夢の常温常圧超電導体「LK-99」の存在を支持する研究結果が相次いで発表される、再現したLK-99が超電導物質だと示唆する動画も公開
2023年7月、韓国の研究チームが室温かつ常圧で超電導状態になる物質「LK-99」を開発したとする論文を発表し、世界中の研究者から大きな注目を集めています。新たに、LK-99の常温常圧超電導を支持する研究結果がアメリカのローレンス・バークレー国立研究所や中国の瀋陽国立研究所の研究者らによって発表されたほか、中国の華中科技大学によって「再現したLK-99の超電導性を示唆する動画」も公開されました。
[2307.16892] Origin of correlated isolated flat bands in copper-substituted lead phosphate apatite
https://doi.org/10.48550/arXiv.2307.16892
[2307.16040] First-principles study on the electronic structure of Pb$_{10-x}$Cu$_x$(PO$_4$)$_6$O ($x$=0, 1)
https://doi.org/10.48550/arXiv.2307.16040
Tracking LK-99 Superconductor Replication Efforts With Meissner Effect | NextBigFuture.com
https://www.nextbigfuture.com/2023/07/tracking-lk-99-superconductor-replication-efforts.html
Superconductor Breakthrough Replicated, Twice, in Preliminary Testing | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/superconductor-breakthrough-replicated-twice
超電導とは金属や化合物などの電気抵抗がゼロに転移する現象のことであり、「エネルギーを損失ゼロで伝送できる」「強い磁場を生成できる」といった特徴を応用し、リニアモーターカーやMRIなど多様な分野で利用されています。これまで、超電導状態は物質を超低温状態に冷却した時にのみ確認されていましたが、2023年7月に韓国の研究チームは「LK-99」という物質が、常温常圧での超電導状態を実現するという研究結果を発表しました。
「室温かつ常圧で超電導状態になる物質」を開発したとする論文&ムービーが公開される - GIGAZINE
非常に幅広い分野での応用が期待されている常温常圧超電導の注目度は高く、科学雑誌のScienceは論文についての解説記事を公開しています。インターネット上では、「もし室温での超電導が可能になった場合、どのような応用が可能になるのか?」という議論も白熱しています。
「室温かつ常圧で超電導が可能になる」技術でどのようなことが実現可能になるかについての議論が白熱中 - GIGAZINE
常温常圧超電導については画期的な論文が発表されては疑念が呈されたり、撤回されたりする事態が繰り返されてきたため、今回のLK-99についても懐疑的な意見が存在します。しかし、今回はアメリカと中国の研究者らがそれぞれLK-99を支持する予備的な研究結果を発表しており、LK-99の信ぴょう性が高まっています。
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