2月5 清水真人『平成デモクラシー史』(ちくま新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 『財務省と政治』(中公新書)などの著作をもつ日経新聞の記者によるここ30年の日本政治史。400ページ近い本文に、人名索引までついたボリューム満点の構成になっています。 新聞記者が書く政治史というと、大物政治家の人間関係などを中心とした政局が中心で、記者だからこそつかめたネタがいろいろと紹介されているのかと思う人もいるかもしれませんが、この本はそういった内容ではありません。 91年の宮沢内閣発足時に、三塚派が人事で冷遇されそうになってヤケ酒を飲みジャージー姿で咆哮する三塚博という番記者ならではなかなかすごい描写もありますが、それよりも近年の政治学の成果を取り入れながら、選挙制度改革や省庁再編といった政治制度の改革が現実の政治にいかなる影響を与えたのかを見ていこうという視点が強いです。 それは参考文献に、大山