【ワシントン=黒瀬悦成】ブッシュ大統領が13日、米軍による対グルジア人道支援を発表したのは、グルジア情勢への関与姿勢を明確にし、「民主化のモデル」と自賛してきた親米のサアカシビリ政権を脅かすロシアを強くけん制する狙いがある。米露間の対立の激化は避けられない。 ブッシュ大統領によると、ライス国務長官はトビリシ入りに先立ちフランスを訪問し、ロシアとグルジアの仲介を進めているサルコジ仏大統領と協議する。 ブッシュ政権としてはあくまで外交的解決を優先させる構えで、現時点ではロシアとの軍事対決を避ける姿勢を堅持している。が、人道支援の形とはいえ米軍を現地に派遣したことは、ロシアに対し、軍事的選択肢を完全排除したわけではないとの「強い警告」を発しているのは明白だ。 大統領は、ロシアは軍事行動を停止すると約束したにもかかわらず、これと矛盾する行動をとっていると批判。米政府が入手した情報を基に、ロシア軍部