2024.06.29

ついに菅前首相の「岸田降ろし」が始まった…焦る岸田・麻生・茂木の次の一手

「岸田降ろし」に踏み出したか

さすがに岸田文雄首相も自民党の麻生太郎副総裁と誼を通じることなく総裁選再選は果たし得ないと深く自覚したのだろう――。

岸田、麻生両氏は6月25日夜、東京・内幸町の帝国ホテル最上階(17階)にある「鉄板焼 嘉門」で会食した。3時間に及んだ。

Photo by gettyimages

岸田氏は同日午後にも自民党本部で茂木敏充幹事長を交えて3者会談を行った。というよりも僅か1週間前の18日夜も両氏は虎ノ門のホテルオークラ(ヘリテージ館4階)の日本料理店「山里」で会食している。

18日会食で麻生氏は岸田氏に対し厳しい注文を付けたとされる。「総理、貴方が総裁選で勝つためには心を入れ替える必要があります。それには茂木幹事長との関係修復が不可欠ということです」とまで言い切ったというのである。

一方、麻生、茂木両氏も事前の腹合わせを行っている。16日夜、東京・麻布十番の日本食店「イルブリオ 麻布」での長時間会食だ。

明らかにこちらは、その10日前に同じ麻布十番の寿司店「おざき」に菅義偉前首相が加藤勝信元官房長官、萩生田光一前政調会長、武田良太元総務相、小泉進次郎元環境相を召集し、催した夕食会を強く意識したものだ。

報道各社に事前通告していたこともあり、記者・カメラマンやテレビクルーが殺到した。当日になって進次郎氏の出席が判明し、騒ぎはさらに大きくなった。当然ながら永田町関係者は菅氏が号砲一発「岸田降ろし」に踏み出したと受け止めた。

 

菅氏はポスト岸田の手札として、「加藤」「進次郎」だけではなく「石破(茂元幹事長)」まで揃っている。しかし、麻生氏側にはカードがない。一時期、世上で持て囃され、麻生氏が担ぐとされた上川陽子外相が失速し、カードに成り得なくなった。

こうしたことから、麻生・茂木連合はいずれ岸田氏支持に傾くに違いない、そのための条件擦り合わせが水面下で進行中との見方が急浮上したのである。それが異例の2週連続の岸田・麻生会食の背景「解釈」となった。

関連記事