要点 カッシーニ探査機による観測により、土星衛星エンセラダスの地下海から噴出される海水中に、超高濃度のリン酸が含まれていることを発見。 リン酸の異常濃集を起こす要因が、アルカリ性かつ高炭酸濃度のエンセラダス海水と、岩石との間の化学反応にあることを、独自の実験から特定。 リンはDNAなどを作る重要元素で、その濃集は生命誕生の鍵。これが濃集した場を地球外で初めて発見した事例であり、地球生命誕生の場の特定につながる。 概要 東京工業大学 国際先駆研究機構 地球生命研究所の関根康人所長/教授、丹秀也研究員(現 海洋研究開発機構 超先鋭研究開発部門 ヤング・リサーチ・フェロー(Young Research Fellow))、海洋研究開発機構の渋谷岳造主任研究員らの研究チームは、日欧米による探査と実験の綿密な連携によって、エンセラダスの海に地球生命の必須元素であるリンが、地球海水の数千から数万倍という