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{{Otheruses|競技|ジェロームの絵画|{{仮リンク|闘鶏をする若いギリシャ人|en|The Cock Fight}}}}
[[File:COCK FIGHT.JPG|thumb|right|[[インド]]・[[タミル・ナードゥ州]]の闘鶏]]
[[File:Cock Fight Arina Davao.jpg|thumb|right|[[フィリピン]]・[[ダバオ]]の闘鶏場]]
[[File:Cockfighting laws world map.svg|thumb|400px|2020年時点で闘鶏に関する法律
{{Legend|#0000FF|禁止されている国}}
{{Legend|#3399FF|伝統的な場所以外では禁止された国}}
{{Legend|#800080|一部の行政区画で禁止}}
{{Legend|#FF0000|合法}}
{{Legend|#CCCCCC|情報なし}}]]
'''闘鶏'''(とうけい)は、[[ニワトリ]]の[[雄]]を戦わせる競技である<ref>{{Cite web|和書
| title = 闘鶏(とうけい)とは
| publisher = コトバンク
| url = https://kotobank.jp/word/%E9%97%98%E9%B6%8F-338324
| accessdate = 2020-02-02
}}</ref>。
== 歴史 ==
古代から世界各地に見られた。[[インダス文明]]の遺跡からは闘鶏をモチーフとした出土品が見られ、ニワトリを[[家禽]]とした初期の時代から闘鶏が行われていたことが伺われる<ref name="Masukawa">[[増川宏一]]『合わせもの』<ものと人間の文化史> 法政大学出版局 2000年 ISBN 4588209418 pp.21-28.</ref>。
[[アイリアノス]]によると、[[古代ギリシア]]では[[テミストクレス]]がペルシア軍との戦闘を控えたギリシア軍に道端で戦う鶏を示し、彼らを鼓舞した。ギリシア軍が勝利するとその功績を称え、公的行事として毎年闘鶏を行うよう定めたという<ref>Mervin R. Dilts, Clavdii Aeliani Varia Historia, 1974, 2.28(アイリアノス(松平千秋・中務哲郎訳)『ギリシア奇談集』第3巻12.2)</ref>。ギリシア・ローマの文献には闘鶏がたびたび登場し、プラトンも闘鶏に熱中する人々の姿を『法律』の中で描写している<ref>プラトン(森進一・池田美恵・加来彰俊訳)『法律』、第7巻798c(『プラトン全集13』、岩波書店、1975)</ref>。
[[中国大陸]]では[[周]]の時代([[紀元前10世紀]])には既に闘鶏が行われていたという説があり、『[[春秋左氏伝]]』にも闘鶏に関する記述がある<ref name="Masukawa"/>。
闘鶏は[[東南アジア]]においても古くから行われてきた。特に[[タイ王国|タイ]]の[[軍鶏]]はその強さで知られている。元々は賭け事ではなく、喪に服す家族を慰問する行事の一種であったとする見方が存在する<ref>アンワル・ジンペ・ラフマン 「一発即死―トラジャの闘鶏『パラミシ』」アジ研ワールド・トレンド通巻142号</ref>。また、タイでは闘鶏の結果を[[占い]]に用いており、有名なものとして[[アユタヤ朝]]の[[ナレースワン]]が[[ビルマ]]と戦争した際に、闘鶏によって戦況を占った例がある。今日でも闘鶏はナレースワンのシンボルとなっており、ナレースワンの名を冠したカイ・ナレースワンという軍鶏の品種がある<ref>[[秋篠宮文仁]]、[[小宮輝之]]『日本の家畜・家禽』 学習研究社 <フィールドベスト図鑑> 2009年、ISBN 978-4-05-403506-5 pp.178-179.</ref>。
王室闘鶏場を作るほど闘鶏好きのイギリス王ヘンリー8世の時代に闘鶏の試合ルールが定められ、そのルールが人間が行う闘鶏[[ボクシング]]に応用されたという逸話がある<ref>{{Cite journal|和書|author=桝田隆宏 |date=2009-02 |url=http://id.nii.ac.jp/1249/00001448/ |title=英米文学鳥類考:鶏について |journal=松山大学論集 |ISSN=0916-3298 |publisher=松山大学総合研究所 |volume=20 |issue=6 |pages=221-270 |id={{CRID|1050282813434546432}}}}</ref><ref>普及版 世界大博物図鑑 4 鳥類 p125</ref>。そのため、ボクシングの階級で、[[フェザー級]]、{{ill2|バンタム鶏|en|Bantam (poultry)}}由来の[[バンタム級]]が使われるなど、闘鶏から導入された名残を残す。
米国では、賭博の対象とされることや、[[動物虐待]]とみなされることから、闘鶏は禁止されている<ref>{{cite news
| url = https://www.sankei.com/west/photos/180610/wst1806100006-p2.html
| title = 【世界ミニナビ】ニワトリ400羽押収、鋭利なつけ爪も…闘鶏で米警察当局
| newspaper = 産経WEST
| date = 2018-06-10
}}</ref>。
=== 日本における歴史 ===
日本で闘鶏が始まったのがいつごろなのか定かではない。公家のみならず庶民の娯楽として、起源が不明なほど古くから行われてきたと推定される<ref name="Masukawa"/>。最も古い記録は8世紀前半に編纂された『[[日本書紀]]』であり、以後の公家の日記や史書にも闘鶏の記事は数多く見られる。
[[宮中]]の闘鶏は9世紀から10世紀には、闘鶏を好む天皇や公家によって[[正月]]後にしばしば催されていた。[[平安時代]]の頃より'''鶏合'''(とりあわせ)と呼ばれ宮中や[[貴族]]において[[3月3日]]に行われるようになった<ref> 「年中行事事典」p517 1958年(昭和33年)5月23日初版発行 [[西角井正慶]]編 東京堂出版</ref>。[[唐]]の[[玄宗 (唐)|玄宗]]が乙酉生まれだったため好んで[[清明]]の節に催した故事が由来とされる。鳥合わせの様子は[[承安 (日本)|承安]]2年の『[[古今著聞集]]』に詳しいが、歌舞や酒宴が主体で、闘鶏というよりもニワトリの鑑評会というのが実態となっていた<ref name="Masukawa"/>。
[[江戸時代]]のはじめには、[[タイ王国|タイ]]から[[軍鶏]]が輸入されるとさらに盛んになっていった。しかし庶民の間で[[賭博]]の対象とされることが多くなり、[[江戸幕府|幕府]]は幾度か禁止令を発し、明治時代には法令で禁止される地域があった<ref>[[白川県]]明治六年第四三号。なお[[違式かい違条例|違式詿違条例]](軽微な犯罪を処罰する明治初年の条例)への採用の議論があったものの、明治6年7月19日太政官布告違式詿違条例には採録されなかった。詳しくは{{Cite journal|和書|author=上野平真希|date=2006-07|title=警察機構の創出と違式詿違条例 : 明治初期熊本を舞台として|url=https://hdl.handle.net/2298/27341|journal=熊本史学|volume=85-86|pages=87-127|publisher=熊本大学|hdl=2298/27341|id={{CRID|1050001337931373312}}|ISSN=0386-8990}}</ref>ものの、全国的には生き残っていった。
1948年(昭和23年)の[[東京都]]を皮切りに、[[北海道]]、[[神奈川県]]、[[福井県]]、[[石川県]]の5都道県では、[[闘犬、闘鶏、闘牛等取締条例]]等の[[条例]]が制定され、闘鶏が禁じられている<ref>{{Cite web|和書
| url = https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h29_2_3.pdf
| title = 闘犬等取締条例の概要
| publisher = 環境省
| date = 2017-04-01
| format = PDF
| accessdate = 2020-02-02
}}</ref>。[[沖縄県]]では、2017年以降、闘鶏で傷つき遺棄されたとみられる軍鶏が多数保護されており<ref name="okinawatimes_2020-01-27">{{cite news
| url = https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/525590
| title = 頭骨むき出し、片目はつぶれ…傷つき遺棄されるシャモ102羽を保護 「闘鶏を禁止に」と訴え
| newspaper = 沖縄タイムス
| date = 2020-01-27
}}</ref><ref>{{cite news
| url = https://ryukyushimpo.jp/news/entry-953618.html
| title = 袋に何十羽も詰められ、捨てられ…「傷ついた闘鶏を助けたい」 沖縄・東村の男性が保護
| newspaper = 琉球新報
| date = 2019-07-16
}}</ref>、闘鶏を禁止する条例の制定を求める動きがある<ref name="okinawatimes_2020-01-27" />。
また、闘鶏等の動物同士を闘わせることが[[動物の愛護及び管理に関する法律]]で禁止されている虐待にあたるのではないかとの指摘があり、[[中央環境審議会]]の下部組織において検討が行われている<ref>{{Cite web|和書
| url = https://www.env.go.jp/council/14animal/y143-20/mat01.pdf
| title = 動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会(第20回) 資料1「虐待の防止」について
| publisher = 環境省
| date = 2011-09-27
| accessdate = 2020-02-02
}}</ref>。
=== イラクにおける歴史 ===
[[イラク]]には[[1920年代]]前後に外国から持ち込まれた。イスラム教徒の間では禁じられている賭博と関連付けられるため非合法に近い扱いとなる。[[サダム・フセイン]]政権下では禁止されたが、人里離れた民家などで行われ続けた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3453364?cx_part=top_topstory&cx_position=4 |title=「冬の娯楽」闘鶏、南部で根強い人気 イラク |publisher=AFP |date=2023-03-12 |accessdate=2023-03-12}}</ref>。
== 武器 ==
[[File:Hahnenkampf 2.jpg|thumb|鋼鉄製の蹴爪。[[東ティモール]]]]
海外の地域ルールによっては蹴り合いの威力を増すため、蹴爪に鋼鉄製のナイフを装着させる。このルールでは、負けた鶏はほとんど致命傷を負って死亡する。
== 育成方法 ==
雄鶏の育成には7
== 闘鶏が登場する作品 ==
{{main|en:Category:Cockfighting in film}}
*「闘鶏」 - [[今東光]]の短篇小説
*「軍鶏」 - [[吉村昭]]の短篇小説
*「[[軍鶏|タウチー]]一代 蹴られた男」 - [[沖縄]]の[[舞台]]作品
* ''The Cock and Anchor'' - [[シェリダン・レ・ファニュ]]の処女長編小説(1845年)。主人公のオコナーがオリアリー少佐に連れて行かれる。
*「[[コックファイター]]」 - チャールズ・ウィルフォードの小説及びその映画化作品
*「{{仮リンク|ルーツ (小説)|label=ルーツ|en|Roots: The Saga of an American Family}}」 - 作者の高祖父である、アメリカ南部における[[奴隷]]の闘鶏調教師「チキン・ジョージ」の生きかたを描く。[[ルーツ (テレビドラマ)|テレビドラマ化]]もされた。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
== 関連項目 ==
* [[闘牛]]
* [[闘犬]]
* [[軍鶏]]
* [[闘鶏神社]]
* [[闘犬、闘鶏、闘牛等取締条例]]
* [[ボクシング]] - 闘鶏のルールが応用されている。
* {{ill2|ロイヤル・コックピット|en|Cockpit-in-Court}} ‐ヘンリー8世がウェストミンスター宮殿の敷地内に設置した闘鶏場
* [[操縦席]] - 闘鶏場がコックピット(Cockpit)と同じ綴りである。由来として、闘鶏場に由来する説としない説がある。
== 外部リンク ==
* [https://chickenhausu.amebaownd.com/ クックハウス] - 闘鶏で傷つき遺棄された鶏を保護している施設
{{Commons category|Cockfighting}}
{{動物の権利}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:とうけい}}
[[Category:アニマルスポーツ]]
[[Category:鳥に関する文化]]
[[Category:鶏]]
[[Category:ブラッド・スポーツ]]
{{sports-stub}}
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