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Leafflower trees
}}
'''カンコノキ属''' (カンコノキぞく、[[学名]]:{{Snamei|Glochidion}} {{small|{{AU|J.R. Forst.}} & {{AU|G. Forst.}}}}) は[[コミカンソウ科]]の分類群。[[木本]]で、[[羽状複葉]]のように並んだ葉の付け根から小さな[[花序]]を着ける。
 
本属は21世紀に入ってから[[コミカンソウ属]]({{Snamei|Phyllanthus}})に統合する動きが見られる(参照: [[#分類]])。
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かつては[[トウダイグサ科]]に含め、現在ではコミカンソウ科に含める。[[コミカンソウ属]]とよく似ているが、コミカンソウ属は高木もあるがほとんどは低木から草本でずっと小柄である。また花には花盤があり、種子には仮種皮がある。
 
しかし[[分子系統学]]的研究論文である {{Harvcoltxt|Kathriarachchi|Samuel|Hoffmann|Mlinarec|2006}} ではカンコノキ属や同じコミカンソウ科の[[オオシマコバンノキ属]]({{Snamei||Breynia}})、{{Snamei|Reverchonia}}属、[[アマメシバ属]]({{Snamei||Sauropus}})は[[コミカンソウ属]]({{Snamei|Phyllanthus}})の派生的な1系統に含まれるという学説が発表され、[[側系統群]]である旧来のオオシマコバンノキ属やカンコノキ属などを依然認め続けたり旧来のコミカンソウ属を20を超える[[系統群|クレード]]に分割したりするぐらいであれば、これらをコミカンソウ属に含めた方がましであろうという見解が示された。[[福島大学]]共生システム理工学類の[[黒沢高秀]]は左記の論文等を受けてカンコノキ属、オオシマコバンノキ属、アマメシバ属をコミカンソウ属に含めることは広く受容されていると判断し、また将来的な『日本の野生植物』([[平凡社]])改訂も見据え、日本産のカンコノキ属やオオシマコバンノキ属植物の分類名をコミカンソウ属下のものとするよう見直し、一部の種に関しては新たな分類名を発表した<ref>{{Harvcoltxt|Kurosawa|2016}}.</ref>。

[[キュー植物園]]の World Checklist of Selected Plant Families の分類に関する見解を受けてまとめられたデータベースである Govaerts (2019) においては依然カンコノキ属はコミカンソウ科の属として認められているが、日本産の種に関しては[[ウラジロカンコノキ]]・[[カンコノキ]]・[[ツシマカンコノキ]]の3種に限り黒沢による新たな分類名が受容、もしくは黒沢と同じく既存のコミカンソウ属に置かれた分類名が受容されている(詳細は[[#代表的な種]]を参照)。なお、[[アマメシバ]](''[[:w:Breynia androgyna|Sauropus androgynus]]'')を含むアマメシバ属は2012年にオオシマコバンノキ属に編入されている
 
== 生態など ==
カンコノキ属は、その花粉媒介を[[ホソガ科]][[ハナホソガ属]]
カンコノキ属は、その花粉媒介を[[ホソガ科]][[ハナホソガ属]] ''{{Snamei||Epicephala''}} の[[ガ]]に依存していることが明らかとなっている。しかも、カンコノキ属の各種は、それぞれ特異的に1種のハナホソガ属の種と絶対送粉[[共生]]関係にある。このガが活動する夜間、カンコノキ属の花は特定の匂いを出し、それを頼りの対応するハナホソガが花に飛来する。このガの[[幼虫]]は種子食で、該当のカンコノキ属の種子を食べる。更にガの雌成虫は幼虫の餌を確保するために、その口吻を用いて雄花では能動的に[[花粉]]を集め、雌花では[[受粉]]させるように振る舞うという。つまりハナホソガは餌をカンコノキのみに依存し、カンコノキはハナホソガだけに受粉を依存する。ガの幼虫は必ず種子の半分以上を食べ残し、これによってカンコノキも種子を残すことが出来る<ref>川北(2010),p.8</ref>。
 
== 代表的な種 ==
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<references group="注" />
 
=== 出典 ===
<references />
 
== 参考文献 ==
{{脚注の不足|date=2023年10月}}
 
英語・日本語:
* {{Cite book|和書|first=E. J . H.|last=コーナー|last2=渡辺|first2=清彦|authorlink1=:en:E. J. H. Corner|authorlink2=渡辺清彦 (植物学者)|title=図説熱帯植物集成|publisher=廣川書店|year=1969|page=354-6|ref=harv}}
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*[[大場秀章]]「トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE」 [[佐竹義輔]]、[[原寛]]、[[亘理俊次]]、[[冨成忠夫]] 編『日本の野生植物 木本I』平凡社、1999年、257-271頁。{{ISBN2|4-582-53504-6}}
* {{Cite book|和書|authorlink=川上瀧彌|last=Kawakami|first=Takiya|year=1910|url=https://books.google.co.jp/books?id=nbdAJGx_CyEC&dq=&hl=ja&source=gbs_navlinks_s A List of Plants of Formosa|title=臺灣植物目錄|location=臺北|publisher=[[台湾総督府民政部|臺灣總督府民政部]]殖産局|page=101|ref=harv}}
* {{Cite report | 1 = 和書 | language = ja | last = 川北 | first = 篤 | authorlink = 川北篤 | year = 2010 | title = 京都大学生態学研究センターニュース | url = https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2390861/www.ecology.kyoto-u.ac.jp/ecology/activities/images/publish_pdf/no0110.pdf | publisher = 京都大学生態学研究センター | format = PDF | chapter = 植物の「本来の姿」をたずねて | page = 8 | volume = No. 110 | ref = harv }}
*川北篤、(2010)、「植物の「本来の姿」をたずねて」:京都大学生態学研究センターニュース、No.110
*[[北村四郎]]・[[村田源]]、『原色日本植物図鑑・木本編 I』、(1971)、保育社
*[[佐竹義輔]]他編著、『日本の野生植物 木本 I』、(1989)、平凡社
*[[初島住彦]] 『琉球植物誌』 沖縄生物教育研究会、1975年、追加・訂正版
* {{Cite book|last=牧野|first=富太郎|authorlink=牧野富太郎|title=牧野日本植物圖鑑|publisher=北隆館|year=1940|page=381|ref=harv}}
 
== 外部リンク ==
{{Commonscat}}
{{Wikispecies|Glochidion}}
 
{{Plant-stub}}
 
{{デフォルトソート:かんこのきそく}}