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|画像 = 19660529崔銀姬.jpg
|画像サイズ = 180px
|画像説明 = [[1966年]][[5月29日]]撮影
|生年月日 = {{生年月日|1926|11|20}}
|生誕地 = {{JPN}}[[日本統治時代の朝鮮|領朝鮮]] [[京畿道]] [[広州市 (京畿道)|廣州]](クァンジュ)
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}}
'''崔 銀姫''' (チェ・ウニ、{{Korean|hangul=최은희}}
[[1978年]]、彼女と離婚した夫の[[申相玉]](シン・サンオク)は[[北朝鮮]]当局に拉致され、[[1986年]]に[[ウィーン]]のアメリカ大使館に亡命を求めるまで北朝鮮で[[映画]]の制作を余儀なくされた<ref name="asahi20180417">{{Cite web
== 経歴 ==
=== 初期の俳優活動と成功 ===
[[File:Kankoku-Taikan-1966-5.jpg|thumb|250px|『[[春香伝#関連作品|成春香]]』(1961年)]]
崔銀姫は[[日本統治時代の朝鮮|日本統治下の朝鮮]]、[[京畿道 (日本統治時代)|京畿道]]の[[広州市 (京畿道)|広州市]]に[[1926年]]に生まれた。[[1944年]]に高等女学校を卒業し、劇団「現代劇場」に入り、演劇活動を開始した。同年、映画監督の金学成と結婚したが[[朝鮮戦争]]勃発に際し、離婚した。芸名の「銀姫」は、[[第二次世界大戦]]後、当時の流行[[小説]]から採ったものである。彼女の[[映画]]デビューは[[1947年]]の『新しき誓い』であった<ref name=":0" />。彼女は、[[1948年]]の映画『夜なかの太陽』に出演したのち、翌年から名声を博するようになり、すぐに女優の{{仮リンク|金芝美|en|Kim Ji-mee}}(キム・ジミ)や{{仮リンク|厳鶯蘭|en|Um Aing-ran}}(オム・エンナン)とともに「韓国映画の[[トロイカ]]」と並び称されるようになった<ref>{{Cite news|url=http://www.koreaherald.com/view.php?ud=20180417000152|title=Legendary actress Choi Eun-hee dies aged 91|last=Hong|first=Dam-young|date=2018-04-17|work=The Korea Herald|access-date=2018-04-17|language=en}}</ref>。
[[1954年]]に[[申相玉]]監督と結婚すると、2人は申(シン)フィルムを設立した。2人は[[1960年代]]の韓国にあって唯一、メジャー・スタジオによる映画制作システムを成し遂げた<ref name="huffpo20160904">{{Cite web
[[1964年]]には、俳優業のかたわら、安養映画芸術学校([[京畿道]][[安養市]])の校長として後進を養成する立場となった<ref name="1kodama16">[[#こだま上|崔・申『闇からの谺(上)』(1989)pp.16-29]]</ref>。
彼女が[[不妊症]]と診断された後、夫妻は正均(ジョンギュン)とミョンキムという男女2人の子どもを[[養子]]にむかえ、赤ん坊のころから育てた<ref name="1kodama16" />。▼
=== 拉致と北朝鮮での日々 ===
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}}
拉致された後の彼女は、[[金正日]]の[[別荘]]に連れて行かれ、夕食やパーティによく付き合わされた<ref name="megumi174">[[#安MOOK|『横田めぐみは生きている』(2003)pp.174-176]]</ref>。金正日は[[コニャック]]をことのほか好んでおり、いつも[[ヘネシー (コニャック)|ヘネシー]]を飲んでいたという<ref name="megumi174" />。彼女を拉致した理由は、北朝鮮の映画や芸術の向上に力を貸してほしいというものであった<ref name="megumi174" />。ある日、崔銀姫は劇場で数人の男性に引き合わされた<ref name="megumi174" />。それは、崔の拉致を指揮した労働党調査部副部長の[[任浩君]]、労働党連絡部長の[[李完基]]、それから拉致実行犯の[[北朝鮮工作員|工作員]]3名であった<ref name="megumi174" />。崔はあまりの恐怖に作り笑いをして応えるよりほかなかった<ref name="megumi174" />。金正日は、崔銀姫がどんな反応をするのかを心ゆくまで楽しんでいたのである<ref name="megumi174" />。
彼女の拉致後、彼女の捜索活動にあたっていた申相玉もまた、同じ年の7月、北朝鮮工作員によって拉致された<ref name=":0" /><ref name="1kodama139">[[#こだま上|崔・申『闇からの谺(上)』(1989)pp.139-145]]</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.newsen.com/news_view.php?uid=201308121038183210|title=배우 최은희 '외도로 이혼한 신상옥 납북 후 용서했다'|last=Kim|first=Chanmi|date=2013-08-12|work=Newsen|access-date=2018-04-17|language=ko|trans-title=Actress Choi Eun-hee: 'I Forgave Shin Sang-ok For His Affair and Divorce After He Was Kidnapped by North Korea}}</ref>。申相玉を拉致したのは、崔を拉致した実行犯と同じ3人であった<ref name="megumi174" /><ref name="2kodama69" />。申相玉はのちに、日本で同時期に拉致犯罪を繰り返していたのは間違いなくこの3人だと発言している<ref name="megumi174" />。崔銀姫と申相玉の2人はしかし、[[1983年]]3月まで対面することなく北朝鮮で別々に暮らした<ref name="2kodama58">[[#こだま下|崔・申『闇からの谺(下)』(1989)pp.58-60]]</ref>。
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[[2015年]]、映画プロデューサーで文筆家のポール・フィッシャーは、崔銀姫と申相玉の生涯を[[英語]]でつづった『金正日プロダクション:誘拐された映画制作者の驚くべき実話(''A Kim Jong-Il Production: The Extraordinary True Story of a Kidnapped Filmmaker'')』と題する[[伝記]]を発表した<ref>{{Cite news|url=https://www.washingtonpost.com/opinions/book-review-a-kim-jong-il-producton-on-filmmaking-under-duress-by-paul-fischer/2015/01/30/9321ac04-9b41-11e4-a7ee-526210d665b4_story.html|title=Kidnapped to make films for North Korea|last=Martin|first=Bradley K.|date=2015-01-30|work=Washington Post|access-date=2018-04-17|language=en-US|issn=0190-8286}}</ref>。
[[2016年]]1月、[[ユタ州]][[サンダンス・リゾート]]で開かれた{{仮リンク|サンダンス映画祭2016|en|2016 Sundance Film Festival}}のワールド・ドキュメンタリー・コンペティション部門では、[[イギリス]]のロバート・キャナンとロス・アダムスの共同制作による『{{仮リンク|愛する人たちと暴君|en|The Lovers and the Despot}}(''The Lovers and the Despot'')』と題する北朝鮮での苦難を描いたドキュメンタリーが放映された<ref>{{Cite news|url=http://www.koreatimes.co.kr/www/nation/2018/04/121_247380.html|title=South Korean actress once kidnapped to North dies at 92|last=Park|first=Jin-hai|date=2018-04-16|work=The Korea Times|access-date=2018-04-17|language=en}}</ref>。本作は、第66回[[ベルリン国際映画祭]]にも出品されている<ref name="eurospace">{{Cite web
</ref>。日本でも2016年9月、『将軍様、あなたのために映画を撮ります』の題名で公開された<ref name="huffpo20160904" /><ref name="eurospace" />。
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|1960 ||『{{仮リンク|最後の日まで|en|To the Last Day}}』(''To the Last Day'') || || <ref name=":4"/>
|-
| rowspan="
|『成春香』([[:ko:성춘향 (1961년 영화)|성춘향]])
|
|<ref>{{IMDb title|0390466|성춘향}}</ref>
|-
|『常緑樹』(''Evergreen Tree'')
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== 受賞歴 ==
▲[[ファイル:A Flower in Hell poster.jpg|180px|right|thumb|『地獄花』ポスター]]
=== {{仮リンク|釜日映画賞|en|Buil Film Awards}} ===
{| class="wikitable" style="text-align: center; width: 60%;"
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== 著書 ==
* 崔銀姫・[[申相玉]]『조국은 저 하늘 저 멀리 (祖国はあの空遠く)』(1988年1月、米国で自費出版<ref name="1kodama3">[[#こだま上|崔・申『闇からの谺(上)』(1989)pp.3-5]]</ref>)
** 崔銀姫・申相玉『金正日왕국(金正日王国)』(韓国語。1988年4月、[[東亜日報|東亜日報社]]発行。韓国当局の検閲により約150ページを削除<ref name="1kodama3" />。)
** 崔銀姫・申相玉『闇からの谺(こだま)』(日本語。[[池田菊敏]]翻訳。1988年5月。ペン・エンタープライズ発行、[[池田書店]]発売。『金正日王国』の削除部分を再現、『祖国はあの空遠く』の完訳<ref name="1kodama3" />)
*** (文庫版){{Cite book|和書|author=崔銀姫・申相玉|year=1989|month=3|origyear=1988|title=闇からの谺 - 北朝鮮の内幕(上)|publisher=[[文藝春秋]]|series=[[文春文庫]]|isbn=4-16-716202-4}}
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{{北朝鮮による拉致問題}}
{{大鐘賞 女優主演賞}}
{{デフォルトソート:ちえ うに}}
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[[Category:2018年没]]
[[Category:韓国の女優]]
[[Category:拉北者]]
[[Category:韓国のカトリック教会の信者]]
[[Category:
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