「フィアット・131」の版間の差分

| ボディタイプ=2/4ドア[[セダン]]・5ドア[[ステーションワゴン|ワゴン]]

'''フィアット・131('''（''Fiat 131)''' ）は、[[イタリア]]の[[自動車メーカー]]・[[フィアット]]が[[1974年]]から[[1984年]]まで生産した小型乗用車である。多くのモデルには[[トリノ]]近郊にある131の生産工場所在地に因んで「ミラフィオーリ」というサブネームが付けられていた。

== 概要 ==

1974年の[[:en:Turin Auto Show|トリノ・ショー]]で発表された131ミラフィオーリは [[1966年]]に登場し、同年の[[ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー]]を受賞した成功作・ [[フィアット・124|124]]の忠実な後継車として誕生した。ボディタイプは124と同じ4ドアセダン・5ドアワゴン(ファミリアーレ)に加え、124には無なかった2ドアセダンも用意されたが、反面124に存在したクーペとスパイダーは用意されず、124スパイダーは結局[[1985年]]まで[[ピニンファリーナ]]2000スパイダーとして継続生産された。

このように特徴の乏しい設計であった131だが、途中で追加されたスポーツモデルの「131 [[アバルト]]・ラリー」が[[WRC]](世界ラリー選手権]](WRC)で活躍、[[マルク・アレン]]、[[ティモ・サロネン]]、[[ワルター・ロール]]が[[1977年]]・[[1978年]]・[[1980年]]にそれぞれワールドチャンピオンになった。

== モデルの変遷 ==

1978年と[[1981年]]にマイナーチェンジを受けて中期型(通称シリーズ2)・後期型(シリーズ3)に発展、1985年までに前輪駆動の[[フィアット・リトモ|リトモ]]をベースにした3ボックスセダン・ワゴンの[[フィアット・レガータ|レガータ]]に後を譲って消滅した。

===初期型(シリーズ1・[[1974年]]-[[1978年]])===

[[Imageファイル:Fiat 131 Abarth 001.JPG|250px|thumb|131アバルト・ラリーカー]]

当初用意されたエンジンは124と同じ[[OHV]] [[直列4気筒|4気筒]] 1,297cc 65馬力または1,585cc 65馬力で、1,585ccモデルは「131S(スペシャル)」と呼ばれ丸型4灯式ヘッドライトが与えられてで、1,297ccモデルの角型2灯式と区別されていた。なお、アメリカ向け輸出車には[[公害]]対策によって大幅にパワーダウンした[[DOHC]] 1,585cc 83馬力エンジンが搭載され、名前も「フィアット・ブラーヴァ」(この名前は1990年代にイタリアで再度用いられた)に改められていた。日本には[[1976年]]以降、当時の輸入代理店であった[[ロイヤル・モータース]]及びその後を継いだ[[東邦モーターズ]]によってこの仕様が「131S」の名で輸入された。

「131 アバルト・ラリー」は、既すでにフィアットのモータースポーツ部門となっていた[[アバルト]]によって開発され、オーバーフェンダー、ボンネット、トランクリッドがFRPで、またドアの外パネルがはアルミで軽量化、後輪サスペンションも専用設計の独立式マクファーソン･ストラットが与えられ、Kugelfischer([[クーゲルフィッシャー)]]製の機械式燃料噴射付きで215馬力以上を発揮した。

フィアットは、1976年この車両をWRCのグループ4に出場するためのホモロゲーションモデルとして400台のストラダーレを市販し、最終的には1000台以上が生産された。こちらは、タイヤは同じく[[ピレリ]]P7であるが195/50VR15と細くなり、クロモドラとアバルトのダブルネームの軽合金ホイール、室内は4人分のフカフカで包み込まれるようなシートが与えられ、エンジンは同じ16バルブDOHC 1,995ccながらウエーバー34ADFにより140馬力にデチューンされていた。

=== 中期型(シリーズ2・[[1978年]]-[[1980年]]) ===

[[Imageファイル:1980 seat 131.jpg|250px|thumb|right|スペイン製セアト131スーパーミラフィオーリ]]

1978年にはマイナーチェンジを受け、外観はヘッドライトが大型の角型2灯式に改められ、テールライトも大型化、内装も従来の特徴の無ないやや旧式なデザインからスライド式のグローブボックスや個性的なメーターの文字盤を持つ特色あるものに変更され、全体的に高級感を増した。5ドアワゴンの名称は「パノラマ」に変更された。

また、124時代の「スペシャルT」以来途絶えていたDOHCエンジン車が本国でも「スーパーミラフィオーリ」(4ドア)・「レーシング」(2ドア)の名前で復活した。スーパーミラフィオーリのDOHCエンジンは1,301cc 78馬力または1,585cc 96馬力であったのに対し、レーシングは1,995cc 115馬力を搭載、大小2つの丸型ヘッドライトを持つ専用グリル・オーバーフェンダー・5速ギアボックスを装備し、最高速度は180km/hに達した。同時に [[ディーゼルエンジン]]車も追加され、1,995cc 60馬力と2,445cc 72馬力が用意された。

=== 後期型(シリーズ3・[[1980年]]-[[1984年]]) ===

[[Imageファイル:Seat 131 Estate Tenerife 1979 Seat_131_Estate_Tenerife_1979.jpg|250px|thumb|スペイン製セアト131エステート]]　

== イタリア国外での生産 ==

[[Imageファイル:Tofaş Şahin.jpg|250px|thumb|2000年式トファシュ・ムラット 131]]

海外提携に熱心であった当時のフィアット車らしく、前身の124同様、131は各国でライセンス生産された。[[スペイン]]では[[セアト]]社が「セアト・131」として[[1982年]]まで生産したが、国内では4ドアセダンのみを販売し、ワゴンは「フィアット・131」の車名で輸出用にのみ生産した。

[[トルコ]]では[[トファシュ]]社が外観をレガータ風に手直しして「トファシュ・ムラット 131」の名前でセダン(のドアン・（''Doğan)'' ）とワゴン(のカルタル・（''Kartal)'' ）を、外観をレガータ風に手直しして1990年代まで生産した。更に[[エジプト]]の[[:en:El Nasr|El Nasr]]社は[[1991年]]から、[[エチオピア]] の[[:en:Holland Car|Holland Car]]では実に[[2006年]]になってから、「Murat 131」のノックダウン生産を開始している。

== 参考文献 ==

*　Gazoo名車館　[http://gazoo.com/meishakan/meisha/shousai.asp?R_ID=2056]

[[Category:フィアットの車種|131]]

[[Category:ラリーカー|ふいあつと・131セダン]]