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形態的分類では、粒状肥料、固形肥料、粉状肥料、液状肥料、ペレット状肥料に分類される<ref name="maff10">{{Cite web|和書|url=https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/gum10.pdf |title=2.肥料の種類と特色 |publisher=農林水産省|accessdate=2020-06-20}}</ref>。粉末で流通し使用者が液状肥料にして用いるものもある(粉末液肥)。
 
液体の肥料は'''液肥'''(えきひ)とよばれ、追肥として使用すると即効性がある一方で、効果が切れるのも早いという特性がある{{sfn|金子美登|2012|p=230}}。特に夏場の実もの野菜には、追肥として2、3日おきに与えてもよい{{sfn|金子美登|2012|p=230}}。
なお、粒状肥料の中でも脱窒などを抑え、遅効性にするため泥団子に混ぜて作られた大粒の物を、特に「団子肥料」と言い。泥炭に化学肥料各種を混ぜた市販品のものから、硫安や尿素を土と混ぜて作った農家が自作したものまで様々なものがある<ref>小学館編『世界原色百科事典 3 しんす-た』小学館、昭和41年、p.600「団子肥料」</ref>。
 
なお、粒状肥料の中でも脱窒などを抑え、遅効性にするため泥団子に混ぜて作られた大粒の物を、特に「団子肥料」とい、泥炭に化学肥料各種を混ぜた市販品のものから、硫安や尿素を土と混ぜて作った農家が自作したものまで様々なものがある<ref>小学館編『世界原色百科事典 3 しんす-た』小学館、昭和41年、p.600「団子肥料」</ref>。
 
=== 生産手段(入手経路)による分類 ===
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このため、有機物の肥料としての有効性も研究されてきた。2002年には、[[独立行政法人]]の[[農業環境技術研究所]]が、植物が根から無機質ではない有機質のタンパク質様窒素を吸収することを証明している<ref name="覆す">「作物の根、有機物を吸収-無機栄養説覆す?」(『日本農業新聞』、2002年7月31日)</ref>。
* 植物性肥料
** [[油粕]] - ナタネから油を搾り取ったあとの粕からつくられていて、「ナタネ粕」ともいう。窒素分が多く、主に葉や草丈を大きくしたいときの追肥に使う{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** [[油粕]]
** [[糠]]
** [[刈敷]]
** [[草木灰]]
*** ただし、草木灰は、植物由来のため有機肥料とする人が多いが、灰であるため無機物が中心である。
** [[緑肥]]
*** 特に [[マメ科]]の植物には窒素を体内に固定する性質があり、これらをすき込んで有機肥料と同様の効果を得られる<ref name="akita" />。
** {{ill2|海藻肥料|en|Seaweed fertiliser}}
** [[腐葉土]] - 広葉樹の落ち葉が堆積して発酵させた用土。苗づくりや堆肥づくりに使われる{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** [[籾殻燻炭]](もみがらくんたん) - もみ殻を炭化させたもの。微細な小さな穴が無数にあり、そこに微生物が棲んで、土中のミネラルやリン酸を作物に与える橋渡し役になる{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** 草木炭 - アルカリ分が強いため、酸性が強い土壌を中和するのに使われる{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
* 動物性肥料
** [[魚粕]]
** [[干鰯]]
** [[堆肥]] - 藁や家畜糞などを混ぜて完熟発酵させたもの。土壌にすき込んで団粒構造の土を作り、水はけや通気性をよくする{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** [[堆肥]]
** 馬糞 - 藁や[[馬]]の家畜糞尿などを混ぜた[[厩肥]]を発酵させたもの。
** 馬糞
** [[牛糞]] - 藁や[[牛]]の家畜糞尿などを混ぜた[[厩肥]]を発酵させたもの。
** [[牛糞]]
** [[厩肥]] - 藁や[[牛]][[馬]]の家畜糞尿などを混ぜたもの。
** [[鶏糞]]
** [[鶏糞]] - [[鶏]]の糞を乾燥させたもの。主に実を大きくさせたいときの追肥に使う{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** [[屎尿|人糞尿]](下肥)
** [[下肥]] - 人間が排泄する糞尿で昔は売買されて発酵させ使われたが、現在は[[環境省令]]で定める方法でなければ肥料として使用してはならないため使用されない。
** 骨粉
** 魚粉・魚骨粉 - [[イワシ]]、[[ニシン]]、[[雑魚]]などから圧搾機で油と水分を抜き、乾燥させて粉砕したもの。ぼかし肥の材料などにも使用する{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** [[肉骨粉]]
** カキ殻 - [[カキ (貝)|カキ]]の殻を高温焼成して粉末状にしたもの。炭酸カルシウム、ミネラル、アミノ酸が含まれ、酸性土を中和する働きがある{{sfn|金子美登|2012|p=232}}。
** [[厩肥]]
* '''ぼかし肥'''('''ボカシ肥''' - ボカシぼかし肥とは、有機肥料を発酵させて肥効をボカシた(穏やかにした)ものをいう。'''ボカシ'''、'''ぼかし肥料'''(ボカシ肥料)ともいう。速効性があり、堆肥の代わりに元肥にしたり追肥として使われる{{sfn|金子美登|2012|p=231}}。原料となる有機肥料は、油カス、[[米糠]]、[[おから]]、もみ殻燻炭、鶏糞、魚カス、骨粉、油カス(ナタネ粕)、山土、炭など多様である{{sfn|金子美登|2012|p=231}}。無機肥料を加えることもある。'''ボカシ'''、'''ボカシ肥料'''ともいう。ボカシ肥には大別して、土を混ぜるもの、混ぜないものの2種類ある。前者は、有機肥料に土(粘土質なものがよい)を混ぜ、50 - 55℃以上に温度が上がらないようにして発酵させる{{efn|通常、堆肥などを発酵させる場合は、もっと高温で70℃以上になることがある{{sfn|金子美登|2012|p=227}}。}}。一方、後者は、有機肥料に水を加えて発酵させたもので市販のボカシ肥はこちらである。
 
==== 無機質肥料(無機肥料) ====
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== 肥料の品質の確保等に関する法律 ==
肥料は、許可された者・登録された物(肥料)しか販売してはならない。過去には[[肥料取締法|肥料の品質の確保等に関する法律]](旧肥料取締法)に違反し、逮捕者・[[書類送検]]者まで出ている。記事によれば、薪灰などの販売でも違反であると示唆されている<ref>[https://web.archive.org/web/20200617124925/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700723&g=soc 肥料をネットで無届け販売 容疑で男女7人書類送検―警視庁] 時事ドットコム(2020年7月13日閲覧)</ref><ref>[https://www.sankei.com/affairs/news/171116/afr1711160025-n1.html 原料虚偽表示で2人逮捕 肥料会社社員、新潟]産経ニュース(2020年7月13日閲覧) </ref>。
 
=== 肥料外の活力剤など ===
活力剤、活性剤、栄養剤などと呼ばれる製品は、微量の肥料成分を含むことがあるが、法律上の基準を満たさず肥料としては扱われない<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sc-engei.co.jp/qa/h_qa/12.html|title=肥料に関するQ&A Q12: 「活力剤」と「肥料」は違うのですか?|publisher=住友化学園芸|accessdate=2020-7-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.rainbow-f.co.jp/usage/hiryou/katsuryoku/|title=活力剤とは|publisher=レインボー薬品|accessdate=2020-7-27}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110317_2.pdf|format=PDF|title=園芸用品の使い方に注意! -除草剤や殺虫剤、肥料や用土などの事故事例に着目して-|publisher=国民生活センター|date=2011-303-17|accessdate=2020-707-27|archiveurl=https://web.archive.org/web/20130222032733/http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110317_2.pdf|archivedate=2013-02-22}}</ref>。これは栽培の補助に用いられる製品であり、肥料の代替とはならない。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
<references group="注釈"/>
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
 
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* {{Cite book|title=Plant nutrition for food security|series=FAO Fertilizer and Plant Nutrition Bulletin 16|publisher=FAO|date=2006|ISBN=92-5-105490-8|url=http://www.fao.org/3/a-a0443e.pdf|ref={{SfnRef|FAO|2006}}}}
* {{Cite book|和書|author =主婦の友社編|title = 野菜まるごと大図鑑|date=2011-02-20|publisher = [[主婦の友社]]|isbn=978-4-07-273608-1|pages =276 - 277|ref=harv}}
* {{Cite book|和書|author =[[金子美登]]|title=有機・無農薬でできる野菜づくり大事典|date=2012-04-01|publisher = [[成美堂出版]]|isbn=978-4-415-30998-9|ref=harv}}
 
== 関連項目 ==
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*[[C/N比]]
*[[焼畑農業]]、[[バイオ炭]]
*[[土壌肥沃度]]、[[土壌改良]](水はけ、保水性)
* {{ill2|生理障害|en|Physiological plant disorder}} ‐ 植物の栄養欠乏症・過剰症
** {{ill2|肥料焼け|en|Fertilizer burn}} ‐ 肥料の与えすぎによる生理障害。
** [[根腐れ]] - 水の与えすぎによる生理障害。
* {{ill2|肥料散布機|en|Manure spreader}}、{{ill2|散粒機|en|Broadcast spreader}} - 肥料を撒く機械
* {{ill2|葉面散布肥料|en|Foliar feeding}}(葉面施肥)
 
== 外部リンク ==