ディズニーの公開前映画を盗んだ犯人が身代金を要求、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」などが対象か
by 401(K) 2012
2017年夏に向けてディズニー・ピクサーでは「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」や「カーズ/クロスロード」といった大作映画の公開を控えていますが、一部の作品が人質に取られて“身代金”を要求されていることがわかりました。
Disney Chief Bob Iger Says Hackers Claim to Have Stolen Upcoming Movie | Hollywood Reporter
http://www.hollywoodreporter.com/news/disney-chief-bob-iger-says-hackers-claim-have-stolen-a-disney-movie-1003949
Hackers Holding Disney’s Latest ‘Pirates of the Caribbean’ For Ransom | Deadline
http://deadline.com/2017/05/pirates-of-the-caribbean-dead-men-tell-no-tales-hackers-ransom-1202094203/
ロバート・A・アイガーCEOが語った内容によれば、まだ公開されていない作品を入手した何者かがディズニー・ピクサーに対して「身代金をビットコインで支払わなければ、作品を一部分ずつ公開する」という脅迫を行っているとのこと。
アイガーCEOは具体的にどの作品が対象かは明かしませんでしたが、今後の公開ラインナップから、海外で2017年5月24日・日本で2017年7月1日公開予定の「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」(Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales)や、海外で2017年6月15日・日本で2017年7月15日公開予定の「カーズ/クロスロード」(Cars 3)などが含まれているのではないかと予想されています。当初は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」も同じように流出しているのではないかと噂されていましたが、今は「噂に過ぎない」として否定されています。
同じような事例としては、この数週間前にNetflixに対する恐喝事件が発生しています。このときはドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の新シリーズが人質となり、配信より先に公開すると脅迫されましたが、Netflixはお金の支払いを拒否、犯人は未公開エピソードをネット上に公開しました。
TheDarkOverlord leaks upcoming episode of Orange is the New Black after Netflix doesn’t pay extortion demand (Updated)
https://www.databreaches.net/thedarkoverlord-leaks-upcoming-episode-of-orange-is-the-new-black-after-netflix-doesnt-pay-extortion-demand/
関係者によれば、ディズニーは身代金の支払いを拒否、恐喝事件としてFBIの捜査に協力しているとのこと。
なお、DataBreaches.netでは「thedarkoverlord」を名乗るNetflix恐喝事件の犯人(あるいは犯人グループ)との接触に成功しており、thedarkoverlordが2016年12月26日の時点で数百GBの未公開・非公開データを入手していたことを把握していました。
DataBreaches.netによれば、このとき被害に遭ったのは音声のポストプロダクションを担当しているLarson Studiosで、2017年1月31日までに50ビットコインを支払うことで合意する書類も見つかっているとのこと。ただし、本当に支払いが行われたのかは明らかになっていません。その後、thedarkoverlordはターゲットをNetflixに切り替えたようで、前述のNetflix恐喝事件が起きていますが、今回ディズニー・ピクサーを恐喝しているのがthedarkoverlordかどうかは不明です。
・2017/05/26 10:05 追記
ディズニーのアイガーCEOは「ディズニーがハッキングされた」という報道は不正確であるとYahoo Financeに語りました。さらに、「私の知る限り、我々はハッキングされていません。ハッキングにより映画を盗まれる危険はありましたが。しかし、この問題に真剣に取り組むことで、アタッカーの望むのとは別のリアクションをとることができました」とアイガーCEOはコメントしています。
・関連記事
未公開作品を含む映画数本がソニー・ピクチャーズから流出する緊急事態 - GIGAZINE
ファイル暗号化・身代金要求の「WannaCry」が世界的大流行でWindows XPにまで緊急パッチが配布される異常事態に突入、現状&対応策まとめ - GIGAZINE
20万人以上が感染したランサムウェア「WannaCry」は身代金として約300万円をゲットしていることが明らかに - GIGAZINE
部屋の温度を極寒に固定して身代金を要求するIoT機器のランサムウェアが初登場 - GIGAZINE
身代金要求ランサムウェアの開発者がまさかの暗号化解除キーを公開、攻撃から一転して降参へ - GIGAZINE
MacのOS Xに初のデータ暗号化で身代金を要求するランサムウェアが登場 - GIGAZINE
ハイジャック犯が身代金を持ってパラシュートで消えた完全犯罪「D.B.クーパー事件」から45年、FBIがついに自発的捜査を終了 - GIGAZINE
・関連コンテンツ