ACR 【Automatic Carrier Routing】

概要

ACR(Automatic Carrier Routing)とは、電話をかける際に、特定の電話会社を経由させる番号(プレフィクス)を自動的に番号の先頭に付加する装置。電話機に内蔵されている場合と後から取り付けるアダプタになっているものがある。

通信自由化に伴い、先頭に特定の識別番号を付加して電話をかけることで、対応する通信事業者の通話サービスを利用することができるようになった。例えば、03-1234-5678にかけるときに0077-03-1234-5678にかけることで0077で識別されるKDDI(参入当初はDDI)を利用することができる。

毎回特定の番号を先頭に付けるのは面倒で、そのような使い方の認知度も低かったため、発呼時に機械によって自動的に番号を付加して発信する方式が考案された。どの番号を付加するか利用者が設定できる場合と、電話会社が自社サービスを利用させるため自社番号を付加させる装置がある。

常時利用する通信会社を登録し、発信時に番号を付加しなくてもよいマイライン/マイラインプラスが開始されたため、その後はほとんど利用されることはなくなった。

LCR (Least Cost Routing)

発呼時に相手先の番号に応じて自動的に最も通話料金が安くなる電話会社を選択する装置をLCRという。

市外局番などに応じて最も割安になる事業者を選択し、先頭にその識別番号を付加して発信してくれる。LCRと呼称しながら実際には常に同じ識別番号を付加するACRになっている装置も多い。

(2018.4.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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