「S.T.A.R.S.」の版間の差分

'''S.T.A.R.S.'''（スターズ）は、[[カプコン]]のゲーム『[[バイオハザードシリーズ]]』に登場する架空の警察系[[特殊部隊]]。'''Special Tactics And Rescue Service'''（特殊戦術および救助部隊）の略称<ref name="archivesarchives_p304">『biohazard archives』株式会社カプコン、ISBN 4906582311、304頁</ref>である。

[[機動隊|ラクーンシティ]]の選抜警官隊（現実世界の[[機動隊]]に相当）とは別に、R.P.D.（[[ラクーンシティ]]警察署）内に設置されている特殊班。ラクーンシティ市内において増加傾向にあった都市型[[テロリズム|テロ]]や多様化していく[[組織犯罪]]、そのほかの緊急事態に対処するため<ref name=archives />{{R|archives_p304}}、「明るいラクーン21計画」<ref>{{efn|ラクーンシティの治安強化と環境整備を目的に、アンブレラがメインスポンサーを務めた一大プロジェクト。</ref>}}の一環として1996年に創設され、本部オフィスは署内の2階に存在する。また、署の管轄下に位置する一方で指揮系統からは半ば独立しており、独自に活動が可能であるなど、特殊な組織体制を持っている<ref name=archives />{{R|archives_p304}}。

1998年7月に発生した「[[バイオハザード (ゲーム)|洋館事件]]」で多数の隊員が死亡すると共に、同事件後の元凶である[[アンブレラ (バイオハザードシリーズ)|アンブレラ]]社の手駒だった[[バイオハザードシリーズの登場人物#ブライアン・アイアンズ|ブライアン・アイアンズ]]署長による妨害工作や選抜警官隊の強化で新たによる[[SWAT]]の結成などが試みられたことでにより、組織としてはかなりの弱体化を図られていた。その後、[[アメリカ合衆国連邦政府|アメリカ合衆国政府]]によるラクーンシティへの崩壊ミサイル攻撃によりってR.P.D.自体がも消滅することとなるが、S.T.A.R.S.の生存者はラクーンシティの崩壊後も反[[アンブレラ (バイオハザードシリーズ)|アンブレラ]]を誓って活動を続け、アンブレラの壊滅後はも対バイオテロ組織「B.S.A.A.[[バイオハザードシリーズ#BSAA|BSAA]]」にて、それぞれ各々が異なる形でバイオテロや生物兵器との戦いを続けている。

部隊編制の基本は56名で1チームとする56マンセルであり、隊員は各チーム内において以下のポジションに振り分けられ、作戦行動を行う。1998年7月時点で'''アルファチーム'''と'''ブラヴォーチーム'''の2チームが存在し、12名が在籍していた。

: 戦術的な作戦決定を行うチームの指揮官で、総隊長と副隊長がそれぞれアルファチーム、ブラヴォーチームのリーダーを担当している。

: [[偵察]]や陣地確保など最前線での活動を主任務とするため、最も戦闘能力の高い隊員が配置され担当する。

: [[ヘリコプター]]の操縦や警護、後方警戒が主な任務で、状況によっては[[狙撃手]]を担当する。また、各チームにはこのポジションの隊員が2名所属している。

隊員の徴集は、他薦によるスカウト<ref name=archives />{{R|archives_p304}}と自薦による選抜試験<ref>『バイオハザード アウトブレイク ファイル2 完全攻略ガイド』双葉社、ISBN 4575164283、4頁</ref>のいずれかで行われる。ただし、洋館事件からラクーンシティ崩壊に至るまでは前者により徴集された隊員しか存在しなかった。また、S.T.A.R.S.は実力主義下で官民混成の部署となっており、隊員は[[警察官]]や元[[軍人]]のみならず、民間人からも特定分野の専門家がスカウトされている。

リメイクシリーズでの変更点も含め、各人物の詳細は[[バイオハザードシリーズの登場人物]]を参照。年齢は「洋館事件」当時（1998年時点）のもの。

: 38歳。S.T.A.R.S.総隊長。[[生物工学]]に詳精通しく、陸軍[[技術将校]]、アンブレラ幹部社員を経た後、アンブレラの推薦により隊長に就任したが、洋館事件後は離反した。

: 25歳。[[アメリカ空軍|空軍]]に所属していた経験を持ち、[[戦闘機]]や[[ヘリコプター]]など航空機の操縦、射撃に関しても高い技術を持っている。
: 洋館事件から生還した後は対アンブレラ特殊私設対バイオハザード部隊の一員を経て、B.S.A.A.BSAA北米支部でSOAのエージェントを務めた後にSOUに異動となり、アルファチームの隊長として活動している。

: 38歳。火器の補充と整備を担当でしており、元空軍兵および元[[SWAT]]隊員である。
: 洋館事件から生存した後、ラクーンシティ壊滅事件にて滅菌作戦直前のラクーンシティに民間のヘリコプターで駆けつけ、ジル・バレンタインやU.B.C.S.隊員の[[カルロス・オリヴェイラ]]と共に脱出した。その後、『[[バイオハザード リベレーションズ2|RV2]]』ではB.S.A.A.BSAAのアドバイザーとして活動している。

: 23歳。[[罠|トラップ]]・[[爆発物処理班|爆発物処理]]要員で、若くして[[デルタフォース]]訓練課程を修了済み。ラクーンシティから脱出した後はB.S.A.A.に所属し、クリスと共に活動している。

: 41歳。S.T.A.R.S.副隊長。洋館事件で事件の真相と裏切り者の存在を知り、アルファチームの隊員に伝えようと奔走するが、ウェスカーによって射殺された。

: 45歳。チーム最年長の黒人。化学防護要員であり、化学博士号を所持している。洋館事件にてアルファチーム到着直前後にゾンビに襲われて死亡。チーム最年長の黒人。

: 23歳。通信要員。洋館事件ではレベッカと共に洋館に到着するも、襲われたヨーンの毒に冒され、解毒剤の投与によって一命を取り留めたが、その後、アクリス編ではクリスを、ジル編ではジルファチーム隊員を庇って巨大B.O.W前者ではネプチューンに、後者ではヨーンに食い殺された。

: 26歳。ヘリコプターのメインパイロット。洋館事件でエンジントラブルによりヘリコプターが墜落したうえ、黄道特急調査中にゾンビ、もしくはケルベロスと思われる存在に襲われ、レベッカの前で絶命した後、ゾンビ化する。

: 18歳。衛生要員で化学・薬品に関して豊富な知識を持ち、飛び級により大学を卒業した期待の新人。
: ブラヴォーチーム唯一の生還者であり、洋館事件から生還した後、『[[バイはオハザード: ヴェンデッタ|VD]]』ストラリアでは大学教授のを務める傍ら、B.S.A.A.BSAAのアドバイザーとして活動している。

: 40歳。ラクーンシティのガンショップ「ケンド銃砲店」の店主で、ジョウ・ケンドの弟。S.T.A.R.S.隊員、特にバリーとは親交が深く、彼に注文されて「サムライエッジ・バリー・バートンモデル」をはじめとした特注モデルの銃を製造・納入していたが、『2』ではゾンビに襲われて死亡している。『RE:2』のグラフィックのモデルは、お笑い芸人の[[ケンドーコバヤシ]]。製作陣にいた彼の猛烈なファンが、ケンドーコバヤシに似せてキャラクターを作った。しかし、彼自身はそのモデルになっていたことを知らなかった。

: [[ベレッタ 92#ベースモデル|ベレッタ 92F]]のカスタムモデル、'''[[サムライエッジ]]'''を制式拳銃として採用しており、一部の隊員は各々の任務や嗜好に合わせ、さらなる改造カスタムが施された専用モデルを使用している。また、私物ではあるが洋館事件ではバリーが.44[[口径]][[コルト・キングコブラ#コルト・アナコンダ|コルト・アナコンダ]]を携行しており、洋館事件以降は対B.O.W.用に[[デザートイーグル]]や[[S&W M29|S&W M629]]などの大型拳銃を調達している。

: 洋館事件でフォレストが携行しており、後にピストルグリップを備えた[[M79 グレネードランチャー]]、当時の[[ヘッケラー&コッホ|H&K]]社製の[[プロトタイプ|試作品[[XM25 IAWS]]、[[M320 グレネードランチャー|XM320]]、[[H&K GMW]]などを調達している。

: [[バーネット]]{{要曖昧さ回避|date=2023年9月}}社製の[[クロスボウ|ピストルクロスボウ]]がS.T.A.R.S.オフィス内のガンロッカーに保管されている。

上記のほか、専用の[[通信]]機器や[[ヘリコプター]]、[[:en:SWAT_vehicle|防弾車]]、[[M20装甲車]]を保有している。

S.D.ペリー執筆の小説版や[[ミラ・ジョヴォヴィッチ]]主演の映画版では、隊員の人数、組織の性格、設定が大きく異なる。

小説版ではニューヨークに本部を拠点置く民間の警察機関として設定されており、アメリカ合衆国内の各地の警察に併支部を設され置して活動している特殊警察機関という設定ほか、国外でも中東や南米で[[対テロ作戦]]に従事するなど組織としてかなりの規模を有しており、R.P.D.SF作品などに見られる近未来の[[民間軍事会社]]に近い存在となっている。ラクーンシティにも1996年以前から支部が存在しており、ウェスカーの表向きの前職はニューヨーク本部隊員、アイアンズ署長は元ブラヴォーチーム隊員という設定に変更されている。一方、映画版ではジルを除いて物語の中心から外されており、数十人の隊員が在籍する常設的な[[SWAT]]といった組織に過ぎない。