学生時代に訪れたバングラデシュで貧困の現実を目の当たりにし、食糧問題を解決したいという思いから2005年に出雲充社長が創業したバイオベンチャー「ユーグレナ」。世界で初めてミドリムシの屋外培養に成功し、ヒトの必要栄養素を効率的に摂取できる食品としての可能性を見いだした。今では食品にとどまらず、化粧品、バイオ燃料など様々な用途に広がりを見せている。 今でこそ国内でも一定の認知を得られるようになったが、当初は「ミドリムシを食べる」と聞いてもピンと来る人は少なかった。むしろ、ムシ(ミドリムシは正確にはムシではなく藻類に属する)と聞いて顔をしかめる人や拒否反応を示す人が大半だったのではないか。そのイメージを10年かけて変え、ANAホールディングスや武田薬品工業といった大企業との提携も果たした。 一方、東京から約8000km離れた北欧。ここにも、出雲社長に勝るとも劣らない熱意の起業家がいる。ユーグレナ