ハレルヤ

銃のハレルヤのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
3.7
ある雨の夜、大学生のトオルは河川敷で男の死体と共に銃を発見する。その銃を拾った事でトオルは徐々に理性が狂い出し危険な領域へと踏み出していくサスペンススリラー。

ハズレかもなぁと思いつつ、題材的に興味を持ったので鑑賞してみました。意外と思っていた以上に見入った97分。個人的には面白かったですね。

トオルが銃を偶然拾うところから始まる本作。本物の銃に魅せられ、持っているだけで不思議と自分に自信が宿るような感覚になるトオル。やがて銃を撃ってみたくなるような感情に捕らわれ、歯車の狂いは大きくなっていく。

そんなトオルを演じたのは村上虹郎。「孤狼の血 LEVEL 2」での熱演が今も心に残っていますが、本作でも銃との出会いで理性をコントロール出来なくなっていくトオルを見事に演じていましたね。

そんな中トオルの家にやってくる刑事。トオルが近所で猫に向かって発砲した事で銃声や周辺の目撃からここまで辿り着かれ、内心の焦りを抑えられなくなる。刑事役にはリリー・フランキー。喫茶店での会話で必死に誤魔化そうとするトオルをしっかりロックオンする様子は、やはりリリーさんならではの追い込みが感じられます。

「人間を殺すと普通の理性じゃいられなくなる」という刑事の忠告。トオルの姿を通じてその危険性を感じましたし、ほぼ全編モノクロの映像もダークさが伝わってくるもの。そしてラストでカラーに切り替わる演出も個人的には好みでした。

ただトオルと恋人に近い関係になる広瀬アリス演じるユウコとのエピソードは完全に尺埋め程度の扱い。全然重要じゃないし、無くても全く問題なし。でも無かったらかなり時間が短いから仕方なくみたいな気がしましたね。

詰めの甘さや突っ込みどころも結構ありますが、最初から最後までずっと集中を切らさず見入っていられたのは良かったと思います。ただ一言だけ言うなら大学の食堂(?)でタバコ吸ってるのは、今の御時世有り得ないかと…笑
0件
    ハレルヤ

    ハレルヤ

    映画鑑賞を趣味にして約20年。 古今東西問わず、1日1本を目標に 色んな作品を見ていきたいと思います。 採点基準 5.0→マイベストムービー 4.5→年間トップレベル 4点代前半→かなり面白かった…

    映画鑑賞を趣味にして約20年。 古今東西問わず、1日1本を目標に 色んな作品を見ていきたいと思います。 採点基準 5.0→マイベストムービー 4.5→年間トップレベル 4点代前半→かなり面白かった作品 3点代後半→それなりに楽しめた作品 3点代前半→普通くらいの作品 2点代後半→イマイチな作品 2点代前半→金と時間返せレベル 1点代→最悪の極み ベストムービーを2024年のベスト10に変更しました。