クロスケーブル 【cross cable】 リバースケーブル / reverse cable / クロスオーバーケーブル / crossover cable
概要
クロスケーブル(cross cable)とは、内部に複数の芯線(信号線)が通っている通信ケーブルのうち、一部の芯線が両端で別の位置のピンに結線されているもの。同じ端子の送信側のピンと受信側のピンを繋げるため、内部で交差して配線されている。クロスケーブルはコネクタの各ピンの送信・受信の役割が固定されているような通信規格で用いられる。そのような規格ではコネクタの仕様が二つ(例えば、端末側・集線装置側など)あり、両者は同じ位置にあるピンの送信・受信が反転している。
端末同士や集線装置同士など同種の機器を相対でケーブル接続する場合、同じ位置のピン同士を結線すると送信と送信、受信と受信を繋いでしまい通信できないため、クロスケーブルでは配線を交差させて送信用のピンと対応する相手方の受信用のピンを繋げている。
これに対し、端末と集線装置のように異なる種類の(コネクタを持つ)機器を接続する場合には、同じ位置のピン同士をそのまま結線している「ストレートケーブル」を用いる。通常の用途ではストレートケーブルを用いることが多く、クロスケーブルは特殊用途向けであることが多い。
例えば、イーサネット(Ethernet)にはコネクタのピン配置として端末向けのMDIとハブやスイッチ向けのMDI-Xがあり、通常は両者をストレートケーブルで結ぶが、コンピュータ同士を直に接続したい場合やハブ同士を接続したい場合などにはクロスケーブルでMDI同士、MDI-X同士を接続する。
イーサネットの場合には、相手方の機器の種類を自動検知してピンの送信・受信を動的に切り替える「AutoMDI/MDI-X」仕様が普及しており、同種の機器を接続する場合でもストレートケーブルで済むようになっている。
(2023.8.6更新)