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[[ファイル:Tenji-osake.jpg|thumb|[[日本]]の[[缶]][[チューハイ]]に記された点字「[[お酒|おさけ]]」]]▼
'''点字'''(てんじ)とは、[[指]]先の[[皮膚感覚|触覚]]により読み取ることで、[[視覚障害
▲[[ファイル:Tenji-osake.jpg|thumb|缶チューハイに記された点字「おさけ」]]
▲'''点字'''(てんじ)とは、[[指]]先の[[皮膚感覚|触覚]]により読み取る[[視覚障害者]]などの人用の文字である<ref>{{Cite book|和書|title=新明解国語辞典|date=2001年3月1日|publisher=三省堂|ref=|edition=第5版|isbn=4-385-13104-X}}</ref>。
==概説==
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平面から盛り上がった部分(点)によって文字・数字を表現する。通常用いられる点字は横2×縦3の6つの点で表されたブライユ (Braille) 式点字が用いられ、考案者[[ルイ・ブライユ]]の名前から、多くの国でブライユ(英語での発音はブレイル)は「点字」をさす言葉として使われている。
近年、[[バリアフリー]]、あるいは[[ユニバーサルデザイン]]の一環として点字の併記が行われるようになり、代表的なものとしては、缶入り[[ビール]]などの[[酒|アルコール飲料]]に「お
[[パーソナルコンピュータ]]の周辺機器として、[[プリンター#点字プリンター|点字プリンター]]や[[点字ディスプレイ]]といった[[#機器|点字用機器]]で、点字を表現するものがある。
[[日本]]の[[著作権法]]第37条では、公表された著作物であれば著作権存続期間中であっても、その著作物の点字による複製(点字に翻訳)は可能であると定められている<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=著作権問題の今 {{!}} 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合|url=http://nichimou.org/impaired-vision/barrier-free-environment/copyright-issue/|website=nichimou.org|accessdate=2020-05-02}}</ref>。
点字に対して、[[晴眼者|目の見える人]]が使う文字を[[墨字]]と呼ぶ。
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== 点字の歴史 ==
[[ファイル:Braille.jpg|thumb|[[ルイ・ブライユ]]]]
[[ファイル:TThe monument of Tokyo blind and mute School.JPG|thumb|200px|「[[日本]]点字制定の地」の[[碑]]([[東京都]][[中央区 (東京都)|中央区]][[築地]]四丁目 市場橋公園内)]]
* [[1670年]] イタリアの[[フランチェスコ・ラナ・デ・テルツィ]]が点と線の組み合わせで[[アルファベット]]を表す記法を考案<ref>{{Cite web|和書|title=点字の歴史(誕生編)|「点字とはなんぞや?」というお話 番外編 – tech4all|url=https://www.ttools.co.jp/tech4all/%e7%82%b9%e5%ad%97%e3%81%ae%e6%ad%b4%e5%8f%b2%ef%bc%88%e8%aa%95%e7%94%9f%e7%b7%a8%ef%bc%89%ef%bd%9c%e3%80%8c%e7%82%b9%e5%ad%97%e3%81%a8%e3%81%af%e3%81%aa%e3%82%93%e3%81%9e%e3%82%84%ef%bc%9f%e3%80%8d/|accessdate=2020-05-02|language=ja}}</ref>。
* [[1819年]] シャルル・バルビエ・ド・ラ・セールが、アルファベットを12の点の配列で表す軍用の「夜の文字」を考案し、[[フランス学士院]]・[[パリ大学]]・[[パリ盲学校]]に提出<ref name=history/>。
* [[1821年]] バルビエの点字がパリ盲学校で採用される<ref name=history/>。
* [[1825年]] [[ルイ・ブライユ]]が6点式点字を開発。アルファベット、アクセント符号、句読符号、数学符号などを表す63の組み合わせを完成させる<ref name="kokyo">{{Cite book|和書|title=愛の点字交響楽|date=1988
* [[1854年]] ブライユ式点字がパリ盲学校で正式に採用される<ref name="kokyo"/>。
* [[1890年]] [[石川倉次]]の考案した[[日本語の点字|日本語の6点式点字]]が、[[東京盲唖学校]]で採用される<ref name=":0" /><ref>{{Cite book|和書 |title=新装版 点字・点訳基本入門 |year=2011
* [[1901年]] 日本式点字が[[官報]]に公表される。
* [[1922年]] 大阪毎日新聞社(現 : [[毎日新聞社]])が「点字大阪毎日」(現 : [[点字毎日]])を発刊する。商業新聞としては[[日本]]唯一の[[点字新聞]]として現在も発行中である<ref name=mainichi>{{Cite web|和書|url=https://www.mainichi.co.jp/co-act/tenji.html|title=点字毎日 {{!}} 毎日新聞社|accessdate=2019
* [[1926年]] 点字による[[衆議院]]選挙の[[投票]]が改正[[衆議院議員選挙法]]([[普通選挙法]])施行令の公布により認められる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kwansei.ac.jp/s_hws/attached/0000080395.pdf|title=中村京太郎と点字投票運動―『点字大阪毎日』の論説と記事を通して―|accessdate=2019
* [[1940年]] 日本盲人図書館(現 : [[日本点字図書館]])が開設される<ref name=history>{{Cite book|和書|title=盲人福祉事業の歴史|date=1998
* [[1949年]] [[同志社大学]]が日本で初めて点字による受験を認める<ref>{{Cite web|和書|title=同志社大学学生支援センター障がい学生支援室|url=https://challenged.doshisha.ac.jp/about/outline.html|website=challenged.doshisha.ac.jp|accessdate=2020-05-02}}</ref>。
* [[1966年]] 点字表記法の制定機関として「日本点字委員会」が発足。
* [[1975年]][[1月20日]] [[日本共産党]]中央委員会が点字の[[機関紙]]「[[しんぶん赤旗#点字しんぶん赤旗|点字『赤旗』]]」を創刊<ref name=jcp>{{Cite web|和書|url=
* [[2016年]] [[個人番号カード]](マイナンバーカード)の交付希望者に対して、希望者のみ点字が付記される。
== 英語の点字 ==
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== 日本語の点字 ==
=== 日本語の点字構成 ===
ここでは、一般に使われている6点式点字を、以下に紹介する<ref name="kokyo"/><ref name=hyoki>{{Cite book|title=日本点字表記法概説|date=1982
[[ファイル:Brailleschrift 06 KMJ.svg|90px|説明の凡例図]]<br />
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==== アルファベット ====
アルファベットは以下を用いるが、これはかな文字等と重複しているため、外字符や外字引用符を置くことで表す。なお、Wだけが規則的な位置にないのは、ブライユ点字が考案された時点では、点字は[[フランス語]]でほとんど用いられないWを除いた(wは後で、ルイ・ブライユが作った)25文字だけだったからである<ref name="kokyo"/>
{| class="wikitable"
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== 指点字 ==
[[盲ろう者]]のコミュニケーション手段の一つとして、両手の人差し指・中指・薬指、計6本の指を点字の6つの点に見立てて指で点字を打つことにより意思を伝達する指点字と呼ばれる方法がある<ref>{{Cite web|和書|title=指点字|url=http://www3.nit.ac.jp/~yoshioka/tenji/yubi.html|website=www3.nit.ac.jp|accessdate=2020-05-02|publisher=}}</ref>。指点字は、[[1981年]]に福島令子が考案<ref>{{Cite web|和書|title=asahi.com:「また失恋」友の指点字 - ニッポン人脈記|url=
指点字は点字の規則に準じているが、会話用にカスタマイズされている。
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{{main|視覚障害者誘導用ブロック}}
点字ブロックが最初に設置されたのは日本である。[[1965年]](昭和40年)に[[三宅精一]]が考案し、[[1967年]]([[昭和]]42年)3月18日に現在の[[岡山県]][[岡山市]][[中区 (岡山市)|中区]]の[[国道250号線]]原尾島交差点に整備されたのが始まりとなっている<ref name="nichimou">{{Cite web
点字ブロックには2種類あり、進行方向を示す直線上の誘導ブロック(線状ブロック)と、危険箇所や誘導対象施設等の位置を示す点状の警告ブロック(点状ブロック)とがある<ref name="nichimou" />。
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== 機器 ==
=== 点字器 ===
点字器とは点字用紙を板に固定し、重ねておかれた点字定規に点筆を当てて、紙の裏から点字を打ち込むものである<ref name=hyoki/>。点字はタイプライターやデジタル機器の普及以前は「点字器」を使って「手書き」するのが一般的であった。現在でも機器自体が安価{{Refnest|group=注釈|一例 : 音声点字タイプライター BraiTalker アドバンス 本体・専用液晶表示器(株式会社ラビット製造)希望小売価格合わせて79,800円<ref>{{Cite web|和書|url=https://rabbit-tokyo.co.jp/braitalker|title=音声点字タイプライター BraiTalker アドバンス {{!}} 株式会社ラビット|accessdate=2019
{{中央|<gallery widths="150px" heights="120px">
Pauta American braille press.jpg|点字器
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=== 点字PDA ===
6点入力ボタン、点字モニター、[[無線LAN]]接続、[[ユニバーサル・シリアル・バス|USB]]接続、[[Bluetooth]]などを装備する点字[[携帯情報端末|PDA]]が開発実用化されている。これによって、メモを保存したり、メモリーに保存した原稿をもとに講演したり、[[グローバル・ポジショニング・システム|GPS]]受信機を用いたナビゲーションに用いるなどの実験が実施されている。
=== 点字ディスプレイ ===
[[画像:Refreshable Braille display.jpg|thumb|right|[[ドイツ]]の8点点字対応の点字[[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]]]
{{see|点字ディスプレイ}}
== 作品にみられる点字 ==
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** [[ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア]]([[ニンテンドー3DS]])
: ゲーム作品世界の中では「古代文字」として扱われている。[[日本点字図書館]]監修のもと、点字表がパッケージに同封または公式サイトに掲載されており<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pokemon.co.jp/ex/oras/feature/40.html|title=ゲームで使う点字表をチェック!|accessdate=2019
: この点字は画面上のものであり、実際の点字のように視覚障害者に向けての役割は果たさないが、点字の成り立ちと「点字を通してゲーム内での発見を現実世界での発見に繋げて欲しい」という旨の作り手の願いがつづられている。
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* [[点字図書]]
* [[点字図書館]]
* [[大活字本]]
* [[録音図書]]
* [[
* [[レーズライター]]
* [[SPコード]]
* [[オーデコ]] - 点字を読むのと同じように、額の触覚を使って目の前の情景を認識する歩行補助器
* [[スクリーンリーダー]]
* [[
* [[生活保護]] - [[生活扶助]] - [[障害者加算]]:点字新聞の購入代等の補填を想定している
== 外部リンク ==
{{Commonscat|Braille}}
{{Wiktionary|点字}}
* [http://www.braille.jp/ 日本点字委員会]
* [
{{Normdaten}}
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[[Category:設計]]
[[Category:デザイン]]
[[Category:フランスの発明]]
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