最近、トルコがアルメニアとの国交を開こうとしている。トルコがEUに加盟する条件の一つに、かつてトルコが行ったアルメニア人虐殺をどのように認めるかが問題になるが、「もしトルコが正式にアルメニア大虐殺を認めれば、アルメニアはトルコに対し謝罪や補償だけでなく、先述のアナトリア半島東部を「約束の地」として帰属を要求する可能性もある」(ウィキ)というから、そんな簡単に全面謝罪というわけにはいかないだろう。 一方、大半の輸出入をグルジア経由のルートに頼っているアルメニアは、グルジア紛争によって物流の多くが止まり大きな打撃を受けた。トルコ経由で輸出入ルートを確保するために、トルコとの関係改善が必要になったといわれている。だからといって、トルコと安易に妥協することは、内外のアルメニア人が納得しないだろうから、いずれにしてもかなり難しい問題だ。早ければ数カ月後にはトルコとアルメニアの国境が開くというが、本当
最終更新: May 29, 2006 (MON) 19:51 (書評掲示板より採録) 書誌情報 著者:佐藤俊樹 題名:不平等社会日本 出版社:中公新書 発行:2000年6月第一刷 外形:新書判, 208ページ ISBN: 4-12-101537-1 (amazon) 著者は東京大学国際社会科学専攻相関社会科学コース助教授。SSMという大規模社会調査データを統計解析して,見かけの機会均等とは違って日本は実は不平等な階級社会なのだと論じたのが話題を呼んで,ベストセラーになった本であるが,実はかなりトンデモ本に近い。 論理がいったりきたりするし,同じ主張の繰り返しが多いし,主観的解釈とデータから言えることが不分明だし,卒業論文だったら3点満点の2点くらいではないだろうか。批判するという目的がなかったら投げ出したいくらいだと読んでいて何度も思った。以下,具体的に批判するので,反論があればここに書き
Kindle(キンドル)、そしてiPad(アイパッド)が発売になってから、電子書籍がにわかに脚光を浴びるようになった。こういった電子書籍端末やタブレット機で読む本の対極にあるのは、言うまでもなく紙の本だ。その中でも最も遠い存在が工藝製本だろう。革などで意匠を凝らした1点物の書籍のことだ。フランス語ではルリユールといい、ヨーロッパでは数百年の伝統がある。ルリユールをわが国に広めたのは栃折久美子さんである。日本工藝製本の創始者といっていい。 電子書籍が世間の耳目を引き、やがて紙の本に取って代わるだろう、と語られるようになったとき、工藝製本の作家や愛好者たちは、栃折久美子という日本ルリユールの巨人が、どのような意見を持つのか、その考えを聞いてみたいと興味をもった。愛好者の心裏には「紙の本が無くなるなんてありえない」という反発があった。巨人の同調を得て、反旗をひるがえしたかったのだ。それは、新しい
『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』(原題:The Shallows)は、『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』(原題:Does IT Matter?)で一躍有名になったニコラス・G・カーの最新作だ。インターネットへの継続的な没入が、脳の大規模な変化をおよぼし、書物を読む時のような「深い読み」や、他人への共感に必要な機能が損なわれることを論じている。こうくると、たちまち「そんなバカな!」という非難の声が巻き上がりそうだ。カーもそのことは承知しており、この本には、ぎっしりと証拠を詰めこんでいる。 感想はといえば、わくわくするような本ではないが、興味深い本であった。人類の知的活動の歴史、インターネットの最新の利用法、その批判に関して、膨大な情報をバランスよく配置してあり、思考の手助けになる一冊であることは間違いない。ただし、科学研究事例の引用のやり方には見過ごせな
キース・ソーヤー著『凡才の集団は孤高の天才に勝る』(金子宣子訳、ダイヤモンド社)を読んだ。 三年くらい前にジェームズ・スロウィッキー著『「みんなの意見」は案外正しい』(小高尚子訳、角川書店)という本が出ていて、「似たような本かな」とおもいながら手にとった。似ているところもあるが、ちがうところもあった。 『「みんなの意見」……』のほうは、「集合知」(集団の知恵)というテーマをあつかっていたとおもう。たとえば、グーグルなどであやふやな人名を検索すると、検索結果の数が多いほうが正解であることが多いというような話だ(ごめん、うろおぼえ)。 『凡才の集団は……』のキーワードは、「グループ・ジーニアス」あるいは「コラボレーション」である。 タイトルや装丁は、ビジネス書っぽいが、パラパラ読んでいるうちに、「グループ・ジーニアス」という言葉は、わたしの関心事である中央線文士、第三の新人、「荒地」の詩人、「
@ShindyMonkey SF研究家以上に、ぼくが痛切に望んでいるのは、ちゃんと書評ができる俊英。プロ書評家かどうかではなく、本を読むのがとことん好きで、そのうえで自分なりの評価軸で作品を扱えるひと。バイヤーズ・ガイドではなくて、偏愛をもって作品を遇する姿勢と覚悟の持ち主が、表舞台に出てきてほしい。 2010-08-04 18:06:02 @ShindyMonkey まあ、そういう書評や作品紹介の発表の場がないというのが大きな問題だけど。SFMもそうだけど、おおよその書評コーナーはバイヤーズ・ガイドの仕様だからね。ぼくがここで言っている書評とは、かならずしも評論的な論理性を前提としない。「すげえ面白い本があってさ」と、ひたむきに語る、そんな。 2010-08-04 18:11:10
2010年7月、日本の出版史上で初めて、電子書籍の部数を含んだミリオンセラーが誕生した。正式タイトルの『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』よりも、略称『もしドラ』のほうが有名だろう。 ドラッカーのマネジメント論をわかりやすく説き、社会現象になった『もしドラ』。その舞台裏には、2010年のデジタルシーンを代表する“ツイッター”と“電子書籍”という2つのテーマを垣間見ることができる。もしドラ100万部達成の裏側で、ツイッターと電子書籍はどんな役割を果たしたのか。担当編集者の加藤貞顕氏にお話を伺った。 同タイミングだった、もしドラとツイッター ―加藤さんがツイッターを始めたきっかけは? 2007年頃でしたか、ツイッターがネット上で最初に話題になりましたよね。その時に一応アカウント( @sadaaki )だけはとっていたんですよ。でも当時はまだ面白さがよくわか
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く