イラストでわかる! Blenderの基礎知識

Blenderで布が風になびく表現をしてみよう

本連載では、Blender の基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第44回目は、Blenderに用意されている物理演算の一種であるクロスとフォースフィールドに関する設定方法について学んでいきます。

フォースフィールドとは

フォースフィールドとは、⁠風」「渦」といったように特定のオブジェクトに対して、なにかしらの影響を与えられる機能のことです。

どんなオブジェクトにも影響を与えられるわけではなく、⁠ソフトボディを設定したオブジェクト」「クロスを設定したオブジェクト」といったように、影響を与えれられるオブジェクトは限定されています。

今回は、⁠クロス」を設定したオブジェクトに対して、フォールフィールドの一種である「風」によって布をなびかせたような表現をしてみましょう。

まずはクロスの準備をしよう

最初に、なびかせる布を準備します。Shift+Aで表示されるメニューから[平面]を選択して配置しましょう。平面を配置したら、 平面を回転させて垂直にします。

布をなびかせる場合、頂点数が多いほど滑らかになびかせることができます。なので、平面を選択した状態で[編集モード]に切り替え、オブジェクトの頂点数を増やします。

次に、平面に対して物理演算のクロスを適用させます。平面を選択した状態で、⁠物理演算プロパティ]から[クロス]を選択すれば、クロスの適用は完了です。

これで布の準備はできたました。

風をおこす準備をしよう

次に、風を送る元となるフォースフィールドを配置します。Shift+Aで表示されるメニューから[フォースフィールド]>[風]を選択します。

そして布に対して真横から風があたるよう、追加したフォースフィールドを移動・回転して調整しておきます。

これで風をおこす準備はできました。

風で布をなびかせてみよう

それぞれの準備ができた状態で、Spaceを押してアニメーションを再生してみましょう。すると、⁠クロス」を設定したオブジェク トが重力によって下へ落ちていってしまいます。

それを防ぐために次の操作を行っていきます。まず平面を選択して[編集モード]にします。そしたら、一番上にある頂点をすべて選択し、⁠オブジェクトデータプロパティ]にある[頂点グループ]から[+]をクリックして、頂点グループを作成します。

すると、選択した頂点がグループ化されます。⁠ウェイト][1.00]になっていることを確認し、⁠割り当て]をクリックすると、グループ化された頂点に1.0の大きさのウェイトが割り振られます。

次に、平面が選択された状態で[物理演算プロパティ]から[シェイプ]内にある[固定グループ]を先ほど作成した頂点グループを選択します。

この状態でアニメーションを再生すると、1.00のウェイトが割り振られた頂点でピン留めされているような動きになり、下落ちていくことを防げます。

本来であれば、この時点で布が風になびく動きが再生されます。しかし、まったく布が動かない場合があります。そんなときは、フォースフィールドを選択して[物理演算プロパティ]から[強さ]の値を大きくすることで、布がなびくようになるはずです。


今回は、布を風になびかせる方法を見ていきました。次回は同じく物理演算の一種である爆発について見ていく予定です。次回も読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします!

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