」
: ロシア人。「メモリーズ・エッグ」のロシア返還を求めている。大使館に勤めているため[[日本語]]には堪能で流暢に喋る。屈強な体格の持ち主だが、態度は紳士的。二つ目のエッグが横須賀の城に隠されていることを知り、誰よりも先に同行を頼み込んだ。暗号の謎解きでは香坂喜市がロシア語を暗号にしていたため、入力を任された。その後、2つ目のエッグと対面。ニコライ皇帝一家の写真を見て言葉を失い、夏美にこそ相応しいとロシアを代表して所有権を放棄した。
: メモリーズ・エッグ欲しさに鈴木近代美術館を訪れた4の中で、燃えゆく古城をコナン達共たち共に見届けた唯一の人物である。
: 前作『[[14番目の標的]]』のピーター・フォードに続いての外国人の男性ゲストキャラクターで、フォードとは異なりコナンからは「セルゲイさん」と名前で呼ばれ、声優も日本人の壤が演じている<ref group="注">ピーター・フォードについては、コナンや白鳥は彼のことを「フォードさん」と名字で呼び、声優もアメリカ人のアンディ・ホリフィールドが担当している。</ref>。
; 浦思 青蘭(ほし せいらん)〈27〉
: 声 - [[藤田淑子]]
: ロマノフ王朝研究家。
: 中国人。名前の[[中国語]]読みは「プース・チンラン」(簡体字では、浦思青兰、ピンインはpǔ sī qīng lán) 。誕生日は[[5月5日]]。香坂夏美と同じく灰色の瞳をしており、年齢も同じなので意気投合していた。脚線美で当初は赤や青の[[チャイナドレス]]を着用しており、小五郎はその色っぽい脚に見惚れていた。ロマノフ王朝の研究者であるため、エッグは誰よりも欲しているが寒川と同じく資金面の理由から諦めている。横須賀の城では、暗号解読に積極的な参加をしていなかったが、コナンの推理から「世紀末の魔術師」という重要な答えを導き出した。
: 歴代劇場版で、初めて登場した外国人の女性ゲストキャラクターで、声優は日本人の藤田が演じている(なお、藤田の出生地は[[中華人民共和国|中国]]の[[遼寧省]][[大連市]]である)。
 
==== メインキャラクターの親族 ====
; 歩美の母
: 声 - [[佐藤しのぶ_(声優)|佐藤しのぶ]]
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[[興行収入]]が初めて20億円を突破し、最終的に『[[名探偵コナン 14番目の標的|14番目の標的]]』の18.5億円を上回る26億円となった。劇場版シリーズは2018年現在、20作連続で興行収入20億円以上を突破し続けている。
 
== テレビ放送 ==
{| class="wikitable"
!回数!! 番組名(放送枠名)!!放送形態!!放送日!!放送時間([[日本標準時|JST]])!!放送分数!!平均世帯視聴率!!備考
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: 作詞 - [[稲葉浩志]] / 作曲 - [[松本孝弘]]
: 名探偵コナン映画作品初の男性ボーカルによる作品であった。
: 本作は「1番のフルコーラス→間奏→ラストサビ」ではなく、1番のメロディの後は全て2番以降が使われている(そのため、前作までや次作『[[瞳の中の暗殺者]]』とは違い、Cメロが流れている)
 
=== 挿入歌 ===
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}}
 
本作のストーリーがロマノフ王朝のイースターエッグをめぐる争いということもあり、劇場版初登場の怪盗キッドの本格的なテーマ楽曲など、かなりスケールの大きな楽曲が目立つ。シリーズ第一前々『[[名探偵コナン 時計じかけの摩天楼|時計じかけの摩天楼]]』と同様に当作に比べて少ないがTVオリジナルサウンドトラックの楽曲、前作『14番目の{{ruby|標的|ターゲット}}』の楽曲「恋のトランプゲーム占い」の本作仕様のリアレンジバージョンが収録されている。
TVシリーズでは9月27日放送の第162話(1時間スペシャル)『空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件』から使用が開始されるが、汎用初回はこれまでの異なり一曲のみの汎用になっており同話はM.16「尋問」のみで、12月13日放送の第172話『よみがえる{{ruby|死の伝言|ダイイング・メッセージ}}(前編)』からはM.25「赤い光のスナイパー2」が使用開始され、十曲以上の使用は2000年1月3日放送の第174話(年明け2時間スペシャル)『二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件』からとなる。特に同話から汎用されている、M.24「古城のテーマ」は第5作『[[名探偵コナン 天国へのカウントダウン|天国へのカウントダウン]]』の制作・公開前後で黒ずくめの組織のエピソードで長らく使用され、2007年7月のリアレンジ後の現在でも流用されている。
 
==== 収録曲 ====
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; 香坂家の秘密
: 香坂喜市
: ロマノフ王朝の細工職人で、夏美の曾祖父。[[ピーター・カール・ファベルジェ]]の工房で細工師として働いていた。現地でロシア人の女性と結婚し娘(夏美の祖母)が生まれる。ロシア革命後に日本へ渡るも、妻を亡くしたため、その遺品を売り払い横須賀市に城を建設する。妻を亡くした9年後に自身も45歳でこの世を去った。本作のタイトルである『世紀末の魔術師』とは、1900年に開催された[[パリ万国博覧会 (1900年)|パリ万国博覧会]]に弱冠・16歳からくり人形を出品して賞賛された彼に対する異名で、執務室にある城の隠し通路を開く際の重要なヒントとなった。
: なお、喜市は幼い娘(夏美の祖母)を残して亡くなっているが、彼が細工師時代に貯えた遺産は莫大なものだったらしく、夏美の祖父と父はどちらも[[婿養子#現行民法|婿養子]]である<ref group="注">香坂家が夏美の父方の親族だった場合、曾祖母の灰色の瞳を受け継ぐのは夏美の父になるため。</ref>。また、上記に出てきた彼の年齢を「[[満年齢]]」、「誕生日を迎えている」と仮定すれば、[[1884年]]([[明治]]17年)生 - [[1929年]]([[昭和]]4年)没になる
; 世紀末の魔術師のロシア語
: {{lang-ru-short|"волшебник конца века"}}、[[転写 (言語学)|音訳]]:「ヴァルシェーブニク・カンツァー・ヴェカ」
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* [[インペリアル・イースター・エッグ]]
* [[グリゴリー・ラスプーチン]]
* [[名探偵コナン ハロウィンの花嫁]] - 劇場版『[[名探偵コナン]]』シリーズの25作目。架空の民間のロシア人部隊ナーダ・ウニチトージティが登場するなど本作と同様、ロシアが深く関わっている。
 
== 外部リンク ==
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{{トムス・エンタテインメント}}
{{こだま兼嗣監督作品}}
{{DEFAULTSORT:めいたんていこなん せいきまつのましゆつし}}
[[Category:名探偵コナン映画作品|せいきまつのましゆつし]]
[[Category:アニメ作品 め|いたんていこなんせいきまつのましゆつし]]
[[category:1999年のアニメ映画]]
[[Category:ユニバーサルミュージックジャパンのアニメ作品]]