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'''堀江メール問題'''(ほりえメールもんだい)とは、[[2006年]]の日本の[[第164回通常国会]]において、[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]所属の衆議院議員[[永田寿康]]が、[[ライブドア事件]]に絡んで[[堀江貴文]]と[[自由民主党 (日本)|自民党]]幹事長・[[武部勤]]の間に不当な金銭の授受があったと追した政治騒動。当時、粉飾決算事件の渦中にあった元ライブドア社長の堀江が、2005年の衆院選出馬に関連して武部にコンサルタントという名目で多額の金銭を送ったというものであったが、疑惑の証拠とされた堀江によるものとされた[[電子メール]]が[[捏造]]であったことが判明し、永田は議員辞職し、民主党執行部は総退陣に追い込まれた。
 
当初から証拠とされた電子メールの真偽が焦点となったため、メール疑惑、永田メール問題、永田メール事件、ガセメール問題、偽メール問題、ライブドア送金メール騒動など、様々な名称で呼ばれた。
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2005年([[平成]]17年)の[[郵政解散]]に伴う[[第44回衆議院議員総選挙]]において自民党が大勝し、高い支持率を持っていた[[小泉内閣]]であったが、年末には[[構造計算書偽造問題|耐震偽装問題]]、[[BSE問題|米国産牛肉問題]]、[[ライブドア事件]]のいわゆる「三点セット」によって内閣支持率は急落した。第164回通常国会において野党から厳しい追及がされると予想される中、さらに[[防衛施設庁談合事件]]が発覚し、政府は「四点セット」と呼ばれる危機に陥っていた。一方、最大野党の民主党は郵政解散の大敗を受けて、新たに党首となった[[前原誠司]]の下で立て直しを計っており、絶好の機会であった。
 
この中でライブドア事件は、本来は私企業の[[粉飾決算]]事件に過ぎなかったが、ライブドア社長の堀江貴文(当時は既に辞職済み)が有名人、かつ前年に実質的に自民党の候補として衆議院議員総選挙に出馬していたこと、ライブドアの躍進が小泉政権による規制緩和策の恩恵を受けたと見なされたこと、それらによって堀江個人と自民党要人との個人的な関わり合いが、世間の注目を浴びていたことなどが重なっていた。
 
== 騒動の経過 ==
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メール問題の真相究明は懲罰委員会に移り、民主党内部でも疑惑解明や事態収集のために、永田に仲介者の実名を公表するよう圧力がかけられたが、永田は頑なにメール仲介者の実名公表を拒んだ(当初の記者会見では、情報提供者について「名前を出すと[[エイチ・エス証券|エッチエス証券]]の[[野口英昭|野口]]さんみたいにされると本人が恐れているので出せない」とコメントしていた)。
 
永田自身も、この仲介者に騙された被害者という立場を取れる余地があるにもかかわらず拒否したことに、永田と仲介者との間で金銭のやりとりがあったのではないかという疑惑が提示されることとなる。なお、自民党の[[平沢勝栄]]は、民主党が証拠とされる電子メールを公開した当時から、同時期に問題となった電子メールを入手していたと公表し、後に仲介者は雑誌『[[Dumont]]』発行元、[[デュモンマーケティング]]社長の西澤孝だと既に指摘しており、同様に『[[週刊新潮]]』など週刊誌も西澤を挙げていた。
 
3月24日、懲罰委員会において永田は、電子メールの仲介者が西澤であることを公表し、また、自身は彼に騙されたと語った。これを受けて同委員会では4月4日に西澤の[[証人喚問]]を行なうことが決まり、同日に西澤は弁護士を通し、証人喚問を行わないように申し入れを行った(この証人喚問は後述の通り、永田の議員辞職に伴い開催されず)。また、永田は変わらず議員辞職の可能性を否定した。
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一方の民主党も、かねてより期待されていた[[小沢一郎]]が党首となり、それまで経済成長路線だった党の方針を、社会福祉へと転換することで、民主党の支持をつなぎ留めた。4月の[[千葉県第7区]]の[[補欠選挙]]でも勝利を収める。また、武部に対しては多大な迷惑を掛けたとし、直接の謝罪並び、新聞紙面を割いた謝罪を行った<ref>前原誠司「[http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=665 民主党:「メール」問題についてのお詫び]」民主党 WEBサイト、2006年3月2日。謝罪の対象は「国民のみなさま、自民党・武部幹事長と同氏のご次男をはじめ、関係者のみなさま」とある。</ref>。
 
この一件において被害者となった堀江は、2009年3月に、名前が勝手に使われた為自分は被害者であり、しかも民主党は武部には謝罪したにもかかわらず、自分には一切の謝罪がなかったとして<ref>堀江の[[Twitter]]における[httphttps://twitterx.com/takapon_jp/status/4413287756 2009年9月27日の発言]。</ref>、名誉棄損の民事訴訟を東京地方裁判所に提起した。堀江は、永田の国会での発言だけではなく、テレビでの出演などで繰り返し発言していたことや、民主党の執行部である前原や野田の発言も問題視していた。これを受けて、民主党は堀江に「電子メールは事実無根だった」と認める謝罪文を正式に送付し、同時に300万円の和解金を支払う旨の和解案を提示した。このことにより、2009年12月、堀江と民主党との間で[[和解]]が成立した。また堀江は自身のブログで、上記の民主党の謝罪文を公開した<ref>[https://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10421998923.html 「民主党と遂に和解。そして来年の参院選」(2009/12/29 元ライブドア社長 堀江貴文)]</ref>。
 
当事者である永田は、{{要出典|範囲=国政復帰を模索したが、民主党から除籍され、無所属での衆院選出馬などを試みたが適わなかった。親族が経営する会社に入社するも、勤務が長続きせず転々とし、夫人からの離婚調停や略式起訴など、数多くのトラブルに巻き込まれて精神に支障をきたし、精神科病院に入院する|date=2021年11月}}。その後、2009年1月3日に自殺した。
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* 「何か問題があったら」「@堀江」といった隠す必要のない場所が隠されている。さらに糾弾する相手の名前である「武部」も隠している。
* 上記「武部」があったとされる塗りつぶし箇所が1字分の幅しかない。
* 堀江が利用していた[[Eudora]]最新版とは違う形式のメール表示になっている。
* 「シークレット」の「ー」が「―」(ダッシュ)になっている。
* 堀江が送るメールの特徴とされるメール本文の最後尾に表示される堀江のフッター広告が無い。
* 文中に「宮内の指示を仰いで」と、当時の取締役であった[[宮内亮治]]の名前が出ているが、堀江は宮内を社内では「さん付け」で呼んでいた<ref>{{Cite book|和書
|author=大鹿靖明
|authorlink=大鹿靖明
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* この事より永田が堀江メールを信用したのは、西澤を単純に信用したのでなく、紹介を受けた議員と議員秘書を信用していたから堀江メールも疑わなかったのではないか、永田一人の問題でなく、紹介した議員秘書ならび、民主党自体にも問題があったとの考えがメディアから生まれていった。なお、その後、民主党から紹介した議員秘書および議員の氏名は公開されずに終わった。
* [[藤末健三]]はブログ<ref name="fujisue">
{{Cite web|和書
|author=藤末健三
|date=2006-03-06
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== その他 ==
後に民主党の政治資金収支報告書によると、2007年5月28日に上述の永田議員がたった5日間入院した八幡厚生病院(北九州市八幡西区)に対して、政治活動費から1000万円が渉外費と言う名目で1千万円(1日当り2百万円)が支払われた事が判明している。
 
== 脚注 ==