ランダムオラクル(英: Random oracle)は、暗号理論における一種の神託機械(理論的ブラックボックス)であり、あらゆる問合せに対して値域に一様に分布するような(真の)ランダムな応答を返すが、同じ問合せに対しては毎回同じ応答をするものである。言い換えれば、ランダムオラクルは全ての入力を値域内のランダムな出力にマッピングする関数である。 ランダムオラクルは暗号理論の証明で使われる数学的な抽象観念である。典型的には、何らかの暗号方式の安全性を証明する上で、その暗号方式に現れる暗号学的ハッシュ関数が適当な数学的性質を持つことを証明できない場合に、そのようなハッシュ関数の理想的な代替物として利用される。このように、安全性を証明する際にハッシュ関数をランダムオラクルで置き換えている場合、その暗号方式は「ランダムオラクルモデルにおいて安全」あるいは「ランダムオラクル仮定のもとで安全」と言われる