Webサービス 【web service】 ウェブサービス

概要

Webサービス(web service)とは、利用者Webサイトの閲覧と同じようにWebブラウザによる表示・操作により利用できるようにしたインターネット上のサービス。また、ソフトウェアの提供する機能やデータを、Web技術の標準仕様に基づいて外部から利用できるようにしたもの。後者の意味はほぼ廃れ、現在では前者の用法が支配的である。

Web上で加入者や訪問者に向けて何らかのサービスを提供するもので、情報提供のためのWebサイトWebメディア)や物販が中心のオンラインショップECサイト)とは区別される。SNSオンラインゲームオンラインバンキングオンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画配信・共有サービスなど様々な種類がある。

オフィスソフトメールソフトグループウェアのように従来は単体のアプリケーションソフトとしてコンピュータに導入・利用されてきたものをWebブラウザを通じて利用できるようにしたWebアプリケーション型のASPサービス/SaaSなども含まれる。

技術仕様としてのWebサービス

HTTPXMLなどWebコンテンツの送受信に用いられる標準技術を基盤に、ソフトウェア間でデータや機能を連携できるようにしたものをWebサービスという。2000年代前半に注目されたが、同様の目的のためにRESTRESTful API)がよく採用されるようになり廃れていった。

HTTPXMLを応用したSOAPSimple Object Access Protocol)と呼ばれるプロトコル通信規約)およびデータ形式を用い、Webシステム間で互いに機能を利用しあったり、データを送受信したりすることができる。

接続仕様の記述にはWSDLWeb Services Description Language)と呼ばれる言語が、サービス提供情報の蓄積や交換にはUDDI(Universal Description, Discovery and Integration)と呼ばれるデータベースが用いられた。WS-AddressingやWS-Security、WS-Reliability、WS-Routingなど、名称が「WS-」で始まる様々なプロトコルメッセージ規格が機能や用途に応じて策定された。

利用者の指示に従ってサービス間で自動的に連携やデータ転送をったり、コンポーネント(部品)化されたサービス群を繋ぎ合わせて目的に応じて迅速・柔軟にシステム構築するといった構想が語られたが、仕様が巨大で複雑すぎたため、本格的な普及に至る前にシンプルで軽量なRESTful APIに取って代わられた。

(2018.10.10更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。