タイムアウト東京マガジンにて連載中のローカルレジェンド。この連載では、渋谷の絶滅危惧種「ガングロギャル」など東京の街で活躍するレジェンドたちを紹介している。今回は、2016年5月に102歳を迎えた、カフェ ド ランブルのオーナー関口一郎に話を聞いた。 銀座の路地裏に、意思表示ともとれる「コーヒーだけのお店」と書かれたオレンジ色の看板を見つけ扉を開けると、関口は焙煎作業の最中であった。 カフェ ド ランブルは、1948年に創業したコーヒーの老舗だ。店名になっているフランス語「ランブル」は、関口の理想とするコーヒーの色「琥珀色」を意味する。オープンのきっかけは、戦前に映画関係の音響のエンジニアをしていた際に、客にコーヒーを振る舞っていたところ、評判が良く、口々に「コーヒー屋を開いた方がいい」と言われ、決意した。元々コーヒーに興味を持ったのは学生時代で、コーヒー豆の問屋などに通い、関口の基礎とな