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{{Otheruses|漢字の構成要素である「偏」|人物名のいみなを示す「偏」|諱|その他|wikt:偏}}
{{otheruses||「偏り」(かたより)について、[[統計学]]の意味|偏り|その他|[https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%81%8F%E3%82%8A/ goo辞書「偏り」]<!-- wikt:かたより(まだない 2022.1) -->}}
{{JIS2004}}
'''偏'''(へん)とは、[[漢字]]の構成要素の一つである[[偏旁]]のうち主に左側に置かれるものの総称。[[部首]]として採用された偏は、全ての部首の中で最も種類が多く、偏を部首とする漢字は、全ての漢字の過半数を占める。常用漢字表においても、偏を部首とする漢字が占める割合は過半数である。
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また、成り立ちは[[形声文字]](片方で音、片方で意味を表す漢字)が大半を占め、ほかに[[会意文字]]がある。
 
表記する際は平仮名で書<!---->かれる場合と、漢字を使う場合がある
 
==部首となる偏の種類==
=== 常用漢字数50以上 ===
====さんずい====
:[[水部|さんずい]]。「海」「湖」「沼」など。さんずいへんとも呼ぶが、慣例的にさんずいと呼ぶことが多い。漢字で書くと『三水』であり、三の字に似ていることから名付けられた。形は水の流れを象形化したもの。水に関する地形や水の性質、動態に関する漢字が集められている。大漢和辞典での収載では全部で1700字以上存在し、偏の中では最も字数が多い。また、常用漢字数112であり、これは常用漢字としてはすべての部首で最も多い。変則「準」。除外「酒」→[[酉部]]。
:*常用漢字: 汁 氾 汚 汗 江 池 汎 汽 決 沙 汰 沢 沖 沈 没 沃 泳 沿 河 泣 況 治 沼 注 泥 波 泊 泌 沸 法 泡 油 海 活 洪 浄 津 浅 洗 洞 派 洋 消 浸 浜 浮 浦 浴 流 涙 浪 淫 液 涯 渇 渓 混 済 渋 淑 渉 深 清 淡 添 涼 温 渦 減 湖 港 滋 湿 測 渡 湯 満 湧 湾 滑 漢 源 溝 準 滞 滝 溺 漠 滅 溶 演 漁 漆 漸 漬 滴 漂 漫 漏 潰 潟 潔 潤 潜 潮 澄 激 濁 濃 濯 濫 瀬
:*主な表外字: 汀 汝 汐 汲 沁 沌 沐 沽 泄 沫 洩 洒 洲 浣 浩 浙 涎 涅 浬 涵 涸 淳 渚 淀 淘 淋 渥 湮 淵 渠 渾 湘 渫 湊 湛 溢 滓 溜 滲 漕 漱 漲 漉 漑 溌 澹 澱 澪 濠 濡 濤 瀉 瀑 濾 瀞 瀕 瀝 灌 瀟 瀾 灘 など
 
====にんべん====
: [[人部|にんべん]]。「仁」「休」「個」など。「人」の字から来ており、主に人間や人の動作に関する漢字が集められている。常用漢字数90で、教育漢字がその約半数を占め、教育漢字では上記のさんずいを凌ぎ、最も多い。除外「化」→[[匕部]]。
:*常用漢字: 仁 仏 仕 仙 他 代 付 仮 伎 休 仰 件 仲 伝 任 伐 伏 位 何 佐 作 伺 似 住 伸 体 但 低 伯 伴 依 価 佳 供 使 侍 侮 併 例 係 侯 俊 信 侵 促 俗 便 保 侶 俺 倹 個 候 借 修 値 倒 俳 倍 俵 倣 俸 倫 偽 偶 健 側 停 偵 偏 偉 備 傍 僅 傾 傑 債 催 傷 僧 働 像 僕 僚 億 儀 傲 儒 償 優
:*主な表外漢字: 仇 什 仗 仆 仔 伊 伍 伽 佇 佚 佃 佑 伶 侃 侑 侘 倚 侠 俄 俚 俐 倶 倦 俯 倭 倖 偲 傭 僑 僻 儘 儚 儲 など
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====きへん====
: [[木部 (部首)|きへん]]。「桜」「株」「柱」など。木や植物、木を材質とした道具に関する漢字を集める。常用漢字数61。全ての中では偏の中で「さんずい」に次いで字数が多い。除外「相」→[[目部]]。
:*常用漢字: 札 机 朽 朴 材 杉 村 枝 松 枢 析 杯 板 枚 枕 林 枠 柿 枯 柵 柱 柄 栃 柳 桜 格 核 株 桁 校 根 桟 栓 桃 梅 梗 械 椅 棺 棋 極 検 植 棚 椎 棟 棒 楷 楼 概 構 模 様 横 権 槽 標 機 橋 樹 欄
:*主な表外字: 杖 杣 杜 杭 杵 杷 枇 枷 柑 柩 柘 柊 栂 柏 柾 柚 桓 桂 椛 梳 桐 桔 梱 梓 梢 梯 梃 桶 棍 椒 棲 棹 椋 椀 楯 楔 楕 椿 楠 楓 椰 楢 楊 榎 榊 榛 槙 槍 槌 榧 榜 樫 槻 樟 樋 樺 橘 樽 橙 檜 檎 檄 檀 檻 櫃 櫂 櫛 櫓 欅 など
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====いとへん====
:[[糸部|いとへん]]。「組」「織」「縄」など。織物や糸に関する漢字に使われ、派生的な意味を持つ漢字も多い。常用漢字数54。
 
:*常用漢字: 紀 級 糾 紅 約 紙 純 納 紛 紡 紋 経 紺 細 終 紹 紳 組 絵 給 結 絞 絶 統 絡 継 絹 続 維 綱 緒 総 綻 綿 網 緑 練 縁 緩 縄 線 締 編 緯 縦 緻 縛 縫 縮 績 繊 織 繕 繰
:*主な表外字: 紆 紗 紐 紬 絆 絢 絨 絣 綺 綽 綬 綜 綻 綴 緋 綾 縅 緘 縞 緻 縋 縷 縺 繞 繚 繹 繍 纏 など
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=== 常用漢字数20以上 ===
====りっしんべん====
:[[心部|りっしんべん]]。「情」「慌」「憧」など。漢字で『立心偏』と書き、心という文字を図案化。人の心情や気持ちを表す漢字を集める。中でも「恐れ」「憂い」など強い感情を表すものが多い。常用漢字数31だが、教育漢字ではわずか4しかない。心部に属し、同部では「感」「想」などの「こころ」、「慕」などの「したごころ」がある。
:*常用漢字: 忙 快 怪 性 怖 悔 恒 恨 悦 悟 悩 惧 惨 情 惜 悼 慌 惰 愉 慄 慨 慎 慣 憎 慢 憬 憧 憤 憶 懐 憾
:*主な表外字: 忸 怏 怯 怩 怜 恰 恍 恫 悍 悛 悸 惚 悴 悧 愕 愴 慟 憔 憚 憫 憮 懊 憺 憐 懺 など
 
====にくづき====
:[[肉部|にくづき]]。「臓」「腸」「肺」など。肉を崩した偏で、肉体に関する漢字を表す。常用漢字数31。字によっては脚の部分に来ることもある(「腎」「膚」など)。肉部に属する。つきへんとは同じ偏の形だが、異なる部首である。月部を除く除外「勝」→[[力部]] 、「謄」→[[言部]]、「豚」→[[豕部]]、「騰」→[[馬部]]
:*常用漢字: 肌 肝 肘 股 肢 肥 肪 胎 胆 肺 胞 胸 脂 胴 脈 脇 脚 脱 脳 腕 腫 腺 腸 腹 腰 膜 膝 膳 臆 膨 臓
:*主な表外字: 肋 肛 胚 胱 脆 脛 腋 腔 脹 脾 腑 腱 腿 膀 膠 膵 膣 膾 膿 臍 など
 
====かねへん====
:[[金部|かねへん]]。「銀」「鉄」「針」など。金属や金物に関する漢字に使われ、字数は非常に多い。常用漢字数3131(改定によって《銑・錘》の2字は削除)。中国では[[金属元素]]の部首にもなることもある。除外「欽」→[[欠部]]。
:*常用漢字: 針 釣 鈍 鉛 鉱 鉄 鉢 鈴 銀 銃 銭 銅 銘 鋭 鋳 錦 錮 鋼 錯 錠 錬 録 鍛 鍵 鍋 鎌 鎖 鎮 鏡 鐘 鑑
:*主な表外字: 釘 釧 鉤 鉈 鉋 銑 銛 銚 鉾 鋏 鋲 鋒 鋤 鋸 錫 錆 錐 錘 錚 鍬 鍾 鍼 鍮 錨 鎧 鐸 鑢 鑽 など
 
====こざとへん====
:[[阜部|こざとへん]]。「限」「陽」「陵」など。部首部分は「阜」という字を崩したものであり、盛り上がった部分(丘)を示す。常用漢字数30。なお、「邑」を崩した[[旁]](部、都など)は「おおざと」と呼ばれる
:*常用漢字: 阪 防 阻 附 限 院 陥 降 除 陣 陛 陰 険 陳 陶 陪 陸 隆 陵 階 隅 随 隊 陽 隔 隙 隠 際 障 隣
:*主な表外字: 阿 陋 隋 隈 隘 隕 隧 など
 
====つちへん====
:[[土部|つちへん]]。「場」「堀」「堤」など。土や土地、土で作られた物事に関する漢字を表す。常用漢字数30。
:*常用漢字: 地 均 坑 坂 坊 坪 垣 城 埋 域 埼 堆 培 堀 堪 場 塚 堤 塔 塀 塩 塊 填 境 増 墳 壊 壌 壇
:*主な表外字: 址 坏 坦 垢 埃 埒 埴 埠 堰 堺 堵 塙 墟 壕 壜 𡋗 など
 
====おんなへん====
:[[女部|おんなへん]]。「婦」「姉」「好」など。女性の特性や特徴に関する字を集め、「奴」や「婿」など男性に関する字も含め、血縁、姻戚関係を示す字も見られる。常用漢字数 28。
:*常用漢字: 奴 好 如 妃 妖 妊 妨 妙 姉 始 姓 妬 妹 姻 娯 娠 姫 娘 婚 媛 婦 婿 媒 嫁 嫌 嫉 嫡 嬢
:*主な表外字: 奸 妓 姑 姐 姪 娃 姥 娩 婉 娼 媚 嬉 嬌 嬪 など
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====くちへん====
:[[口部|くちへん]]。「呼」「吸」「唱」など。人間、生物などの口の動作に関する字や擬音語が集まっており、字数は非常に多い。常用漢字数 27。除外「鳴」→[[鳥部]]。
:*常用漢字: 叱 吸 叫 吐 吟 吹 咽 呼 味 咲  唄 唆 哺 喝 唱 唾 唯 喚 喉 喩 喫 嗅 嘆 嘲 嘱 噴 嚇
:*主な表外字: 叶 叩 吋 吠 吻 呵 呟 呻 咀 咄 咳 哨 啄 哩 唖 啜 啖 唸 喀 喰 喧 喘 喋 嗚 嘩 嗟 嗄 嗜 嗤 嗾 嘘 嘴 噌 噂 噤 噺 噛 嚥 嚼 囁 囃 嘯 など
 
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=== それ以外の主な偏 ===
;[[彳部|ぎょうにんべん]]
:「徳」「往」「御」など。通路、人が行うべき道に関する字を表す。常用漢字数 19 。なお、「行人偏」の名は、行という字から来ているが、「行」は「ぎょうがまえ」の親字であり、異なる部首(→[[行部]]参照)である(但し、『新漢語林』など一部辞書において同グループ化しているものも見られる)
:*常用漢字: 役 往 径 征 彼 後 待 律 従 徐 徒 得 御 循 復 微 徴 徳 徹
:*主な表外字: 彷 彿 徊 徘 徨 など
 
;[[日部|にちへん]]ひへん
:「晴」「映」「明」など。太陽や天体、気象、暦に関する字を表す。常用漢字数 15 。また、ひへん(火偏)と区別するために、「にちへん」とする辞典も多い。
:*常用漢字: 旺 明 昧 映 昨 昭 時 暁 晴 晩 暗 暇 暖 曖 曜
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;[[犬部|けものへん]]
:「猿」「猫」「犯」など。[[犬部]]に属し、「犬」という字を崩したものであり、獣に関する字を表す。罪人や心理状態などを表す字も見られる。常用漢字数 13。[[犬部]]に属する
:*常用漢字: 犯 狂 狙 狭 狩 独 猫 猛 猟 猶 猿 獄 獲
:*主な表外字: 狆 狗 狛 狢 狐 狡 狽 狸 狼 猜 猪 猥 猾 獅 獪 獰 など
 
;[[貝部|かいへん]]
:「財」「貯」「賭」など。古くは貝が財貨に用いられたことから、お金に関する漢字が集まっている。常用漢字数 13 。その他、貝の部では[[脚]]となる字が多い。頁(おおがい)に対してこがいと呼ぶことがある。除外「則」→刀部、「敗」→攴部
:*常用漢字: 財 販 貯 貼 賊 賂 賄 賜 賠 賦 賭 購 贈
:*主な表外字: 貶 賑 賤 贖 など
 
;[[酉部|とりへん]](さけのとり / ひよみのとり)
:「配」「酵」「醸」など。お酒や発酵に関する字が集まっている。常用漢字数13。なお、「ひよみのとり」とは「日読み」(暦)のための[[十二支]]の[[酉]]のことで、「鳥」に対しての呼称(鳥偏の字も存在するため)。なお「醜」は鬼が声符であるため、鬼部に含む辞書も見られる
:*常用漢字: 酌 酎 配 酔 酢 酬 酪 酵 酷 酸 醒 醜 醸
:*主な表外字: 酊 酩 醇 醂 醍 醐 醗 など
 
;[[示部|しめすへん]](ねへん)
:「神」「祈」「社」など。神や神事に関する漢字に使われる。常用漢字数 11 。「示」の字から来ており、「祠」や「禊」など、JIS 第二水準の字及び地名で頻用される「祇」は旧字体を用いている。除外「視」→[[見部]]。なお、新字体のネは崩し字として古くから用いられていた
:*常用漢字: 礼 社 祈 祉 祝 神 祖 祥 禍 禅 福
:*主な表外字: 祀 祇 祐 祠 祓 禄 禊 禎 禰 {{JIS2004フォント|&#31153;}} など
 
;[[玉部|たまへん]]おうへん
:「球」「珍」「環」など。宝石や貴重な物、あるいは球体に関する意味を表す。常用漢字数 10 。偏となったときに点が省かれるが、たまへんと呼ぶのが一般的で、玉部に属する。除外「斑」→[[文部]]
:*常用漢字: 玩 珍 珠 班 球 現 理 瑠 璃 環
:*主な表外字: 玖 珂 珊 玲 琉 琢 瑛 瑕 琳 瑚 瑞 瑳 瑣 珈 琲 琥 珀 など
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;[[車部|くるまへん]]
:「輪」「輸」「軸」など。車に関する漢字が集まっている。常用漢字数 10。なお、車とは車輪を指し、当時の車は、戦争用の兵器、馬車などで牽引する荷車のことである。除外「斬」→斤部
:*常用漢字: 軌 軒 転 軟 軽 軸 較 輪 輸 轄
:*主な表外字: 軋 輔 輌 輻 轍 轢 など
 
;[[食部|しょくへん]]
:「飲」「飯」「飢」など。食べ物や飢えに関する字を表す字で、常用漢字数 10 。常用漢字外及び新たに常用漢字表に追加された2字は字体が旧字体のままであり、画数も異なるので注意が必要である。
:*常用漢字: 飢 飲 飯 飼 飾 飽 餓 餌 餅 館
:*主な表外字: 飴 餃 餞 饉 饅 饒 饑 など
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;[[衣部|ころもへん]]
:「補」「被」「袖」など。着物に関する意味を表す。常用漢字数 9 。「衣」という字を崩しており、衣部に属するし、着物関係の国字も多い。新字体の「しめすへん」と紛れやすいので注意。除外「初」→[[刀部]]。
:*常用漢字: 袖 被 補 裕 褐 裾 裸 複 襟
:*主な表外字: 衿 袂 裃 袴 袷 袱 裄 褄 褌 褪 褶 褸 襤など
 
;[[弓部|ゆみへん]]
:「強」「弧」など。弓に関する字を表す。常用漢字数 78 。「弱」は弓の部属す声符が食い込んだ特殊な変則であるが、辞書によってゆみへんに含まないことが多い
:*常用漢字: 引 弥 弦 弧 強 張 弾
:*主な表外字: 弘 弛 など
 
;[[目部|めへん]]
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:*常用漢字: 駅 駆 駄 駒 駐 騎 験 騒
:*主な表外字: 馴 馳 駁 駘 駿 騙 驕 騨 など
 
;[[弓部|ゆみへん]]
:「強」「弧」など。弓に関する字を表す。常用漢字数 7 。「弱」は弓の部に属するが、偏に含まないことが多い。
:*常用漢字: 引 弥 弦 弧 強 張 弾
:*主な表外字: 弘 弛 など
 
;[[舟部|ふねへん]]
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;[[冫部|にすい]]
:「凍」「凝」「凄」など。常用漢字数 6 。漢字で「二水」と書き、氷の割れる様子を象形化したもの。氷、冷気に関する字を表す。古くから二水の字「にすい」三水「さんずい」の字と紛れやすく、過去から誤用が多く見られ、意が混同されている字も多い。除外「次」→[[欠部]]。
:*常用漢字: 冷 冶 准 凄 凍 凝
:*主な表外字: 冴 冽 凋 凌 凛 など
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:*主な表外字: 峙 峻 嵯 峨 嶋 嶼 など
 
;[[方部|かたへん]]ほうへん
:「旅」「旗」など。部首部分に加え、右上の部分も同じである。これは棚引く旗を象形化した字(エン)を元にしたものであり、旗に関する言葉が集まる。なお、片偏という部首もあるので、紛らわしさを防ぐため、ほうへんと呼ぶ辞典も見られる除外「放」→攴部
:*常用漢字: 施 旅 旋 族 旗
:*主な表外字: 於 など
 
;[[歹部|がつへん]]・かばねへんいちたへん
:「死」「残」など。屍に関する意味を表す。なお、「死」は偏としては特殊な例で、垂のような配置をしている。除外「列」→刀部
:*常用漢字: 死 残 殊 殉 殖
:*主な表外字: 殆 殪 殲 など
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:*主な表外字: 牝 牡 牴 牾 など
 
;[[巾部|はばへん]]きんべん
:「帳」「帆」など。布、反物に関する字を表す偏。なお、「巾」は布のことを指し、「はば」と呼ぶのは慣用的なものである。
:*常用漢字: 帆 帳 幅 帽
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:*主な表外字: 矩 矮 など
 
;[[魚部|うおへん]]さかなへん
:「鯨」「鰹」「鮭」など魚介類や水棲生物に対する名称、あるいは魚の体格、特徴などを表す字を集める。常用漢字ではわずかに2 つだが、「鮭」「鯉」「鱗」など日常で一般に用いられる字はかなり多く、全部で 600 以上存在する。
:*常用漢字: 鮮 鯨
:*主な表外字: 鮎 鮒 鮪 鮭 鮫 鮨 鯉 鯖 鯛 鯰 鰐 鰓 鰆 鰈 鰊 鰯 鰭 鰤 鰹 鱈 鰺 鰻 鱒 鱗 など
 
;[[角部|かくへん]]つのへん
:「解」「触」など。角の加工品などに対して、漢字が作られた。
:*常用漢字: 解 触
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;[[月部|つきへん]]
:「服」「朕」「朧」など。肉体を表すにくづきとは区別され、にくづきに含まれないものを包含する。除外「勝」→[[力部]]、「謄」→[[言部]]、「豚」→[[豕部]]、「騰」→[[馬部]]
:*常用漢字: 服 朕
:*主な表外字: 朋 朦 朧 など
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;[[骨部|ほねへん]](こつへん)
:「髄」「骸」など。骨に関する意味を表す。常用漢字は1つだけだったが、「骸」が新たに加わった
:*常用漢字: 骸 髄
:*表外字: 骰 髑 髏 など
 
;[[革部|かわへん]](かくのかわ)
:「靴」「鞄」など。皮革製品に関する字が集まるが、常用漢字は「靴」のみ(親字を含まず)。かくのかわは皮部(ひのかわ・けがわ)に対する呼称
:*常用漢字: 靴
:*主な表外字: 靫 靱 鞄 鞋 鞍 鞘 鞣 鞭 など
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;[[齒部|はへん]]
:「齢」など。新字体では12画、旧字体では 15 画であり、一般的な偏では最も画数が多い。
:*常用漢字: 齢
:*表外字: 齣 齟 齬 齷 齪 齲 など
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;[[豸部|むじなへん]]
:「豹」「貌」など。ムジナ、体つきに関する字を表す。常用漢字は存在しなかったが、「貌」が新たに追加された
:*常用漢字: 貌
:*表外字: 豹 貘 など
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:*常用漢字: 黙
:*表外字: 黯 など
 
 
 
その他の偏
*'''[[工部|たくみへん]](こうへん)''':「巧」など。字数は極めて少ない。
*'''[[里部|さとへん]]''':低学年向け漢字辞典などにも表記例があるが、字は「野」のみであり、一般に里部は脚の形を取る
*'''[[音部|おとへん]]''':「韻」など。音に関する意味を表すが字数は少ない。
*'''[[赤部|あかへん]]''':「赦」「赫」など。赤、怒りに関する意味を表す。
*'''[[青部|あおへん]]''':「静」など。青色や、すみきっていることに関する意味を表す。字数は至って少ない。
*'''[[鹵部|しおへん]]'''(ろ・しお):「鹸」「鹹」など。塩辛さに関する意味を表す。偏に属するが、慣例的に「へん」と呼ばないことが多い(表記は『現代標準漢和辞典』ならびに『漢字源より)。
*'''[[羊部|ひつじへん]]''':「羚」など。ヒツジに関する意味を表す。
*'''[[豆部|まめへん]]''':「豌」など。マメ類に関する意味を表す。
316 ⟶ 319行目:
*'''[[面部|おもて]]''':「靦」など。顏や表情に関する字を集める。
*'''[[舌部|したへん]]''':「舐」など。舌に関する字を集める。
*'''[[首部|くびへん]]''':「馘」など。首に関する字を集めるが、字数は至って少ない。
*'''[[瓦部|かわら]]''':「瓱」「瓩」「瓲」など。度量衡単位の国字のみで、一般的に瓦部は旁や脚を構成する。
*'''[[臣部|しん]]'''(じん):「臨」「臥」など。
*'''[[鳥部|とりへん]]''':「鴃」など。鳥は旁が一般的であるが、偏となる字も100字以上存在する。
*'''[[血部|ちへん]]''':「衄」など。
*'''[[鼠部|ねずみへん]]''':「鼬」など。台湾・香港での字体は繞のように右下部から巻き込むが、日本では不明確。右下部から巻き込む形をとるフォントが多いが、ねずみへんと呼んでいる。
*'''[[豕部|いのこへん]]''':「豬」など。ブタに関する字を集める。字数は100を超える。
*'''[[黹部|ふつへん]]''':「黻」など。ふつは「黻」の読みにちなむ。
327 ⟶ 330行目:
*'''[[鬲部|れきのかなえ]]''':鼎部に対する呼び名。「融」は虫部に属する。
*'''[[黍部|きび]]''':「黐」など。
*'''[[長部|ながい]] ''':「肆」の左半分は長を親字とした偏となる(但し、肆は[[聿部]]に属する)。一般的な字は存在しないが、大漢和辞典などには100字以上の収載がある。
*'''[[黄部|きいろ]]''':少数ながら、黄を偏とした字が存在する。
 
*'''[[龠部|やくへん]]''':最多画数の偏。
他に色偏などがある。
他。
 
==関連項目==
*[[偏旁]]
*[[部首]]
*[[旁]](つくり)
*[[冠 (漢字)|冠]](かんむり)
339 ⟶ 345行目:
*[[垂れ (漢字)|垂]](たれ)
*[[繞]](にょう)
* [[偏継]](へんつぎ) - 平安時代以降遊ばれた、偏と旁を組み合わせて漢字を作るゲーム。
 
==参考文献==
*『[[漢検]]漢字辞典』(京都)[[日本漢字検定協会]]編著 ISBN 9784890960590
表外漢字の例示に際して
* 『現代標準漢和辞典(学研)』藤堂明保・加納喜光編著 
*『新漢語林([[大修館書店]])』[[鎌田正]]・[[米山寅太郎]]著 ISBN 9784469031621
部首の成り立ち、字意に際して