削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
リンク調整
(16人の利用者による、間の19版が非表示)
1行目:
 
{{複数の問題
| 出典の明記 = 2019年4月
| 独自研究 = 2019年4月
| 脚注の不足 = 2019年4月
| 参照方法 = 2019年4月
| Wikify = 2019年4月
| 言葉を濁さない = 2019年4月
}}
'''薬局方'''(やっきょくほう、{{Lang-nl|''Apotheek''}}、{{Lang-la|''Pharmacopoea''}})は、[[医薬品]]に関する品質規格書。[[医薬品]]や[[生薬]]が収載されているほか、試験法や純度の基準・剤型などが記されている。
 
国または地域ごとに制定されており、多くは[[公定書]]である{{efn2|[[アメリカ合衆国]]では、民間団体が作成}}。[[日本]]においては、特に指定されていない限り、「日本薬局方{{efn2|」(称はして「日局」「局方」}}」を指す。日本薬局方({{lang-en|Japanese Pharmacopoeia, JP}})、中国薬局方({{lang-zh|中国药典}} (中国薬典)、{{lang-en|Pharmacopoeia of the People's Republic of China, PPRC|links=no}})、[[米国薬局方]]({{lang-en|United States Pharmacopeia|links=no}}, [[w:United States Pharmacopeia|USP]])、[[英国薬局方]]({{lang-en|British Pharmacopoeia|links=no}}, [[w:British Pharmacopoeia|B.P.]])、[[ヨーロッパ薬局方]]({{lang-en|European Pharmacopoeia|links=no}}, [[w:European Pharmacopoeia|EP]])などが主な薬局方とされる。他の国々は、これら薬局方を参考に、伝統医薬品類{{efn2|特にアジア地域}}を加え、国情に合わせて作成している。{{いつ範囲|近年|date=2019年4月}}は{{独自研究範囲|日米欧の三極薬局方の国際調和を進めているが、合意に達した部分は少ない。|date=2019年4月}}
 
== 日本薬局方 Pharmacopoea Japonica ==
{{law|section=1}}
{{日本の法令
| 題名 = 第十改正日本薬局方
| 番号 = 平成28年令和3年6月7日厚生労働省告示第64220
| 通称 = 局方、日局、1718局、JP、JP17JP18など
| 効力 = 現行法
| 種類 = [[行政法]]
27 ⟶ 20行目:
 
=== 歴史 ===
[[江戸時代]]、[[蘭学]]の[[中川淳庵]]が、[[オランダ]]のApotheek([[薬局]]の意)を『和蘭局方』として翻訳したが、未完であった。[[1880年]]([[明治]]13年)[[10月]]、衛生局長[[長与専斎|長與専齋]]の建議により、[[松方正義]][[内務卿]]が[[太政官 (明治時代)|太政官]]に「第一、本邦未た藥局方の律書あらす(略)」という伺書を出し、[[1886年]](明治19年)[[6月]]に「藥局方」が公布された{{efn2|薬品数468<ref>「日本薬局方沿革略記」『第十五改正日本薬局方』2006年、1頁。</ref>}}。また後に陸軍病院藥局方、陸軍藥局方も作られた。薬局方という言葉は、日本の歴史において、薬典という言葉を「方」と記載したことに由来する。これは、[[中国]][[宋 (王朝)|宋代]]の古医書『[[太平恵民和剤局方|和剤局方]]』に倣ったものだと考えられている<ref>[[長濱善夫]]『東洋医学概説』[[創元社]]〈東洋医学選書〉、[[1961年]]、{{ISBN2|4-422-41301-5}}。</ref>。なお、[[中華人民共和国]]における医薬品の品質規格書は、薬典の言葉を用いた『[[中華人民共和国薬典]]』である
 
日本薬局方は1886年(明治19年)には、東洋初、世界で第21番目版を国定薬局方として'''版日本薬局方'''<ref>{{Cite book|和書|title=日本薬局方|date=明治19年6月25日|publisher=官報}}</ref>(明治19年官報)が発行され<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.eisai.co.jp/museum/information/facility/archive/04411/comment.html|title=『くすりの博物館』|accessdate=2021/10/02}}</ref>、続いてそのラテン語版となる'''Pharmacopoea Japonica''' Editio Latina<ref>{{Cite book|和書|title=Pharmacopoea Japonica|year=1888|publisher=|location=Tokyo|url=http://www.eisai.co.jp/museum/information/facility/archive/04410/thumbnail01.html}}</ref>も上梓された。日本語版では漢名・ラテン名が併記され以下記載が続く形式でラテン名のアルファベットの順で記載されている。以来、医薬品の開発、試験技術の向上に伴って改訂が重ねられているきた。1891年に'''改正(第二版)日本薬局 '''、1906年に'''第三改正日本薬局方'''(これよりラテン語版に代わり英語版が発刊)、1920年に'''第四改正日本薬局方'''、1932年に'''第五改正日本薬局方'''、1951年に'''第六改正日本薬局方'''、1961年に'''第七改正日本薬局方'''、1971年に'''第八改正日本薬局方'''と概ね10年以上の間隔で改正されていたが、1971年の第八改正日本薬局方以降は5年に一度改正されている{{efn2|この間に1回ないし2回の追補版および改正が公示される場合がある。}}。2019また剤形に付記されていたラテン名は'''第十二改正日本薬局方'''(1991年)から代わって英名となり、生薬関係品目を除き医薬品各条中のラテン名も掲げる事をやめ化学薬品等でIUPAC式英名に代わった<ref>{{Cite web|和書|url=第十二改正日本薬局方の制定等について|title=各都道府県知事あて厚生省薬務局長通知、薬発第三四八号|accessdate=2021/10/02|publisher=厚生労働省}}</ref>。2021年現在の最新版は、[[20162021年]]([[平成令和]]283年)に公示された'''第十改正日本薬局方'''である<ref>独立行政法人医薬品医療機器総合機構厚生労働省ウェブサイトより [https://www.pmdamhlw.go.jp/filesstf/000219256seisakunitsuite/bunya/0000066530.pdf 日本薬局方の歴史html]</ref>。日本語名の50音順で掲載されている
 
==== 日本公定書協会 ====
なお、薬局方という言葉は、日本の歴史において、薬典という言葉を「方」と記載したことに由来する。これは、[[中国]][[宋 (王朝)|宋代]]の古医書『[[太平恵民和剤局方|和剤局方]]』に倣ったものだと考えられている<ref>[[長濱善夫]]『東洋医学概説』[[創元社]]〈東洋医学選書〉、[[1961年]]、{{ISBN2|4-422-41301-5}}。</ref>。
日本薬局方の編纂支援と普及を目的に、1956年に設立された財団法人<ref name="yakuji">{{Cite web|和書|url=https://www.yakuji.co.jp/entry23436.html |title=【日本公定書協会】法人名を「医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団」に変更 |work=薬事日報 |date=2011-06-23 |accessdate=2020-01-07}}</ref>。2004年より、日本薬局方原案整備事業を開始し、[[国立医薬品食品衛生研究所]]の標準品業務を全面移管した<ref name="pmrj">[https://www.pmrj.jp/aboutsjp/history_a070.html PMRJ-一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団:財団の概要]</ref>。2010年に英名を"Pharmaceutical and Medical Device Regulatory Science Society of Japan (PMRJ) に変更、2011年に一般財団法人に移行の際、法人名称を「'''医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団'''」(略称:レギュラトリーサイエンス財団)に変更した<ref name="yakuji" /><ref name="pmrj" />。所在地は[[日本薬学会]][[長井記念館]](東京・渋谷)。
 
理事長は2007年より土井脩(元[[厚生省]][[審議官#大臣(長官)官房審議官|大臣官房審議官]])が務めた<ref>{{citenews |url=https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/free/20/01/04/00041/ |title=訃報、土井脩医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 |date=2020-01-04 |accessdate=2020-01-07 |work=日経バイオテクオンライン}}</ref>。
ちなみに、中国における医薬品の品質規格書は、薬典の言葉を用いた『[[中華人民共和国薬典]]』である。
 
==== 歴代の調査会 ====
歴代の日本薬局方調査会委員等は以下のとおり{{efn2|「日本薬局方調査会官制」(明治39年3月勅令第53号)をもって、日本薬局方調査会が常設の「調査会」とされた。それ以前は「編集委員」「調査委員」等と呼称されていた。その後、昭和23年7月法律第197号薬事法公布や同法改正の際に、「公定書小委員会」「公定書小審議会」などに改称されているが、{{いつ範囲|現在|date=2019年4月}}の名称は日本薬局方部会・日本薬局方調査会となっている<ref>「日本薬局方沿革略記」『第十五改正日本薬局方』 2006年、1-21頁</ref>。}}。
 
{| class="wikitable mw-collapsible" style="margin-right:0px;"
! colspan="4" | <span style="font-size:larger">初版『日本薬局方』編集総裁・委員</span> {{Nowrap|(明治14年1月 - 18年12月)}}
|-
151 ⟶ 145行目:
|明治17年10月から
|}
{| class="wikitable mw-collapsible" style="margin-right:0px;"
! colspan="4" |<span style="font-size:larger">『改正日本薬局方』編集委員・調査委員</span> {{Nowrap|(明治21年4月 - 24年3月)}}
|-
219 ⟶ 213行目:
|明治21年5月から
|}
{| class="wikitable mw-collapsible" style="margin-right:0px;"
! colspan="4" |<span style="font-size:larger">『第三改正日本薬局方』日本薬局方調査会</span> {{Nowrap|(明治33年4月 - 39年3月)}}
|-
362 ⟶ 356行目:
|明治36年9月から
|}
{| class="wikitable mw-collapsible" style="margin-right:0px;"
! colspan="3" | 『第四改正日本薬局方』調査会
! colspan="3" | 『第五改正日本薬局方』調査会
537 ⟶ 531行目:
|[[湯沢三千男]]
|内務書記官
|
|
|
|}
 
== 中国薬局方(中国薬典)Pharmacopoea Sinensis ==
== 欧州薬局方 Pharmacopoea Europaea (Ph. Eur.) ==
== 国際薬局方 Pharmacopoea Internationalis (Ph. Int.) ==
国際薬局方は連世界保健機構WHOが薬局方統一を目指し制定した薬局方である。1951年に通則・各条医薬品218品目と付則43条からなる第1版第1巻が、1955年には通則の追加・ 各条医薬品217品目と付則26条からなる第2巻が、1959年には各条医薬品94品目・付則17条を追加した追補がそれぞれ英仏西語で出版され、独語及び日本語に翻訳された<ref>{{Cite journal|author=井上 哲男|year=1985|title=世界の薬局方 シリーズ3 THE International Pharmacopoeia(国際薬局方)|url=https://doi.org/10.11291/jpla1956.30.254|journal=薬学図書館|volume=30巻 4号}}</ref>。
 
2020年には第10版がonlineで公開されている<ref>{{Cite web|url=https://digicollections.net/phint/2020/index.html#d/b.1|title=The International Pharmacopoeia, Tenth Edition|accessdate=2021/10/04}}</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
 
=== 注釈 ===
{{notelist2}}
560 ⟶ 564行目:
 
== 外部リンク ==
* [httphttps://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/yakkyoku/index.html 「日本薬局方」ホームページ] - [[厚生労働省]]
* [httphttps://www.eisai.co.jp/museum/curator/column/051104c.html 『日本薬局方』の歴史]
* [httphttps://jpdb.nihs.go.jp/jp/ 「日本薬局方」名称データベース] - [[国立医薬品食品衛生研究所]]
*[https://rnavi.ndl.go.jp/jp/guides/post_1028.html 日本の過去の薬局方] — 国立国会図書館
* [http://ja.cas-no.org/jp16e/ 『日本薬局方』のダウンロード & 研究データ]{{リンク切れ|date=2019年4月}}
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:やつきよくほう}}
[[Category:医書]]