徳島県警の40歳代の男性巡査部長による警察手帳偽造容疑事件は21日、勤務先の小松島署が大阪府警の捜索を受ける異例の事態に発展した。 約1時間に渡る早朝の捜索は、土曜日で宿直勤務だった署員らに動揺を与え、県警本部では、鹿山公弘・首席監察官が「署が捜索を受けたことは承知しています」と事態を認める緊急発表を行うなど対応に追われた。県警関係者からは「署が他府県の警察の捜索を受けるなんて前代未聞だ」と怒りの声が聞かれた。 巡査部長は徳島東署や徳島北署などの警備、地域部門の勤務が長く、小松島署でも地域課に所属していた。パトカーに乗務し、若い署員の指導にも熱心だったという。パソコンの操作に精通し、地域課勤務の警察官が作成した広報紙を集めた県警のコンクールではその腕を生かし、何度も入賞している。県警幹部は「警察が大好きで、好きという気持ちが一線を越え、警察手帳の偽造などをしてしまったのだろう」と推測する。