「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」の版間の差分

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[[File:HK TST Night 1881 Heritage Shop IWC Schaffhausen Entrance.JPG|thumb|right|250px|IWCのショップ([[尖沙咀]])]]
'''インターナショナル・ウォッチ・カンパニー'''(''International Watch Company'', '''IWC''')は、創業150年の[[スイス]][[時計]]の[[マニュファクチュール]]ブランド。
 
質実剛健な社風を映じた'''高精度・高耐久性'''を追求した時計作りと'''永久修理'''、スイス政府が万能時計職人の育成機関として公的に認定する「から"Horloger Complet"('''オルロジェ・コンプレ''':万能時計職人ライセンス育成機関)として認定取得し受けた唯一の時計メーカーとして知られる。
 
1868年に米国人技師フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ(''Florentine Ariosto Jones'', 1841-1916)が、同国時計職人チャールズ・キッダー(''Charles Kidder'')と共に、スイスの[[シャフハウゼン]]にF・A・ジョーンズ&カンパニー(''F. A. Jones & Co.'')を設立。後に''International Watch Company''に社名変更。
 
スイス企業でありながら英語社名を冠しているのは、ジョーンズとキッダーが米国人だったことによる。''International''と略称され、日本の時計業界でも古くから「インター」と通称される。
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2000年より[[リシュモン|リシュモングループ]]傘下、現CEOはクリストフ・グランジェ・ヘア。
== 設立経緯 ==
[[File:HK TST Night 1881 Heritage Shop IWC Schaffhausen Entrance.JPG|thumb|right|250px|IWCのショップ([[尖沙咀]])]]
[[19世紀]]後半のスイスでは、工場制手工業による時計製造技術が確立され、一定の技術を習得した多くの職人が時計製造に従事していたものの、手工業による生産効率の限界から、製品は富裕層向けの高級品に限られ、世界的なマーケット需要を満たすには程遠い状況にあった。
 
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== 沿革 ==
*[[1868年]] - アメリカ人技師で[[ハワード (時計)|ハワード]]で勤務経験のあるフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが時計職人{{仮リンク|ハインリヒ・モーザー|de|Heinrich Moser}}(''Heinrich Moser'')の協力を得て、北米市場向け懐中時計を販売製造するため[[スイス]]の[[シャフハウゼン]]で創業
*[[1880年]] - 経営権がヨハネス・ラウシェンバッハ・フォーゲル(1815-1881)に移るが経営権取得
*[[1881年]] - 経営権をヨハネス・ラウシェンバッハ・シェンク(1856-1905)が経営権相続した
*[[1885年]] - 台帳に生産した全製品のキャリバー、素材、ケースなど詳細情報の記録める
*[[1899年]] - 女性向け懐中時計用のキャリバー64を流用した腕時計を発売
*[[1903年]] - 企業理念'''''Probus Scafusia'''''(ラテン語で「シャフハウゼンの優れた堅実な職人技」)を制定。ヨハネス・ラウシェンバッハ・シェンクの娘エンマ・マリーが[[カール・グスタフ・ユング]]と結婚、ベルタ・マルガレッタがエルンスト・ヤコブ・ホムバーガー(1896年-1955年)と結婚
*[[1905年]] - 株式の一部をエルンスト・ヤコブ・ホムバーガーが相続経営権を引いだ
*[[1915年]] - 当初より腕時計用に開発て設計された'''キャリバーCal.75'''を使用搭載たモデルを商品化、腕時計製造市場に本格参入
*[[1939年]] - エルンスト・ヤコブ・ホムバーガーが[[カール・グスタフ・ユング]]所有保有株式をエルンスト・ヤコブ・ホムバーガーが全部取得、個人オーナーとなった
*[[1936年]] - 軍専用パイロットウォッチを発売
*[[1939年]] - 懐中時計のムーブメントを使用した大型の『'''ポルトギーゼ'''』発売
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*[[1969年]] - [[クォーツショック]]を受け、クォーツ式腕時計用ムーブメント'''ベータ21'''の開発に参画
*[[1970年]] - ベータ21を使用したクォーツ式腕時計『ダ・ヴィンチ』発売
*[[1976年]] - [[ジェラルド・ジェンタ]]デザインによる新型の『インヂュニア』を発表。5個のビス穴が特徴で、以降踏襲される
*[[1978年]] - [[ポルシェデザイン]]の最初の時計『コンパス・ウォッチ』を発売
*[[1984年]] - 古典的なデザインの『ポートフィノ』を発売
*[[1989年]] - 史上最高の耐磁性能500,000A/mを持つ『'''インヂュニア'''』販売
*[[1993年]] - 創業125周年。本社社屋内に博物館の開設を決定した。『'''イル・デストリエロ・スカフージア'''』(''Il Destriero Scafusia'')を125本限定販売。『ポルトギーゼ』ライン復活させた。パイロット・ウォッチ『マークXII』発売
*[[1985年]] - クルト・クラウス設計による、[[エタ (時計)|ETA]]のCal.7750に永久カレンダーを組み込んだ『'''ダヴィンチ パーペチュアルカレンダー'''』を発表。汎用ムーブメント使用により、従来の永久カレンダー搭載腕時計よりも大幅にコストを抑えることに成功し、リューズのみでカレンダーの操作を可能とした
*[[1995年]] - ポルシェデザインが[[エテルナ]]を傘下に収めたのに伴い、同社との提携を解消
*[[1997年]] - 『GSTGSTライン発売
*[[1999年]] - 『GSTGSTディープワン』発売。パイロット・ウォッチ『マークXV』発売。『'''インヂュニア'''』を生産停止
*[[2000年]] - [[リシュモン]]グループ傘下った。自社製のCal.5000を搭載した大型の『ポルトギーゼ・オートマティック2000』を発表
*[[2005年]] - 『'''インヂュニア'''』ライン復活させた
*[[2007年]] - 自社製ムーブメントを搭載した新型『ダ・ヴィンチ』発表
*[[2012年]] - 自社製ムーブメントを中心とした『トップガン』などのパイロットモデル発表
*[[2017年]] - 『ダ・ヴィンチ』を一新し、複雑時計や3針モデルなどを発表
*[[2023年]] - ジェンタのビス穴付きデザインを復活させ、リニューアルした『'''インヂュニア'''』を発表
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== 時計製造 ==
[[File:1926 goldene Taschenuhr IWC2.jpg|thumb|1926年製懐中時計]]
IWCの時計は、[[懐中時計]]主流の時代から精度や耐久性の高さ、フィニッシュの良さが評価され、日本でも高級懐中時計の代名詞的存在として認知された。[[腕時計]]主流の時代にっても、天文台コンクールや[[クロノメーター]]規格には参加しなかったが、優秀級クロノメーターより厳しいを上回る独自基準を設け徹底した品質管理の下、精度と耐久性を重視し顧客ニーズに応じ高級時計の制に取んでいる。基本設計の優秀さに加え部品の材質・仕上げにコストをかけてるため、製品を長期に亘り使用しても、メンテナンスを怠らなければ、新品時の精知名度を永く維持できるとされるした
 
[[1915年]]から腕時計に参入、高精度・高耐久かつ良質なフィニッシュで評価の高い自社製キャリバーを開発、懐中時計の時代程ではないにせよ、高い知名度を維持した。第二次世界大戦前古い手巻のキャリバー83角形手巻のキャリバー87など優れたムーブメントを開発。1938年のキャリバーCal.60では、センターセコンド型(秒針を中心軸に配置するセンターセコンド型)の設計を逸早く採用、秒針が独立したスモールセコンド(秒針を独立配置)の派生型としてのセンターセコンド機に止まっていた競合各社をリード。その後も手巻Cal.83、角形手巻Cal.87など高精度・高耐久かつ良質なフィニッシュで評価の高い自社製ムーブメントを開発した。
 
第二次世界大戦後、[[ヴァシュロン・コンスタンタン]]から1944年に移籍した時計師アルバート(アルベール)・ペラトン(''Albert Pellaton'', 1898-1976)の下、生産工程の合理化を図りつつ高品質ムーブメントの開発を進め、[[1946年]]に従来モデルを刷新した手巻キャリバーCal.89は、その完成度の高さから[[1974年]]まで続くロングセラーモデルとなった。更にペラトンは独自の[[ラチェット]]動力伝達両回転型「ペラトン式自動巻機構」(1946年開発、特許取得)を備えたキャリバーCal.85系([[1950年]]設計)を開発、自動巻化の潮流に逸早く乗った。
 
[[1960年]]代以前のモデルは、愛好家の間で「'''オールドインター'''」と呼ばれ、耐磁性能を持つインヂュニアや、特殊ラバーで耐衝撃性能を高めたヨットクラブは、当時の先進機能が陳腐化せず、現在もアンティーク市場で高い人気を維持している。
 
[[1969年]]の[[クォーツショック]]により安価な日本製クォーツ式時計がマーケットを席巻、時計価格大幅下落したたを眺め、スイスの複数メーカーが提携したクォーツムーブメントの共同開発に参画、[[1970年]]に完成した'''ベータ21'''をダ・ヴィンチに搭載した。一方、機械式製品では、懐中時計を除き、自社製ムーブメントの開発・生産切り、[[エタ (時計)|エタ]]社製など汎用ムーブメント採用したためブランドイメージ低下落とすことになった招来
 
[[1980年]]代半ばにクォーツショックの影響が一巡、世界的に機械式時計が再評価され、マニュファクチュールブランドは復権を果たした。IWCでは、ペラトンの薫陶を得たIWC生抜きの技術者クルト・クラウス(''Kurt Klais'')が、1985年にETA/Valjoux7750をベースに永久カレンダーモジュールを搭載した'''ダ・ヴィンチ・パーペチュアルカレンダー'''を開発、「時計史に残る傑作」との評価を得て、マニュファクチュールブランドとしてのプレゼンスを取り戻した。
 
IWCはクラウス指揮の下、自社製ムーブメントの開発と、汎用ムーブメントの徹底した改良により、最終製品に対する評価を高めた。汎用ムーブメントについては、品質向上の観点から、大幅なカスタマイズに止まらず、エタ社に対し多くの改善要望を申し入れたことから、同社製品の精度や検査体制に少なからぬ影響を与えたとされる。
 
[[2000年]]には、エタ社製汎用ムーブメントをベースにペラトン式自動巻機構を採用したCal.5000系キャリバーを開発、中核ラインのポルトギーゼやインヂュニアに搭載している。また、[[ダイムラー (自動車メーカー)|ダイムラー]]の高級車ブランド・[[メルセデスAMG|AMG]]とのコラボレーションモデルインヂュニアオートマチックAMGをリリースしている。
 
製品ラインは、「ポートフィノ」「インジュニア」「ポルトギーゼ」「アクアタイマー」「パイロットウォッチ」「ダ・ヴィンチ」の6ラインを編成。かつてGSTラインの中でこれらの名称がペットネーム的に使われた経緯もあり、限定品を除きペットネームの命名頻度は低い。[[2020年]]代初頭までライン活性化の為、毎年1ラインずつリニューアルする手法が採られてきたが、現在は必ずしも規則的な更新は行われていない。
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== 製品 ==
アルバート・ペラトンやクルト・クラウスの設計思想を受け継ぎ、実用性と機能美の両面を高次元高い融合した完成度の高さを追求している。コンプリケーションを制作する場合でも、悪戯な複雑化を避け、耐久力が高く、少ない部品点数で高機能化の実現を目指す。全体として、精度、耐久性に優れた大型ムーブメントを良しとする傾向にある。
基本設計の卓抜性・熟成度の高さに加え、パーツの材質、仕上げ工程に要するコストを惜しまないため、定期メンテナンスを怠らなければ、製品を長期に亘り使用しても、新品時の精度を永く維持できるとされる。
 
購入された製品が世代を超えて愛用されることを前提に、創業以来販売した全ての製品の'''永久修理'''を請負う。このため、品質管理に対する目線が高く、ISO、DIN、NIHSなどの業界規格に加え、IWC独自の品質基準を設定、製品が全ての基準を充足することを前提としている。
 
特にIWC研究所で行われる耐久試験は、業界で最も過酷な試験とされ、あらゆる使用環境における界的状況を想定した試験工程(衝撃、引張、摩擦、加熱、加圧、浸水、腐食、磁界など)を設定、全ての新作モデルは研究所の基準をクリアすることが商品化の条件となっている。
 
デザインは、アメリカ人が創業、ドイツ語圏に所在することもありメーカーだけに、スイス時計らしい華やかさよりも、装飾を排したシンプルさの中に洗練を求め、特にコンプリケーションで機能美が引き立つとされる。
 
[[File:IWC Portuguese Automatic (cropped).JPG|thumb|ポルトギーゼ]]
=== ポルトギーゼ ===
[[File:IWC Portuguese Automatic (cropped).JPG|thumb|ポルトギーゼ]]
[[1939年]]に制作されたオリジナルモデルは、ポルトガルの時計商であったロドリゲスとティシェイラから「大型でも構わないので懐中時計用の機械を使用して、マリンクロノメーター級の精度を持つスティールケースの腕時計が欲しい」との注文を受け、当時懐中時計用としては最も薄型であったキャリバーCal.74と98を採用して制作された。
 
[[1993年]]に創業125周年を記念した『ポルトギーゼ・ジュビリー』で限定モデルとして復活、その後通常ラインに切り替えられ、現在まで存続している。開発経緯からベゼルの薄い大型ケースにシンプルなダイヤルを組み合わせたエレガントなデザインが特徴。
 
[[1998年]]にラインナップされた'''ポルトギーゼ・クロノグラフ'''は、発売以来、意匠やサイズに大きな変更の無いロングセラーモデル。[[2019年]]にベースムーブメントをETA/Valjoux7750から同社初の量産型自社製69000系ムーブメントに変更。同社を代表するモデルとして、現在も高い人気を維持している。
 
[[2003年]]に発表された'''ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー'''は、ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダーの永久カレンダーを高精度化したモジュールを自社製5000系ムーブメントに搭載、ムーンフェイスの誤差577.5年に1日を実現、南北両半球のムーンフェイスを表示するモデルが追加された。その後、[[2006年]]、[[2015年]]にムーヴメントを置き換え、さらなる高精度化が図られている。
 
[[2024]]年に同社初のセキュラーカレンダーモデルとなる'''ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー'''を発表。セキュラー・カレンダー搭載モデルを開発したメーカーとしては、[[パテック・フィリップ]]、[[スヴェン・アンデルセン]]、[[フランク・ミュラー]]、ファーラン・マリに続く5社目(腕時計としては4社目)。セキュラー・カレンダーの実現に他社が複雑な機構の追加を要したのに対し、IWCは従来のパーペチュアルカレンダーモジュールに「400年歯車」を含む僅か8個の高精度パーツを追加することで、[[グレゴリオ暦]]を完全再現(例外ルールで閏年が不適用となる世紀初(400年中3回)も自動調整するため、手動調整不要)。また、ムーンフェイズは、コンピューターを駆使し22兆通り超の歯車の組み合わせをシミュレート、3つの中間歯車を備えた減速機構を開発し、45,361,055年に僅か1日の誤差を実現。2024年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)で「金の針賞」受賞、「最も精密なムーンフェイズの腕時計」として[[ギネスブック]]に登録されている。
 
[[2024]]年に同社初のセキュラーカレンダーモデルとなるポルトギーゼ・エターナル・カレンダーを発表。従来のパーペチュアルカレンダーモジュールに「400年歯車」を含む8個のパーツを追加することで、[[グレゴリオ暦]]を完全再現(例外ルールで閏年が不適用となる世紀初(400年中3回)も自動調整するため、手動調整不要)。また、ムーンフェイズは、コンピューターを駆使し22兆通り超の歯車の組み合わせをシミュレート、3つの中間歯車を備えた減速機構を開発し、45,361,055年に僅か1日の誤差を実現。「最も精密なムーンフェイズの腕時計」として[[ギネスブック]]に登録されている。
[[File:IWC Aquatimer (cropped).jpg|thumb|アクアタイマー]]
=== アクアタイマー ===
[[File:IWC Aquatimer (cropped).jpg|thumb|アクアタイマー]]
[[1967年]]初出のダイビング人気の高まりを受け製作されたライン。
 
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[[1955年]]初出。名称はドイツ語Ingenieur(エンジニア)に由来。強い磁気環境下での使用に耐える耐磁性軟鉄製インナーケースを採用した特殊モデルであるが、IWCは汎用性の高いスポーツラインとして販売している。
 
[[1976年]]に発表したインヂュニアSLは、[[ジェラルド・ジェンタ]]がデザイン。現在のモデルにもSLジェンタのデザインコード(5個のビス穴特徴)は現行モデルにもモディファイされる形で引きれている。
[[File:IWC Big Pilot St Exupery Edition (cropped).jpg|thumb|ビッグ・パイロット]]
 
=== パイロット ===
[[File:IWC Big Pilot St Exupery Edition (cropped).jpg|thumb|ビッグ・パイロット]]
[[1930年]]代初出のパイロット、ミリタリー向けライン。
 
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[[1948年]]に英国政府の要請に応じ製造開始したマーク11は、[[1949年]]英国空軍が正式採用、1981年まで戦闘要員に支給された。
 
マークシリーズはマーク11までキャリバーCal.89を搭載していたが、マーク12以降は[[ジャガールクルト]]社やエタ社製汎用ムーブメントを採用している。
 
=== ポルシェデザイン ===
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1950年代に多くのハリウッドスターが訪れた地中海に浮かぶイタリアの港町ポートフィノをイメージしたモデル。ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)を体現するクラシックでドレッシーなライン。
 
[[1984年]]にポートフィノ・ハンドワインド・ムーンフェイズを発表、クラシカルでシンプルなケースとダイヤルに、ムーンフェイズを合わせたデザインコードは現在まで引き行モデルにも承れている。
 
[[1995年]]にロマーナ・パーペチュアル・カレンダーを発表。同ライン初の永久カレンダーモジュール搭載モデルであり、永久カレンダー付き腕時計としては世界で最も薄型の一つとされた。
 
[[2022年]]にポートフィノ・パーペチュアル・カレンダーを発表。IWCとしては比較的小振りな40mmのケースに永久カレンダーモジュールをた自社製ムーブメントCAL.82650を搭載。
[[File:MIH-film121.jpg|thumb|ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー]]
 
=== ダ・ヴィンチ ===
[[File:MIH-film121.jpg|thumb|ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー]]
[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]の革新的な思考法にインスパイアされたライン。
 
[[1985年]]、往年のマスターピースとして名高い'''ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー'''を発表。汎用ムーブメントETA/Valjoux7750ベース、西暦4桁で2499年までデジタル表示する永久カレンダーモジュール、122年間に1日の誤差のムーンフェイス、クロノグラフを搭載。開発を担当したクルト・クラウスの「堅牢で使いやすく、工業的に生産できなければならない」という設計思想を色濃く反映、シンプルな設計、工業化に適した少ない部品点数で高機能・高精度化を実現した、時計史に金字塔として輝く複雑モデル。生産性の高さからIWC向上とコストダウン大き拠る戦略的成功価格設定、リューズのみでカレンダーもたらし調整可能な操作性などが評価され、「発売初年度だけで市場に流通する全ての永久カレンダー以上の本数を売り上げた」と指摘する関係者もいる。
 
[[2017年]]にダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフを発表。新型自社製ムーブメントCal.89000系を搭載、フライバック機能、ムーンフェイスの誤差577.5年に1日、パワーリザーブ約68時間(旧モデル44時間)を実現。
[[File:MIH-film116jpg.jpg|thumb|イル・デストリエロ・スカフージア]]
 
=== イル・デストリエロ・スカフージア ===
[[File:MIH-film116jpg.jpg|thumb|イル・デストリエロ・スカフージア]]
[[1993年]]に創業125周年を記念して125本が限定販売されたハイコンプリケーションモデル。750個のパーツで構成され、スプリットセコンドクロノグラフ、ムーンフェイズ、西暦4桁をデジタル表示する永久カレンダー、[[リピーター|ミニッツリピーター]]、[[トゥールビヨン(時計)|トゥールビヨン]]の機能、サファイアガラスのシースルー裏蓋を持ち、当時、最も複雑なグランドコンプリケーションとされた超複雑時計。
[[ファイル:IWC GST ref. 3707 - dial.jpg|thumb|right|250px|GSTクロノグラフ]]
 
=== GST ===
[[ファイル:IWC GST ref. 3707 - dial.jpg|thumb|right|250px|GSTクロノグラフ]]
ポルシェデザインとの提携解消に向け、オリジナルの後継スポーツラインとして開発。[[1997年]]市場投入、[[2003年]]頃生産終了。名称はケース素材G(Gold)、(Stainless)、T(Titanium)に由来。
 
'''GSTGST・パーペチュアル・カレンダー'''は、世代を超えて使用される前提の永久カレンダーに高次の耐久性を与え、専門家から高く評された複雑モデル。スポーツウォッチの頑強なケースに、耐衝撃性を向上した永久カレンダーモジュールを搭載、ベースムーブメントETA/Valjoux7750の緩急針をトリオビスに置換え高精度化を図り、従来不可能とされたスポーツシーンでの複雑時計の着用を実現した
 
アクアタイマーは、GSTGSTラインの展開中、GSTGSTコレクションに属していた。GSTGSTライン特有の幾何学的なデザインコードは、後のアクアタイマーやインヂュニアに引きれている。
 
== 関連項目 ==