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{{Otheruses|昆虫のノミ|工具のノミ|鑿|公営競技等における不正行為|ノミ屋|その他のノミ|のみ}}
{{出典の明記|date=2019年5月}}
{{生物分類表
| 名称 = ノミ目(隠翅目)
| 画像 = [[Image:
| 画像キャプション = [[ヒトノミ]]
|省略 = 昆虫綱
| 目 = '''ノミ目(隠翅目)''' [[:en:Siphonaptera|Siphonaptera]]
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* ナガノミ科
}}
'''ノミ'''('''蚤''')とは、[[節足動物]]門[[昆虫類|昆虫]]綱'''ノミ目'''(隠翅目)に属する昆虫の総称。[[シラミ]]とともに、代表的な外部寄生昆虫に数えられる。
== 概要 ==
体長は1mm以下~9mm程度の小さな虫で、
系統的には[[シリアゲムシ目]]に近縁とされ、DNAを用いた系統解析からは[[ユキシリアゲムシ科]]と最も近縁で、ノミ目とユキシリアゲムシ科を合わせた群に南半球固有のシリアゲムシ類であるNannochoristidae科を加えた系統が、他のシリアゲムシ目諸科の姉妹群になるとの研究がある<ref>[http://lifesciences.byu.edu/home/FacStaff/default.aspx?ID=84 Whiting, Michael F.](2002). Mecoptera is paraphyletic: multiple genes and phylogeny of Mecoptera and Siphonaptera. ''Zoologica Scripta'' '''31''' (1), pp.93-104. [http://www.ingentaconnect.com/content/bsc/zsc/2002/00000031/00000001/art00010]</ref>。これによると、ノミ目は従来のシリアゲムシ目のうち、寄生生活に特化した一群であり、ノミ類のみを独立の目として扱うのは不都合ということになる。また、ノミ目自体は単系統の一群と見なされるが、旧来の諸科は人為分類的な多系統群や側系統群であり、見直しが必要とされる。▼
=== 由来 ===
日本語名の「'''ノミ'''」は、人間の血を飲むことから「飲む」の訛り、または、よく跳ぶことから「跳び」の訛りといわれる。漢字の「'''蚤'''」は、「掻きたくなる痒い虫」という意味。学名の"'''Siphonaptera'''"は、「[[サイフォン]](siphon)」と「翅がない(aptera)」からで、口がサイフォンに似ていることと成虫になっても翅がないことによる。
=== 系統分類 ===
▲系統的には[[シリアゲムシ目]]に近縁とされ、DNAを用いた系統解析からは[[ユキシリアゲムシ科]]と最も近縁で、ノミ目とユキシリアゲムシ科を合わせた群に南半球固有のシリアゲムシ類であるNannochoristidae科を加えた系統が、他のシリアゲムシ目諸科の姉妹群になるとの研究がある<ref>
=== 形態 ===
成虫は、左右に扁平な体型で、宿主の体毛の中を動きやすいように流線型の体をしている。これは同じ外部寄生性の[[シラミ]]や[[ハジラミ]]が背腹に扁平なのと好対照をなす。体長は1mm~9mmで、体色は褐色または黒褐色で、かたい体表に感覚毛をもつ。[[単眼]]はなく、複眼のみ。体長はメスの方が大き
口器は細長い口吻を有し、吸血に適した針のような形をしている。体毛の中では移動の妨げになる[[昆虫の翅|翅]]が退化したため、飛行能力はない。それに代わって、発達した後脚とそれに裏打ちされた非常に高い脚力を持ち、体長の60倍の高さ、100倍の距離の跳躍をすることが
=== 習性 ===
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=== 生活史 ===
[[Image:Pulex irritans.Emberbolha.jpg|right|220px|thumb|ヒトノミの成虫・卵・幼虫・蛹]]
ノミは、
==== 卵 ====
楕円形の粘着性のない卵で、動物の巣や地上に落下。湿度が低いと孵化できずに死んでしまう。
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==== 成虫 ====
成虫は寄主に寄生してから、
== 病気の媒介としてのノミ ==
しばしば、ノミは系統の離れた寄主に容易に移行することが多いため、宿主範囲は広範である。通常、1種の寄主に数種のノミが寄生するため、[[ペスト]]をはじめとする人畜共通の[[伝染病]]の媒介者としても悪名高い。また、旧日本軍の[[731部隊]]はこの性質を兵器に利用した。
== ノミとシラミの相違点 ==
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== ノミと文化 ==
[[ファイル:Bartolomé Esteban Murillo - The Young Beggar.JPG|thumb|[[バルトロメ・エステバン・ムリーリョ|ムリーリョ]]『物乞いの少年』/[[スペイン]]は[[セビリア]]の[[画家]]による1645-1650年頃の[[油彩画]]。別名『蚤をとる少年』]]
=== 「蚤」の付く言葉 ===
==== 蚤のサーカス ====
{{Main|
ノミは、無脊椎動物で唯一の芸をする動物でもある。20世紀初頭までは実際に
実際にはノミを使わない、[[パントマイム]]的な舞台芸としてのノミのサーカスもある。[[
==== 蚤の市 ====
{{Main|蚤の市}}
[[ヨーロッパ]]の大都市の各地で春から夏にかけて、教会や市庁舎前の広場などで開かれる古物市。もともと、ノミのわいたような[[古着]]が主な商品として扱われていたことに由来するとか、ノミのようにどこからともなく人や物がわき出てくる様子を表現したなど言われているが、語源は定かではない。一般的には英訳して「'''フリーマーケット'''」と呼ばれている。
==== 蚤取菊 ====
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* 蚤取りまなこ
* 蚤の皮をはぐ
* 蚤にも食わさぬ
* 蚤の小便、蚊の涙
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=== 楽曲 ===
[[ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ|ゲーテ]]作「[[ファウスト (ゲーテ)|ファウスト]]」の劇中歌に登場する。[[メフィストフェレス]]は、王様に寵愛されたノミにまつわる歌を歌い、権力者に媚びへつらう姿勢をファウストの取り巻きに見立てて揶揄する。何人かの作曲家によって曲がつけられているが、特に、[[モデスト・ムソルグスキー|ムソルグスキー]]の[[蚤の歌 (ムソルグスキー)|それ]]がよく知られる。曲中に笑い声が取り入れられているのでも有名。
また「Yankee Doodle」の日本語詞「アルプス一万尺」の第2節でも「ノミが富士山に登る夢を見た」という内容の歌詞になっている。
日本では「[[猫踏んじゃった]]」という曲名で知られる楽曲はドイツ、ベルギーでは「ノミのワルツ」、オランダ、ルクセンブルクでは「ノミのマーチ」という曲名である。
ドイツで人気を博した3人組バンド、[[フリッパーズ]]の代表曲に「僕の心の小さなノミ(Der kleine Floh in meinem Herzen)」という曲がある。また、この曲ではイントロ、間奏、アウトロに「ノミのワルツ」のメロディーが引用されている。
ジャズのビッグバンド
カウントベイシー楽団が
「マジックフリー」Magic flea
というアップテンポな曲を出している。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
== 参考文献 ==▼
{{参照方法|date=2024年8月|section=1}}
{{Refbegin}}
* {{Cite book|和書|author=石川良輔
* {{cite encyclopedia |editor=[[日高敏隆]]監修、石井実・大谷剛・常喜豊編
{{Refend}}
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Siphonaptera
{{wikispecies|Siphonaptera}}
* [[ダニ]]
* [[シラミ]]
* [[トコジラミ]]
* [[レシリン]](ノミの体を構成する高分子)
* [[チュパカブラ]] ノミのようにジャンプして家畜などの血を吸うUMA。
==
*{{Kotobank|2=日本大百科全書(ニッポニカ)}}
*{{Kotobank|ノミ(蚤)|世界大百科事典 第2版}}
▲== 参考文献 ==
▲* 石川良輔 『昆虫の誕生 - 一千万種への進化と分化』 [[中央公論社]]〈中公新書〉、1996年、ISBN 4-12-101327-1。
▲* [[日高敏隆]]監修、石井実・大谷剛・常喜豊編 『日本動物大百科第9巻 昆虫2』 [[平凡社]]、1997年、ISBN 4-582-54559-9。
{{昆虫}}
{{Normdaten}}
{{Animal-stub}}▼
{{DEFAULTSORT:のみ}}
▲{{Animal-stub}}
▲[[Category:昆虫]]
[[Category:寄生虫]]
[[Category:吸血]]
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