昨年12月25日アムステルダム発デトロイト行きのノースウエスト航空機で発生した爆破テロ未遂事件のアブドルムタラブ容疑者(23)は、自供によればイエメン在の国際テロ組織アルカイダでテロ訓練を受け、その関係者から今回の爆弾を入手していた。容疑者の父親はナイジェリアの大手銀行のトップで、息子もロンドン高級住宅地の裕福な環境に育った。貧困がテロを生むといった議論の反証例のような事件でもあった。 未遂とはいえ米国のテロ際策に不備があった。容疑者搭乗に際して「人為・組織的なミスがあった」とオバマ米大統領も認めている。今後テロ対策は不備を補うべくブッシュ政権下に多少近づくように強化されるだろう。 今回の事件はセプテンバーイレブンのテロ恐怖を米国人に思い起こさせるものであり、日本人からは想像がつきづらいほどアルカイダへの敵意も米国には見られる。犯行の背景は正確に言えばまだ解明されていない。だが、今回は愉快