わずか10歳の少女がレモネード販売から起業して成功を収めた経緯とは?
By Bethany Petrik
Twitterが株式上場した際に、上場セレモニーの一環で打鐘式が行われ、記念すべき鐘を鳴らしたのは当時9歳の女の子でした。鐘を鳴らした女の子はTwitterの関係者ではなく、シリコンバレーにある家の前でレモネードスタンドを始め、Twitterでキャンペーンを行い最終的にレモネード販売の会社を起業した人物です。9歳にしかならない女の子がどうやってレモネード販売で成功を収めるに至ったのか、その秘密にThe New York Timesが迫っています。
A 10-Year-Old’s Journey, From Lemonade Stand to Silicon Valley - NYTimes.com
http://mobile.nytimes.com/blogs/dealbook/2014/10/07/a-10-year-olds-journey-from-lemonade-stand-to-silicon-valley/
TwitterのIPOで、共同創業者のビズ・ストーン氏や俳優のパトリック・スチュワート氏と並んでいたのは、ヴィヴィアン・ハーさんという9歳の女の子。ハーさんは、両親に見せてもらった子どもの奴隷労働者の写真に衝撃を受け、子どもの奴隷労働問題を解決するために、何かできないかと考えて始めたのが、家の前でレモネードを売るレモネードスタンドです。
By Anthony Quintano
レモネードスタンドビジネスは簡単なことではなく、ソーシャルメディアの仕事に携わっていたハーさんの父親は、娘のためにレモネードスタンドに関するPRをTwitter上で展開。ハーさんのレモネードスタンドはTwitter上で少しずつ広がっていき、The New York Timesの記者がリツイートしたことをきっかけに、レモネードスタンドを始めてから14日目に10万ドル(約1080万円)の販売目標を達成します。
普通の女の子なら売上10万ドル(約1080万円)を達成したところで、レモネードスタンドを辞めてしまうかもしれません。しかしながら、ハーさんは父親と一緒に、フェアトレードオーガニックレモネードを販売する会社「Make a Stand」を起業します。
Make a Standは売上の5%を子どもの奴隷労働に対して運動しているチャリティ組織に寄付するというもの。ハーさんは父親の助けを借りながら約100万ドル(約1億円)の資金を集め、Make a Standを起業しました。しかしながら、ただのレモネード販売がなかなかうまく行くことはなく、ハーさんの父親も「ドリンクを売るビジネスは簡単なことではありません」と発言しています。
そこで、Make a Standは専用のアプリをリリース。会社名と同名のアプリ「Make a Stand」はユーザーがチャリティのために募金を集めるクラウドファンディングを数分でセットアップできるというもの。ユーザーがチャリティ組織に向けたクラウドファンディングを立ち上げ、他のユーザーが募金するとTwitterやFacebookでシェアしてくれます。一度の募金につき4.9%の取引手数料をとることで、Make a Standは数千万ドル(約数十億円)の売上を達成したそうです。
当然、Make a Standのアプリの売上には、ハーさんの話に感銘を受けたシリコン・バレーの著名人からの募金による取引手数料も含まれ、その額は多大なものになると思われます。レモネード販売ビジネスはどうなったかというと、記事執筆現在はハーさんたちの手を離れ別の人たちが運営しているとのこと。
ハーさんの成功は、さまざまな要素がうまく絡み合ったことで産まれた珍しい例だと言えます。1つはMake a Standのアプリが非常にうまく設計されていたこと。チャリティに募金したという慈善行為をTwitterやFacebookで共有できるようにしたことは、多くの人たちを引きつけました。また、父親がソーシャルメディアの知識を持っていたことも成功に必要不可欠だったはずです。しかしながら、ハーさんがレモネードスタンドを始めたときの「子どもの奴隷労働者を世の中からなくしたい」という思いが、人々の心を動かしたのはまぎれのない事実です。
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