カラスが自分たちの繁栄のためには手段を選ばないところも、戦況を読みにくくさせている。
「カラスは親のインコが餌を探しに行っている隙をついて、巣穴の中のヒナを狙って殺してしまいます。こうすることで相手の繁殖を邪魔し、効率よくダメージを与えるのです。これを繰り返されれば、インコもかないません」(日野氏)
スピードに勝るインコと体格でリードするカラスは、それぞれ自分たちの得意とする戦い方で相手を追い込んでいく。
東京を舞台にした争いは、都会のオアシスであるはずの森が、インコやカラス、そして巻き込まれた鳥類の死骸だらけの荒廃した空間に一変する危険性も秘めている。
鳥類同士の最終戦争は、果たしてどちらが勝利を収めるのだろうか。
『週刊現代』2021年12月11・18日号より