削除された内容 追加された内容
Kropsoq (会話 | 投稿記録)
m sp
m セクションリンク修正
 
(23人の利用者による、間の41版が非表示)
1行目:
{{Pathnav|VTEC|frame=1}}
'''VTEC-E'''('''ブイテック・イー'''、'''V'''ariable-valve '''T'''iming and lift '''E'''lectronic '''C'''ontrol system '''E'''conomy)は[[1991年]][[7月]]に発表された、[[本田技研工業]]の吸気バルブ休止機構の名称で、低燃費と希薄燃焼を達成するため、4バルブの吸気側2バルブのうち1バルブを低回転時にほぼ休止状態にする。同社[[VTEC]]機構を元に、低回転時に吸気側の異なったカムプロファイルで作動するロッカーアームによって別々に開閉、1本は完全休止ではなくほんの少しだけ開け、他方は完全にリフトさせ、強力な[[スワール]](混合気の渦流)を作りだし希薄燃焼を実現させる。高回転時になるとロッカーアームが油圧によって一体となり、吸気側バルブ2本とも完全リフトとなり、通常の4バルブ[[エンジン]]と同様となる。
{{出典の明記|date=2015年9月}}
'''VTEC-E'''(ブイテック・イー、'''V'''ariable-valve '''T'''iming and lift '''E'''lectronic '''C'''ontrol system '''E'''conomy)は[[1991年]][[7月]]に発表された、[[本田技研工業]]の[[4ストローク機関|4サイクルエンジン]]用の[[吸気]][[ポペットバルブ|バルブ]]休止機構の名称である。同社の[[VTEC]]([[可変バルブ機構]])の派生型の一つである。
 
== 概要 ==
EG型の[[ホンダ・シビック|シビック]]ETi([[マニュアルトランスミッション|MT]])で初めて採用され、EK型シビックからは3ステージ[[VTEC]]に転用されている。また[[圧縮比]]を12.5に高めた[[NGV]]専用[[VTEC-E]]も製造された。
高回転・高出力と低中回転域のトルクとを両立するために開発されたVTECを、低燃費・低排出ガス化を達成するために開発されたものである。
 
[[マルチバルブ|4バルブ]]の吸気側2バルブのうちの片方を、低回転時にはほとんど開かないように制御することにより、[[燃焼室]]内に強力な[[渦|スワール]](混合気の渦流)を作りだして[[空燃比]]22(25まで安定燃焼が可能)の[[リーンバーン|希薄燃焼]]を実現させる。高回転時には吸気側2バルブを両方とも完全にリフトさせ、通常の4バルブエンジンと同様となる。動作機構については[[VTEC]]を参照のこと。
当時の[[VTEC-E]]のPL(Project Leader)は[[本田技術研究所]]・和光研究所の宮野英世(現[[山田製作所]]代表取締役社長兼[[CEO]])。[[1992年]]に医師であり数々の[[ギネスブック]]燃費世界記録を持つ[[宮野滋]]がEG4シビックETi(MT)で市販車[[ガソリンエンジン]]で30.42km/Lの燃費世界記録を出している。尚、両者の血縁関係はない。
 
希薄燃焼を安定的に行なうために、前述したスワールに加え燃焼室のスキッシュにより混合気の流れを制御し、燃料噴射タイミングを最適化することにより[[点火プラグ]]近傍に可燃混合気を[[成層燃焼|層状分布]]させている。着火性を向上させるために、燃焼室内に点火プラグを突き出させ、火炎伝播の速度向上を図っている。さらに、従来 空燃比の計測に使用していたO<sub>2</sub>センサーをLAF(Linear Air Fuel Ratio)センサーに変更し、より正確な空燃比制御を行なえるようにした。
 
EG型の5代目[[ホンダ・シビック|シビック]](EG型 ETi( [[マニュアルトランスミッション|MT]])で初めて採用され、EK型6代目シビック(EK型)からは3ステージ[[VTEC]]に転用されている。また[[圧縮比]]を12.5に高めた[[CNG自動車|NGV]]専用[[VTEC-E]]も製造された。
 
VTEC-E開発時のプロジェクトリーダーは[[本田技術研究所]]・和光研究所の[[宮野英世]]。
 
VTEC-Eを冠するエンジンは現在生産されていないが、類似した機構を備える物はなおも生産されている。[[2001年]]に登場した初代[[ホンダ・フィット|フィット]]の[[ホンダ・L型エンジン|L15A型]]および[[2007年]]に登場した2代目フィットの[[ホンダ・L型エンジン|L13A型]]は、それぞれVTECおよび[[i-VTEC]]を冠していながらも、低回転時に片側の吸気バルブを休止させる動作はVTEC-Eと同様であるが、希薄燃焼をさせていないことが異なる。
 
[[1992年]]に、医師であり数々の[[ギネス・ワールド・レコーズ|ギネスブック]]燃費世界記録を持つ[[宮野滋]]<ref>宮野英世と宮野滋に血縁関係はない。</ref>が、EG4型シビック ETi(MT車)で市販車[[ガソリンエンジン]]で30.42km/Lの燃費世界記録を出している。
 
== 搭載車種 ==
*シビック ETi(EG4、[[ホンダ・シビックD型エンジン|シビックD15B]]ETi(E-EG4、D15B)
*[[ホンダ・シビックフェリオ|シビックフェリオ]]ETi(E-EG8、D15B) ETi(EG8、D15B)
*[[ホンダ・シビッククーペ|シビッククーペ]](E-EJ7、D16A)(EJ7、D16A)
*シビックGX(NGV仕様:EN2、D17A)
*[[ホンダ・ドマーニ|ドマーニ]] Vi-E([[いすゞ自動車]][[OEM|にOEM提供されていた]][[いすゞ・ジェミニ#4代目|4代目]][[いすゞ・ジェミニ|ジェミニ]]の「[[いすゞ・ジェミニ#4代目|1500C/C]]」を含む。[[ホンダ・ドマーニ|ドマーニ]]がMA7で、[[いすゞ・ジェミニ#4代目|ジェミニ]]がMJ3。なお、エンジン形式はいずれもD15B)
*[[ホンダ・ドマーニ|ドマーニ]]Vi-E(E-MA7、D15B)
*ドマーニ 16X (いすゞ自動車にOEM提供されていた[[いすゞ・ジェミニ#5代目|5代目]]ジェミニの「1600C/C([[前輪駆動|2WD]])」を含む。[[ホンダ・ドマーニ|ドマーニ]]がMB4で、[[いすゞ・ジェミニ#5代目|ジェミニ]]がMJ4。なお、エンジン形式はいずれもD16A)
*[[ホンダ・ドマーニ|ドマーニ]]16X(E-MB4、D16A)
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
 
== 関連項目 ==
*[[本田技研工業]]
*[[いすゞ自動車]] - [[いすゞ自動車|同社]]に[[OEM]][[バッジエンジニアリング|供給されていた製品]]にも、エンジンのヘッドカバーに「'''VTEC-E'''」のロゴをそのまま採用していた経緯があった。[[いすゞ・ジェミニ#歴史(ホンダOEM時代)|4代目と5代目の]][[いすゞ・ジェミニ|ジェミニ]]がそれに該当する。ちなみに、[[いすゞ・ジェミニ#歴史(ホンダOEM時代)|いすゞ・ジェミニ]]は[[いすゞ自動車|同社]]が発売していた乗用車で唯一「'''VTEC-E'''」エンジンを搭載していた。
*[[可変バルブ機構]]
*[[VTEC]]
*[[i-VTEC]]
*[[リーンバーン]]
*[[ホンダ・D型エンジン]]
 
== 外部リンク ==
*[httphttps://www.honda.co.jp/ 本田技研工業](オフィシャル)
*[httphttps://www.honda.co.jp/tech/auto/1995/950705a1.html 本田技研工業・VTEC]
*[httphttps://www.honda.co.jp/factbook/auto/CIVIC/19910910/cv91-011.html 本田技研工業・シビックETi 1.5L VTEC-E]
*[httphttps://www.honda.co.jp/ngv/index.html 本田技研工業・シビックGX]
*[httphttps://www.honda.co.jp/novel-honda/yume.html 本田技研工業・小説本田技研・第二話「完全燃焼への夢」]
 
{{デフォルトソート:VTECE}}
[[Category:本田技研工業の自動車エンジン|VTEC-E技術]]