主力薬の特許が2010年前後に相次いで失効し、後発医薬品にシェアを奪われて収益が激減する「2010年問題」。多くの日本の製薬会社は、バイオ医薬や抗体医薬といった次世代の医薬品へのパラダイムシフトに乗り遅れ、かつてない危機に立ち向かおうとしている。 その一方で、次世代をリードする可能性を秘めた先端医療技術の芽は確実に存在する。この連載では、2010年7月5日号の特集「武田も揺るがす『2010年問題』」の連動企画として、世界の先頭集団を走る日本発の先端医療技術を取り上げる。 第4回は、細胞培養によってワクチンを量産する技術を採用し、従来の半分以下という2カ月でインフルエンザワクチンを量産できる目処を立てた秋田の創薬ベンチャー、UMNファーマである。先端のバイオ技術を活用し、旧態依然としたワクチン業界に大きなインパクトを与える同社の取り組みを紹介する。 昨年夏に全世界を襲った新型インフルエンザ。