【ワシントン=小雲規生】米上院外交委員会は3日、オバマ政権が議会に求めているシリアのアサド政権に対する軍事行動の承認について、公聴会を開いた。出席したケリー国務長官は、アサド政権の化学兵器使用が「国際社会や人類にとってのレッドライン(越えてはならない一線)」を越えた」と強調し、軍事行動への理解を求めた。 公聴会では、各委員が軍事行動によって米国がシリア内戦に巻き込まれることへの懸念を繰り返し表明。これに対してケリー氏は「オバマ大統領は戦争をすることへの承認を求めているわけではない」と話し、アサド政権への攻撃は地上軍を投入しない限定的なものであることを改めて訴えた。 また、議会が軍事行動を承認しなければ、イランや北朝鮮のほか、テロリストにも、米国は化学兵器の使用を座視すると受け止められかねないとして、「議会が承認しないことは想定していない。あまりに恐ろしい事態だ」と述べ、協力を促した。