最近「子どもの貧困」というキーワードを目にする機会が増えていませんか? 日本では、「6人に1人の子どもが貧困 ※1」と言われていて、一人親に絞ると半分以上が貧困だというデータも出ています。実は子どもの貧困先進国である日本…。しかも、どんどん見えづらくなっていて、社会が把握するのも困難な事態に陥りつつあります。 ※1 出典:厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査 そこで今回、貧困問題の巨人と言われている法政大学教授・社会活動家の湯浅誠さん、さらに孤立した子どもたちへの支援に取り組むNPO団体「PIECES」の小澤いぶきさんに話を聞いてきました。 難しい問題であるが故に「なかなか文字では伝わらない」ため、ジモコロは社会問題の実態を伝えるマンガを制作! “子どもが平等に夢見れる社会を残す”ことを目指してPIECESに1000万円分の広告枠を提供している「SmartNews ATLAS Progr
2015年、埼玉県北本市の中学校で、「給食費未納が3カ月続いた場合は給食を提供しない」という決定が下されたことが新聞のトップニュースとなりました。また大阪市では、再三の催促に応じず、給食費を支払わない家庭への回収業務を一部、弁護士に委託することが決まりました。「払わない保護者が悪い」「たかだか数千円、本当は払えるのに払っていないだけだ」――ネットではそんな批判も相次ぐ「給食費未納」問題。しかし、その本質は、実はもっと奥深いところにあります。 長く参議院事務局調査員として立法調査業務を行い、DV法改正などにも携わってきた鳫咲子(がん・さきこ)氏は、この問題を「子どもの社会保障」の問題ととらえます。鳫氏が9月に上梓した新刊『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差』(光文社新書)は、膨大なデータとともに、給食費未納問題を巡る事象を解説するものでした。給食費未納問題から、私たちが今直視しなければなら
「滞納」という言葉を聞いて、なにを思い浮かべるだろうか。 学校給食費の滞納問題や、高校授業料の滞納で卒業証書が発行されない生徒がいた問題を思い出す人がいるかもしれない。あるいは、国民健康保険料を支払わずにいたために訴訟になったり、給与等の差し押さえがなされることが多くなっているという話を耳にしたことのある人もいるだろう(北海道社会保障推進協議会『笑顔でくらしたい』第80号2015年2月)。 こうした滞納問題は、時に、個人のモラルの問題や、家計管理能力の低さの問題として語られる。「だらしがないから」「やりくりが下手だから」滞納する、あるいは、支払うべきものを支払う意思に欠ける人の問題だとみなされがちだ。 ここで、表1を見ていただきたい。これは、北海道で実施した、ひとり親世帯に対するアンケート調査結果から作成したものである。 表1 ひとり親家庭になってから経験した問題や困難(※1)(単位:人、
上と下 格差のいま(1)違う育ちの世界 大学生挑む 大学の空き教室で友達と卒業論文の仕上げ作業をするユミさん 子どもの貧困問題に取り組むNPO法人「チャンス・フォー・チルドレン」で働く久波さん 格差社会には、上と下がある。ふたつの世界で育った子どもは、何がどう違うのだろう。お金、教育、考え方……。同じ東京に住みながら、互いの存在をほとんど知らない。専門家がふたつの世界の「分断が進んでいる」と警鐘を鳴らすなか、もうひとつの世界に足を踏み入れた、2人の大学生に会った。 ◆貧困 海外の話と思っていた ・教員の両親 有名中高一貫 「貧困は、海外の話だと思ってました。日本にもあるって知らなかった」。慶応大4年のユミさん(23)は言う。父は大学の教員で、母は小中学校の教師。世田谷区の一軒家で育った。小学校は区立に通い、中高は都内で名の知れた私立の一貫校に進んだ。 小学生の頃、近所の団地に住む子の
人工的に発生させた雷(かみなり)・プラズマを農業に活用する研究が世界で進められています。CO2排出削減にもつながる画期的な技術の可能性と課題について考えます。
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル みわよしこ 急増する生活保護費の不正受給が社会問題化する昨今。「生活保護」制度自体の見直しまでもが取りざたされはじめている。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を知ってもらうことを目的とし、制度そのものの解説とともに、生活保護受給者たちなどを取材。「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 世
【その壱から続く】 「最近の若いやつらは(以下省略」ところで、私の本職は経済産業省所管の独立行政法人の研究員ですが、研究者の世界の末席におります関係上、縁あれば大学で非常勤講師として教壇に立つことがあります。これまでも、いくつかの大学で、経済政策や社会保障に関する講義を担当した個人的経験があります。そこで何度か、先に説明したような貧困の概念や合意基準アプローチについて話をしたことがあるのですが、ある時、気になって、受講している学生たちに対して、阿部先生のアンケートのどの項目について当たり前の必需品であると合意できるか質問してみたことがありました。講義中の事でしたから、受講生に挙手をしてもらうことで、おおよその合意度合いを知ろうとしたのですが、そこはそれ、恥ずかしがり屋の日本人学生のことですから、あまり高い比率で手が挙がるということもありません。そこで翌年、新しい受講生全員に、阿部先生のアン
現在位置: ホーム > イベント・講座 > 労働政策フォーラム > 2013年7月13日プログラム > 開催報告目次 > 講演4 若年女性の貧困問題:第68回労働政策フォーラム アンダークラス化する若年女性:労働と家庭からの排除(2013年7月13日) 私は、路上のホームレスの人々へのインタビューなどをしながら、なぜ路上で人々が生活しなければいけないのか、路上でどのように生き抜いているのかというようなことに関心を持って、研究を続けてきました。 今日は私が行政や社会福祉法人、NPO、個人ボランティアなどの支援の方々からお聞きしたことや、いろいろな資料・ホームページなども用いながら、女性の貧困、とくに、彼女たちはどのような困難を抱えているのか、さらに今後に向けてどのように考えるのかについてお話したいと思います。 そのときに「貧困」という言葉を使いますが、これは決して経済的な貧困ばかりではなく、
阿部彩氏は国立社会保障・人口問題研究所で貧困問題を中心に研究されています。今年6月「子どもの貧困対策法」が成立し、ようやく社会からも「子どもの貧困」が問題視されるようになりましたが、阿部氏はすでに2008年『子どもの貧困』を出版。日本の子どもの貧困問題について、多くのデータを用いながらわかりやすく解説しています。そもそも「子どもの貧困」とは何か? という定義から、それは子どもの育ちにどのような影響をもたらすのか? そして学校ではどのような対応ができるのか等について伺いました。 学びの場.com「子どもの貧困対策法」が今年6月に成立した際、日本の子どもの貧困率は先進国の中でも高く、15.7%であること等が多くのメディアで報道されました。この数値の高さに驚きながらも、そもそも子どもの貧困とはどのような状態を指すのか、知らない人も多いと思います。まず、子どもの貧困の定義について教えていただけます
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