Part 2:女性の「呪い」もしくは「武器」としてのマナー Part 1では、「ノックは3回」という謎マナーが「国際プロトコール」でも「国際マナー」でもないという点について書いた。引き続きPart 2では、これがどのように生まれ広まってきたのかについて考える。 Part 1:「ノックは3回」はマナー違反 Part 2:女性の「呪い」もしくは「武器」としてのマナー(この記事) Part 3:マナーメディアと日本社会 1 「ノックは3回」のルーツ少なくとも戦後昭和日本に育った人ならノックは概ね2回と考えるのが常識的であろう。戦前の1941(昭和16)年に文部省から刊行された『禮法要領』では洋室のマナーとして「ノツクをして許を得る」としか書かれていないが、その解説書の1つでは、「ノツクは輕くコツコツと二つ打つ」と書かれている。戦前戦後を通じてノックの回数に触れたマナー本は多くはないが、1980年