後戻りできない歴史的な変化
二つ目の新制度の課題は、定住の可能性が開かれたが、試験の内容を含めその具体的な仕組みを早急に明確化する必要があることだ。
定住が可能になれば、デカセギではなく、最初から定住目的で優秀な人材が日本を目指すことになる。定住を目指す人々は日本での家族との生活や仕事の成功を夢見て、日本語の学習や日本の文化や社会の仕組みについても熱心に学ぶことになるだろう。
政府は新制度での定住のための要件や道筋を明らかにすべきである。
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最後は生活者としての定住外国人の対応である。
すでに260万人近い在住外国人の間にはこれまでの政府の対応についての不満は高かった。
日本政府は外国人を歓迎しているのかどうかが不透明で、その結果、彼らの生活やあるいは彼らの子どもの教育も中途半端な状態に置かれてきた。
増加する外国人住民に対して自治体、NPO任せで、移民政策とらないという立場上、政府は等閑視してきたといってよいだろう。
今後、その政策が大きく変わることが予想される。従来はボランティア任せだった日本語教育もドイツや韓国のように政府が責任をもって当たることになるだろう。
今回の方針転換は、外国人の本格的な受け入れの姿勢を政府が示したものであり、単一民族的な色彩の強かった日本が多様な文化を持った人たちとともにこれからの日本を支えるという方向に舵をきったことを意味する。
それは後戻りできない歴史的な変化でもある。単なる経済的な側面の変化だけでなく、閉塞感を打破し、日本の持続可能な未来に向けて新たなステップを踏み出したことを意味する。
今回の政策転換は日本の歴史に新たなページが開かれた出来事と将来、解釈されることになるだろう。