Android向け無料アンチウイルスソフトは無意味
コンピュータを守るためにアンチウイルスソフトは不可欠。これと同じ考えから、スマートフォン向けにもアンチウイルスソフトがリリースされています。しかし、ウイルス検出率テストを行う第三者機関、AV-TEST.orgの検査によって、Android向けの無料アンチウイルスソフトの検出率の低さが白日の下にさらされることになりました。
Android antivirus apps are useless, here’s what to do instead | ExtremeTech
(PDFファイル)Are free Android virus scanners any good? Authors: Hendrik Pilz, Steffen Schindler
今回、AV-TESTが使った無料アンチウイルスソフトは7つ。
◆Antivirus Free Version 1.3.1
Creative Apps製。インストール数は100万件から500万件。4万1375人の平均評価は4.5点。
◆BluePoint Antivirus Free Version 4.0.14
BluePoint Security製。インストール数は1万件から5万件。549人の平均評価は4.2点。
◆GuardX Antivirus Version 2.3
Qstar製。インストール数は10万件から50万件。2824人の平均評価は4.6点。
◆Kinetoo Malware Scan Version 1.6.9
CPU Media SARL製。インストール数は1万件から5万件。184人の平均評価は4.2点。
◆LabMSF Antivirus beta Version 1.0
LabMSF製。インストール数は1000件から5000件。16人の平均評価は4.3点。
◆Privateer Lite Version 2.1.4
Online Vault製。インストール数は1000件から5000件。28人の平均評価は4.5点。
◆Zoner AntiVirus Free Version 1.2.4
ZONER製。インストール数は5万件から10万件。1614人の平均評価は4.6点。
これらの7つのアンチウイルスソフトをテストしたところ、6つはウイルス検出率が10%以下でした。また、残る1つであるZonerの検出率も32%にとどまりました。Androidマーケットで何か適当なアンチウイルスソフトを入れたところで、9割方ろくなソフトではない、という状態なわけです。
では、有料ソフトも同様なのか、ということで、AV-TESTでは2つの有料アンチウイルスソフトを試しました。
◆F-Secure Mobile Security Version 7.1
F-Secure製。
◆Kaspersky Mobile Security Version 9.10.77
Kaspersky Lab製。インストール数は1万件から5万件。992人の平均評価は4.2点。
この結果、有料ソフト2つは、マルウェアやウイルスのうち半分をインストール後に検出。残り半分はインストール時点でブロックしました。
そこで、今度は無料アンチウイルスソフトに対する検査方法を改め、1つ1つマルウェアをインストールしていくことにしました。すると、Zonerは既知のマルウェアのうち2割を通してしまったものの8割をブロックすることができました。しかし、他のソフトはやはり何も検出することができませんでした。
ちなみに、Googleの技術者は「Android、iOS、およびResearch in Motionの『BlackBerry』OSにはアンチウイルスソフトウェアは必要ない」と述べ、アンチウイルスソフトのベンダーを強く非難しているそうです。
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