日本人って「話し合い」がとにかく好きですよね。 何でも「話し合いで解決する」のを理想と考えている。 それは元来、「和」を尊ぶお国柄だからということに由来するのでしょうけれど。 確かに「話し合い」は大切ですし、重要だと思うのですが、それを声高に主張する人に限って、その「副作用」というものを認識していないのではないでしょうか。 そんなことを考えるキッカケとなった、山本七平のコラムを今日から何回かに分けて紹介して行きます。 ◆話合いの恐怖 人間は子供のときに頭に叩き込まれた図式が、生涯抜けないらしい。 これはあたりまえのことかもしれぬが、しかしそれは、必ずしもその人の宿命とはいえまい。 問題は、自分の幼時はこうであったから、こういう考え方をしやすいという自己把握をして意識的にそれを制御するか、表現だけは年齢や時代とともに変わっても、幼時に叩き込まれた図式に生涯呪縛され、その図式でしか思考も行動も